JASPICはソフトウェアプロセスの改善に関する研究、普及活動を行っています

SPI Japan 2010

SPI Japan 2010
– ソフトウェアプロセス改善カンファレンス –


■日程:
2010年11月10日(水)午後 チュートリアル
2010年11月11日(水) ~ 11月12日(金) 本会議
■場所:
場所:エポカルつくば(つくば国際会議場)
http://www.epochal.or.jp/
■主催:
日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
■後援:
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
ソフトウェア技術者協会(SEA)
■参加費:
本会議 ¥30,000(税込み)  チュートリアル ¥15,000(税込み)

今やソフトウェアは日々の生活の隅々にまで組み込まれ、ソフトウェアがなくては一日とて暮せないような時代となっています。にもかかわらず、ソフトウェア の作り方、つまりソフトウェアプロセスには決定打と呼べるものがなく、開発現場で様々な工夫をこらして品質と生産性を高める努力がなされています。そうしたプロセス改善活動で得られた技術や知見を総集し、その普及と技術力向上の場として役立てていただくために、JASPICは今年もSPI Japan 2010を開催します。
基調講演では、「現場主義が道を拓く ~ソフトウェア品質会計の経験から~」と題して、日本電気の誉田直美様からお話をいただきます。

「ソフトウェア品質会計」は、NECが20年以上かけて構築したソフトウェア品質管理手法である。品質のよいソフトウェアの開発を目指して、ソフトウェア品質会計を軸とした現場での取り組みを続ける中で、技法やしくみの構築の重要性もさることながら、現地・現物・現実を重視した活動こそ、成果をあげる鍵であることに気がついた。ソフトウェア開発における現場主義とは何か、我々が今注力すべきことは何かを、具体的なデータを交えて解説する。(基調講演概要より)
続く一般発表では、公募・審査による34件の発表がひしめいています。今回も様々な題材による発表が寄せられました。きっと、仕事の役に立つ知見が得られるはずです。

また、今回は新しい試みとして、「SPIの小部屋」というトラックを設けました。その名の通り、他のトラックより小さめの部屋で、特定の団体/グループに内容を一任し、一セッションを丸々運営してもらうというものです。JASPICの「アセスメントノウハウ分科会」によるセッション、ソフトウェア技術者協会ソフトウェアプロセス分科会(SEA-SPiN)によるセッションの他、従来からの「産学連携」セッションもこの枠で行ないます。

産学連携セッションでは、従来からアカデミアの研究者の方々をお招きして、産業界との交流を図ってきました。今回は、産学連携というテーマそのものを話し合う企画として、産学で連携した活動というものに従事された/されている方々においでいただきます。そこで実際の活動の紹介をいただいた後、より実りのある産学連携の形を、参加者の方々と共に見つけ出していきます。

最後はパネルディスカッションです。「CMMIとアジャイル」と題して、それぞれの推進・支援を担われている方々を司会・パネリストとしてお迎えし、モデルベースのプロセス改善と、アジャイルを活用した開発の経験を紹介しながら、互いに取り込むことができる要素や、課題に対する新しい解を探るなど、 さらに高い効果が実感できる改善活動の進め方について、議論したいと思います。

チュートリアルも二つ用意しました。今回は第一日目11月10日午後の開催となります。詳しくは以下をご覧ください。

以上のプログラムで、皆様の参加を心よりお待ちしております。

【参加申込】
終了しました。多数の申し込み、ありがとうございました。

【問合せ先】
sj10info アット jaspic.org
(宛先の「アット」を “@”に置き換えて、件名に「SPI Japan2010について」とお書き添えください。)

【プログラム】
11月10日(水) チュートリアル

時間

内容

13:00-

受付 (エントランスホール)

13:30-16:30

◎チュートリアルA(大会議室101)

速報CMMI ver.1.3差分解説  ~ CMMI最新versionの従来版との変更点を知る ~

乘松 聡 (乗松プロセス工房)
CMMI ver.1.3 開発チームメンバ、SCAMPI高成熟度リードアプレイザ

◎チュートリアルB(大会議室102)

問題の早期発見を導くコミュニケーションスキル向上  ~ コーチング的アプローチでチーム力向上 ~

宮脇 祥子 (日本科学技術研修所)

◎チュートリアルA
速報CMMI ver.1.3差分解説 ~ CMMI最新版における変更点を知る ~

○講師: 乗松プロセス工房 乘松聡
CMMI ver.1.3 開発チームメンバ、SCAMPI高成熟度リードアプレイザ

○内容:
米国カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所(SEI)によると、CMMIが、2006年以来、4年ぶりに改訂され、2010年11月1日に1.3版として公開される見通しです。
本チュートリアルでは、いち早く公開されたばかりのCMMI ver.1.3の内容を、前バージョンの1.2版との差分を中心に説明することで、ご紹介いたします。

  1. アジャイルやプロダクトライン、顧客満足度といったトピックスが、どの程度反映されているのか?
  2. 高成熟度のプラクティス内容が、どれだけ明確に分かりやすくなったか?
  3. 共通プラクティス内容が、どれだけ単純化されたか?
  4. アプレイザルの効率向上を目指した取り組みで何が変わるのか?
  5. CMMI-DEV、CMMI-ACQ、CMMI-SVCの関係に変化があるのか?

等々、皆様の疑問に可能な限りお答えしたいと思います。
従いまして、スライドを用いたご説明および聴講者の皆様との質疑応答により、本チュートリアルを進めてまいります。

※CMMI ver.1.3のモデル記述全体につきましては、SEIの公式サイトより、11月1日のモデル公開後に、各自でダウンロードしていただくことを想定しております。

また、現時点では、SEIより、11月1日のモデル公開が予告されております。しかし、開発の遅れ等SEI側の都合により、万一、本チュートリアル実施までに、モデル内容や関連する情報の全部または一部が公開されなかった場合は、開催時点で最新のドラフト版に基づいて、ご説明させていただきます。予めご了承の上、本チュートリアルのお申し込みをお願いいたします。速報性を重視した企画となっております。

○対象者:
プロセス改善の関係者や、CMMIに興味をお持ちの方。原則として、CMMI ver.1.2の内容をある程度ご存知の方を対象とさせていただきます。

◎チュートリアルB
問題の早期発見を導くコミュニケーションスキル向上 ~ コーチング的アプローチでチーム力向上 ~

○講師: 日本科学技術研修所 宮脇祥子

○内容:
プロジェクトが混乱した時になって「なぜ問題が早く見つからなかったのか?」という言葉が聞かれます。では、プロジェクトの問題は突然出てきたのでしょうか?そんなことはありません。問題はちゃんとプロジェクトの中にありました。でも、それを引き出す人が誰もいなかっただけなのです。なぜこうなってしまうのか。それはコミュニケーションの仕方に「大きな誤解」があるからです。

本チュートリアルではその「誤解」を解きます。そして、チームメンバーがプロジェクトに潜む問題点を自ら提起し、それに挑み、解決し、プロジェクトを成功に導くような強いチームにするためのコミュニケーションスキルをご紹介します。また、グループワークによってチュートリアル参加者の協同思考を促進し、知識の定着をねらいます。

今回ご紹介するスキルは、コーチングの基本である「聴く」「質問する」「フィードバックする」「リクエストする」をベースとしたものです。これらをグループワークを通じて体感し、チームの状況やチームメンバーの特性に応じて現場で活用していただければ、効果を実感することが出来ます。また、プロジェクト内だけでなく、人を育成する様々な場面で活用することも可能です。

これらのスキルを活用することで、プロジェクト内の雰囲気を明るく、やりがいのあるものとし、目標達成にむけてチーム力を向上させてください。

○対象者:
プロジェクト、チームの管理に関わる全てのエンジニア、マネージャー、品質保証担当者、SPI担当者、人財育成担当者など、コミュニケーションスキルに興味をお持ちの方

11月11日(木) 本会議

時間

内容

9:00-終日

受付(エントランスホール)

10:00-12:00

◎オープニング

◎基調講演
現場主義が道を拓く ~ソフトウェア品質会計の経験から~
誉田 直美(日本電気)

12:00-13:15

休憩

13:15-14:45

◎セッション1A(大会議室101)
「状況の可視化」

ソフトウェア開発組織のプロセスの強み・弱みを定量化する試み
板橋吉徳(パナソニック)

PQIを活用したオフショア開発プロセスの可視化 ―オフショア開発におけるPQIの適切性評価と品質改善への活用事例
竹内 眞弓(東芝ソリューション)

チケット駆動開発によるプロジェクトの活性化 ―見える化と運用ポリシーがプロジェクトを変えた
阪井 誠(SRA)

◎セッション1B(大会議室102)
「顧客とのコミュニケーション」

USDMを活用した要件定義の改善 (ユースケース記述からUSDMへ)
矢野 恵生(デンソー)

AsIs(現状)からToBe(理想)へのシステム企画フェーズの取り組みについて
堀 正尚(住友電気工業)

あなたは予習型?復習型? ―こんなに違う生産性
井林 淳一(NECソフト)

◎セッション1C(中会議室202)
「定量的管理1」

組織プロセス実績(OPP)の取り組み ―納得感のある定量的品質管理の実装を目指して
中村 伸裕(住友電工情報)

プロセス改善と定量化モデルの進化と発展
I ピアレビューに対する効果説明モデルの確立
II 一般化線形回帰の適用
III 予測モデルの構築
小室 睦(日立ソリューションズ)
※当発表は60分連続で行なわれます。

◎セッション1D(小会議室403)
「SPIの小部屋」

アセスメントマニュフェストを語ろう
(JASPIC アセスメントノウハウ分科会)

14:45-15:15

休憩

15:15-17:15

◎セッション2A(大会議室101)
「自律的なプロセス改善」

セルフ監査のススメ ―現場の、現場による、現場のためのプロセス監査
和良品 文之丞(キヤノンソフトウェア)
(実行委員長賞受賞)

新しいメンバーに納得を得るプロセス改善活動 ―原点(あのころ)を忘れない活動がプロセス改善の魂を伝承させる
水田 恵子(パナソニックエレクトロニックデバイス)

ヨコで繋がれ! ボトムアップから始めるプロセスカイゼン
安藤 寿之(NECソフト)

ワーキンググループ(WG)活動を成功させる秘訣
岩城 善一(住友電工情報システム)
(最優秀賞受賞)

◎セッション2B(大会議室102)
「プロジェクト運営」

都合により発表取りやめ
セッション2B開始時刻 15:45

プロジェクト診断活動と連動したプロマネ教育の実践 ―PMノウハウ伝播・伝承への思い
前田 修(富士通)

開発プロジェクト内のコミュニケーションの改善の取り組み ―コミュニケーション情報の蓄積とその状況の見える化
馬場 茂雄(東芝)

VSEによる小規模組織への適用効果の実証実験
竹内 元子(SRA)
(プログラム委員長賞受賞)

◎セッション2C(中会議室202)
「プロセスの捉え方、構築、検証」

イテレーション開発を実現するプロセスアプローチとシナリオを用いたプロセス検証
安倍 秀二(パナソニックエレクトロニックデバイス)

ソフトウェア・ハードウェア開発タイプ別「開発作業標準」の構築
田中秀忠(富士通九州ネットワークテクノロジーズ)
(プログラム委員長賞受賞)

現場によるビジネスゴール具体化と定量化の取り組み事例 ―組織プロセスの活用度向上とCMMI高成熟度への基盤整備を目指して
川崎 浩一(富士ゼロックス情報システム)

派生開発におけるQDC目標の同時達成を目指して ―現場主導で行うプロセス改善の施策とその効果
勝又 淳(ソニーEMCS)

◎セッション1D(小会議室403)
「SPIの小部屋」

プチ自慢大会
目的:
 他人の経験した事例から気付きを発見
概要:
 プロジェクト遂行で危機を救った事例や失敗した事例を、当日、参加者が口頭発表し、議論することで、気付きを得る
進行役:
 田中一夫&奈良隆正(SEA-SPIN世話人)

11月12日(金) 本会議

時間

内容

9:00-14:15

受付(エントランスホール)

10:00-12:00

◎セッション3A(大会議室101)
「経験の蓄積と振り返り」

SQAの役立ち度アップに向けて ―SQA担当3年目の「想い」と「試み」
菅沼 由美子(パナソニックエレクトロニックデバイス)

SQAによるテーラリングトレーニングコースの開発と実践 ―年間200件のプロセスQA結果から得られたノウハウを集約
平井 徳子(インテック)

なぜプロセス改善活動が広がったのか? ―実践的なプロセス改善活動の立上げから組織・海外展開へ
藤井 顕伸(パナソニック)

勝って、勝って、また勝って ―スポーツ、トヨタ生産システム、経営学者の考え方等を包含する
渕田 善春(コンサル優優)

◎セッション3B(大会議室102)
「現場が伸びる支援」

魂を吹き込む「現場力活動」 ―『長続きする』現場力活動の作り方教えます!
伊藤浩子(キヤノンソフトウェア)

自らの改善につながる「一人ひとりの日々の“仕事ぶり”を捉える」仕組みについて ―トレーニング指向アプローチによるプロセス改善
山路 厚(デンソークリエイト)

ハードウェア技術者を交えた組込みソフトウェア技術者の育成
上田 忠一(オムロン)

高度技術者育成プログラムの構築 ―トップガン育成の考え方とその実践
古畑 慶次(デンソー技研センター)

◎セッション3C(中会議室202)
「定量的管理2」

CMMI L3を規範としたソフトウエア開発見積業務の改善活動 ―【当社の取り組みについてご紹介】
小野 泰司(関電システムソリューションズ)

CMMI高成熟度における品質・工数予測モデル構築手法
木暮 雅樹(NTTデータ)
(プログラム委員長賞受賞)

生産管理システム開発プロジェクトにおける定量的品質管理の事例
竹内 俊規(住友電工情報システム)

ビジネスアプリケーション開発における生産性バラつき要因の分析事例
藤井 拓(オージス総研)

◎セッション1D(小会議室403)
「産学連携」

産学連携を活性化させるには
目的:
  より良い産学連携活動を考える
概要:
  産学連携活動経験者によるショートプレゼンテーションと、参加者を交えての討論
登壇者:
  芦原 秀一(ネットワーク応用技術研究所)
  野中 誠(東洋大学)
  森崎 修司(奈良先端科学技術大学院大学)
進行:
  林 好一(SRA)

12:00-13:15

休憩

13:15-16:00

◎パネルディスカッション(大ホール)
「CMMIとアジャイル」

司会:
 パナソニック 前川直也
パネリスト:
 安倍 秀二(JASPIC 関西分科会)
 江端 一将(Odd-e Japan)
 串田 幸江(アッズーリ)
 乘松 聡(乗松プロセス工房)
目的:
 モデルベースのプロセス改善への新しい解を探る
概要:
 近々リリースされるCMMI V1.3の特徴の一つとして、アジャイルなどの開発手法のプラクティス組み込みがあげられます。モデルベースで改善を進めている組織にとって、アジャイル手法の適用が新たな解となるのか、経験していない者にとってはわからないことも多いかと思います。
 本パネルでは、モデルベースのプロセス改善と、アジャイルを活用した開発経験を紹介しながら、互いに取り込むことができる要素や、課題に対する新しい解を探るなど、さらに高い効果が実感できる改善活動の進め方について議論します。
 パネリストの課題認識だけでなく、事前に会場の皆さんのご意見も伺って議論のポイントを決定し、進めていきます。

◎クロージング(大ホール)

【カンファレンススタッフ】
SPI Japan 2010 実行委員長
後藤 徳彦 (NECソフト)

SPI Japan 2010 プログラム委員長
遠藤 潔  (日立ソリューションズ)
小松澤 敦 (日立製作所)
林 好一  (SRA)

SPI Japan 2010 プログラム委員
石原 鉄也 (矢崎総業)
岩岡 俊行 (オムロン)
臼杵 誠  (富士通)
大沢 悟  (富士通)
片山 栄和 (ニコンシステム)
木村 好秀 (日立ソリューションズ)
小林 麻美 (インテック)
近野 章二 (日立製作所)
菅原 耕一 (富士フイルム)
田村 朱麗 (東芝)
登古 則子 (東芝)
中山 高宏 (ソニー)
橋本 和宏 (富士ゼロックス)
早川 一夫 (ジャステック)
平原 嘉幸 (東芝テック)
藤本 忠司 (オムロンソフトウェア)
三角 英治 (NTTデータ)
野吾 英俊 (パナソニック)
由井 美恵子(日本電気)
若宮 正男 (三菱スペース・ソフトウエア)

SPI Japan 2010 事務局
石曽根 信 (SRA)
鶴田 範子 (SRA)
中島 亜澄 (SRA)
乘松 聡  (乗松プロセス工房)

— CMMIは、カーネギーメロン大学により米国特許商標庁に登録されています。

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