JASPICはソフトウェアプロセスの改善に関する研究、普及活動を行っています

SEPG Japan 2005

SEPG Japan 2005
– ソフトウェアプロセス改善カンファレンス 2005 –
「企業の活力に繋がるプロセス改善を追い求めて」


■日程:
2005年10月12日(水)午前 チュートリアル
2005年10月12日(水)午後 ~ 10月14日(金)午後 本会議
■場所:
東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区)
■主催:
日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
■参加費:
チュートリアルのみ:¥15,000-
本会議のみ:¥35,000-
本会議+チュートリアル:¥40,000-

今日、ソフトウェアは重要な社会・産業システムを支えるだけでなく各種工業製品の高機能化と相まって、規模が飛躍的に増大すると共にその重要性をますます高めています。JASPICは、様々な組織におけるソフトウェアプロセスの改善と、それに伴うプロセス評価に関する研究、技術移転、普及活動や国際交流などに取り組んできました。日本における、こうしたプロセス改善活動で得られた技術や知見を集大成し、技術力向上と普及の場として、SEPG Japan 2005を開催します。本カンファレンスの開催は、2003年より3回目となります。

今年のテーマは「企業の活力に繋がるプロセス改善を追い求めて」です。組織の様々な人々にプロセス改善の本質や効果が認識され、プロセス改善のベストプラクティス創出が増え、さらに活気が高まる。SEPG Japan 2005が、このようなすばらしい成果につながる意義ある場になれば、と考え、このテーマといたしました。

プログラムの概要は、以下のとおりです。

本年度のキーノートスピーチには、米国ボーイング社 テクニカル フェロー & チーフエンジニア、SEI Visiting ScientistのJohn D. Vu氏をお招きし、「Reflection on Software Process Improvement」と題してご講演いただきます。氏は、30年以上のソフトウェア開発と管理の経験をお持ちで、特にボーイング社において15年に渡りソフトウェアアプロセス改善に携わられてきました。その発想、アプローチは皆様に大いに役立つものと信じております。

一般発表は、SPIの実践から得られた知見を中心に33件の発表で構成いたしました。「可視化」「計画と見積もり」「委託開発」というプロジェクト運営に必須の話題や、組織全体を見据えた、「経営の視点」「人材育成」「教育・研修」の話題、チェンジエージェントとして変革を推進するため「プロセス構成」「CMMIR/SPI」「SEPGSM」、および「現場の事例①②」のセッションを設けました。

今年は特別発表として、SPI専門家による「気づき」や「示唆」富む発表、JASPIC研究分科会活動の成果発表の2セッション設けました。また、海外からの一般発表を1セッション、招待発表を2セッション設けて中国、台湾、インド、韓国、米国から事例、各国のSPI活動状況等を発表していただきます。

さらに、
 ・CMMIR公式日本語版翻訳チームによるチュートリアル「CMMIRの活用」
 ・萩本順三氏(要求開発アライアンス)によるチュートリアル「要求開発方法論 Openthology入門」
 ・有識者による「SPI成功の秘訣/経営層と現場のプロセス改善に対する期待の違い??(仮題)」をテーマとしたパネルディスカッション
と、盛りだくさんの内容で開催いたします。

皆様のご参加を、お待ち申し上げております。

【プログラム】

10月12日(水) チュートリアル

時間 内容
09:00-10:00

受付

10:00-13:00

◎チュートリアル
「CMMIRの活用」
講師:JASPIC CMMI翻訳分科会

1993年、米国カーネギーメロン大学ソフトウェアエンジニアリング研究所がソフトウェア CMMR(Capability Maturity Model) Ver. 1.1をリリース以降、世界中の多くのソフトウェア開発組織で CMMR に基づいたプロセス改善活動が実施されています。また、CMMIR(Capability Maturity Model Integration) がリリースされた2000年以降、多くの組織で CMMIR への移行が進んでいます。国内においても、CMMIR をプロセス改善に用いる組織が増えてきています。その様な中、CMMIR はJASPICの CMMI翻訳分科会により翻訳され、2004年4月、独立行政法人情報処理推進機構とカーネギーメロン大学 SEI(Software Engineering Institute) により、公式日本語版として公開されました。

本チュートリアルでは、CMM Rに基づいたプロセス改善の日本における草分け的存在の方々で構成されたCMMI翻訳チームから講師をお迎えし、CMMIR やソフトウェア CMMR について全く知らない方を対象に、CMMIR の開発された狙い、基礎知識、CMMIR の読み方、改善活動における活用方法をご解説頂きます。

これから CMMIR に基づいたプロセス改善に関わる方々にとって、大変貴重な情報が得られることと思います。どうぞふるってご参加下さい。

◎チュートリアル
「要求開発方法論Openthology入門」
講師:要求開発アライアンス 萩本 順三氏(株式会社 豆蔵)

要求定義の良し悪しが、後の工程に影響を及ぼし、最終的なプロジェクトの成否にも重大な影響を与えることは多くの技術者、管理者が認めるところでしょう。最近ではソフトウェア開発現場においても、要求開発/要求定義に関して具体的なテクニックに課題を感じている方、独自の方法論を模索している方、要求開発の手法を体系的に学びたい方など、多くの方がこの分野に高い関心を持たれています。JASPICでも、要求開発/要求定義をテーマとした話題へのニーズが急速に高まっています。

本チュートリアルでは、要求開発アライアンス (http://www.openthology.org/) でご活躍され、要求開発宣言のメンバーのお一人でもある萩本順三氏を講師にお迎えし、要求開発方法論「Openthology (Open Enterprise Methodology)*1」の解説を中心に、要求開発の実体験を交えながら要求開発の意義と重要性をお話いただきます。また方法論の新バージョンとして提案・開発中の、「仮説検証型PDCAサイクルを実現するプロセスフレームワーク」についてもご紹介いただきます。

要求開発/要求定義に課題を抱えている方にとって多くのヒントが得られると思います。どうぞふるってご参加下さい。

*1: (以下、http://www.openthology.org/ より引用)
要求開発アライアンスが整備を目指す要求開発方法論、「Openthology (Open Enterprise Methodology)」は、ビジネス的要求をシステム要求に変換するためのシステマティックなアプローチとともに以下の方法を提供します。
 ・戦略的IT化を推進するための組織形成やプロジェクトの構成方法
 ・経営課題やビジネス要求を構造的に分析する方法
 ・ビジネスの構造やメカニズムを視覚化する方法
 ・ステークホルダーの合意を形成しつつプロジェクトを推進する方法
 ・企画したシステムによるビジネス的価値・効果の検証方法
 ・ビジネス要求とシステム要求のトレーサビリティの管理方法

※チュートリアルは、募集枠が本会議よりかなり少なく、早期に定員に達する事が予想されます。どうぞ、早めにお申し込みください。

10月12日(水) 本会議

時間 内容
13:30-14:30

受付

14:30-16:00

◎オープニング
挨拶:臼杵 誠(富士通)

◎Keynote Presentation
“Reflection on Software Process Improvement”
John D. Vu(米国ボーイング社、SEI Visiting Scientist)
司会兼通訳:乘松 聡(乗松プロセス工房)

16:30-18:00

◎セッション1A
「可視化」

「自動化ツールを使ったソフトウェア開発の見える化」
佐野 雅章(松下電器産業)

「複数短期プロジェクトの可視化を意識したSPI活動」
村上 勝則(NTTデータ)

「目的を知り、己を知ればプロセス改善危うからず-日立ソフトにおけるプロセス改善運動と改善効果の定量的評価」
小室 睦(日立ソフトウェアエンジニアリング)

◎セッション1C
「経営の視点」

「企業の合併・買収に耐えうるソフトウェア開発手法」
巻山 展輝(ISID)

「ITIL に基づくIT サービスマネジメントの導入事例」
亀山 伸(日立製作所)

「ジャステックにおける「経営層による品質の監視と制御」の事例」
早川 一夫(ジャステック)

10月13日(木) 本会議

時間 内容
09:30-10:30

受付

10:30-12:00

◎セッション2A
「計画と見積もり」

「Putnamモデルを利用したプロジェクトマネジメント再考」
川下 敬之(横河電機)

「リスク管理データを用いたヨレの早期発見」
小嶋 勉(SRA)

「プロジェクト計画確認会議の導入」
吉弘 貢(ソニー)

◎セッション2B
「プロセス構成」

「“プロセス設計”による高品質ソフトウェアの実現 ~『開発現場を尊重し活かし育てる』アプローチ~」
水田 恵子(パナソニック エレクトロニックデバイス)

「プロセス改善難易度に応じたSQA(ソフトウェア品質保証)の効果的実装方法」
宮崎 幸生(富士通)

「Process Action Teams による活動の進め方」
吉岡 幸恵(オムロンソフトウェア)

◎セッション2C
「インターナショナルセッション1」
(英語:通訳無し)

“Defect Removal Effectiveness and Defect Removal Efficiency – a Refined Approach”
Mahesh Kuruba(Tata Consultancy Services Ltd, India)

“Lesson Learned from Implementing SPI Initiative for a Traditional IT Organization”
Hyuk Soo Han(SangMyung University Software Department, Korea)

13:30-15:00

◎セッション3A
「現場の事例1」

「プロジェクトマネジメントにおけるソフトウェアプロセスの改善 ~新任プロジェクトマネージャがプロジェクトを成功に導くことができたその取り組み~」
黒澤 マキ(JFEシステムズ)

「プロジェクト成功を追求するプロセス改善」
渡辺 孝治(CSK)

「レベル2達成後のプロセス改善活動からの知見」
渡辺 哲平(ソニー)

◎セッション3B
「人材育成」

「Human Capitalを中心とした人財育成施策(HCMシステム)の展開」
田辺 和司(日立システムアンドサービス)

「やる気の押しがけプロジェクト ~熱意や道徳に訴えない「やる気」へのアプローチ~」
今井 眞紀(ニコンシステム)
(実行委員長賞受賞)

「成熟度に依存しない「自立型プロセス改善活動」の可能性 ―プロセス改善と人間力―」
関 弘充(富士通)

◎セッション3C
「インターナショナルセッション2」
(英語:通訳無し)

“Software Process Improvement Activities in Shanghai”
Beijun Shen(Shanghai Jiaotong University, China)

“Multiple party cooperation helps to advance SPI activities”
Chang-Kang Fan(Institute for Information Industry, Taiwan)

15:30-17:00

◎セッション4A
「現場の事例2」

「ERP導入プロセス改善(SAP社製 R/3 中堅IT会社向けテンプレート導入メソドロジgritとCMMIの融合)」
川崎 浩一(富士ゼロックス情報システム)

「品質向上に向けての奮戦記 -組織全体の意識向上への取組み-」
岡部 敏明(インテック)

「小さなプロジェクトの小さな改善 ~大仰なキーワードの身近な適用~」
杉山 万利子(SRA)
林 好一(SRA先端技術研究所)
(プログラム委員長賞受賞)

◎セッション4B
「教育・研修」

「鉄は熱いうちに打て -新規プロジェクトマネジメント演習の意外な結果-」
芥 博通(アルゴ21)

「社内研修をより効果的に行うには -事例から得た動機付け、研修成果を高めるヒント-」
岩見 好博(オリンパス)

「日立システムにおけるPM認定制度確立と適用」
森田 浩章(日立システムアンドサービス)

◎セッション4C
「インターナショナルセッション3」
(英語:通訳無し)

“Process Improvement: A Synergized Approach”
John D. Vu(The Boeing Company, SEI Visiting Scientist, U.S.A.)

“Practical Application of the SPI for Software Maintenance Organization”
Taek Sang Chang(TQMS, Korea)

17:15-19:15

◎意見交換会

10月14日(金) 本会議

時間 内容
09:30-10:30

受付

10:30-12:00

◎セッション5A
「CMMIR/SPI」

「CMMIRに関するよくある誤解ワースト10」
角田 文広(日立ソフトウェアエンジニアリング)

「CMMIRに基づくプロセスギャップ分析方式とその実践から得た知見」
岡田 公治(日立製作所)

「ハードのものづくりの改革に学ぶソフトの生産革新」
宮下 洋一(NECシステムテクノロジー)

◎セッション5B
「委託開発」

「委託開発管理とメトリックス・モデル」
静永 誠(宇宙航空研究開発機構)

「ソフトウェア開発委託の実態 -責任回避と丸投げの病理-」
岩見 好博(オリンパス)
(最優秀発表賞受賞)

「品質の確保できる海外外注先コーディングプロセスの確立」
紙本 嘉見(富士ゼロックス)

◎セッション5C
「SEPGSM

「SEPG不要論 ~プロセス改善の正しい進め方、こんなSEPGはもういらない~」
森田 祥男(ソニー)

「SPIは『その目的』に有効か?」
菅原 耕一(富士フイルムソフトウエア)

「SEPG存在論」
杉村 宗泰(ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ)

13:30-15:00

◎セッション6A
「SPI経験」

「ソフトウェアプロセスのWhatとHowとTarget」
佐谷 鉄夫(佐谷ソフトウェアプロセス研究所)

「間違いだらけのSPI - 開発組織の観察を通して」
松原 友夫(松原コンサルティング)

「SPI のプッシュ・プル」
乘松 聡(乗松プロセス工房)

◎セッション6C
「JASPIC分科会活動報告」

「PSPはなぜ進化的プロセスなのか? -PSP演習から見えてきたこと-」
宮脇 祥子(JASPIC PSP/TSP分科会)

「人材育成分科会活動報告」
丹羽 武志(JASPIC人材育成分科会)

「CMM関連の公式翻訳活動からの教訓」
中村 淳(JASPIC CMMI V1.1翻訳研究会)

15:30-17:30

◎クロージングパネル
「企業の活力を引き出すプロセス改善 成功の秘訣」
司会:小笠原 秀人(東芝)
目的:経営という視点も含めて、活力アップに結びつくプロセス改善についてひらめきを得る
パネラー:現在、国内でSPI活動を現場リーディングされている方、SPI活動に関わる人たちにエネルギーを降り注げる方を中心に人選

現在、SPI活動を推進している組織が数多くあり、そのソフトウェアドメインも組み込み系・業務システム系等々多岐にわたっています。加えて様々な枠組み(例:CMMIR/PMBOK等)も活用され、その成果・効果について色々な意見が出ていると思います。本パネル討論では、様々なソフトウェアドメイン、様々な枠組み、様々な役割の人の観点から「企業の活力を引き出すプロセス改善 成功の秘訣」を会場参加者と共に議論を展開します。

◎クロージング
司会:和田 典子(ソニー)

【参加申込】
※参加申込は2005年10月3日(月) 17:00をもって終了させていただきました。沢山のお申込どうもありがとうございました。

【事務局連絡先】
日本SPIコンソーシアム 事務局
〒160-0004 東京都新宿区四谷3丁目12番地 丸正ビル5階
(株)SRA先端技術研究所 内
03-3357-9011(tel)、03-3351-0880(fax)

【カンファレンススタッフ】(あいうえお順)
SEPG Japan 2005 実行委員長
臼杵 誠(富士通)

SEPG Japan 2005 プログラム委員長
岡田 公冶(日立製作所)
徳永 享(富士ゼロックス)
和田 典子(ソニー)

SEPG Japan 2005 担当運営委員
岩見 好博(オリンパス)
小室 睦(日立ソフトウェアエンジニアリング)
濱崎 治(オムロン)
端山 毅(NTTデータ)
藤田 秀雄(日本アイ・ビー・エム)― 2005年8月まで

SEPG Japan 2005 プログラム委員
相磯 浩之(矢崎総業)
青山 輝幸(富士ゼロックス)
安倍 秀二(松下電器産業)
池田 浩明(インテック)
遠藤 潔(日立ソフトウェアエンジニアリング)
片山 和晶(NTTデータ)
木村 雅信(アルゴ21)
小池 太(日立製作所)
小嶋 勉(SRA)
込山 俊博(NEC)
斉藤 範彦(第一生命情報システム)
佐宗 秀一(古河インフォメーション・テクノロジー)
菅野 健治(富士写真フイルム)
菅原 耕一(富士フイルムソフトウェア)
高野 明(日立システムアンドサービス)
瀧本 法良(日本アイ・ビー・エム)
田村 朱麗(東芝)
寺西 享子(トヨタコミュニケーションシステム)
永守 聡(オムロンソフトウェア)
野上邦久(JFEシステムズ)
早川 一夫(ジャステック)
林達宏(日本アイ・ビー・エム)
松田 則彦(オムロン)
宮脇 祥子(日本科学技術研修所)
向山 英伸(富士通)
麦野 忍(テプコシステムズ)
村田 雅繁(三菱スペース・ソフトウェア)

SEPG Japan 2005 事務局
乗松 聡(乗松プロセス工房)
松村 好高(SRA先端技術研究所)
林 好一(SRA先端技術研究所)
石川 晶子(SRA先端技術研究所)

R ― CMM及びCMMIは、カーネギーメロン大学により米国特許商標庁に登録されています。
SM ― SEPG、PSPおよびTSPは、カーネギーメロン大学のサービスマークです。

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