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 ◆ JASPIC メルマガ 2013年6月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. 分科会の紹介:人材育成分科会
 3. コラム:「小さなモデルで仮説検証」
 4. SPI Japan 2013 のご案内
 5. 会員募集

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 ◆1. これから開催するイベント
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下記イベントを予定しています。詳細が決まり次第、案内を発信する
とともに、JASPIC Webページに掲載します。

●JASPIC 10周年記念イベント in 関西(7月中旬から申込み開始予定)
  開催日時:2013年8月30日(金) 13:00-17:00
  開催場所:キャンパスプラザ京都(大学コンソーシアム京都)
            http://www.consortium.or.jp/
  趣    旨:これまでの皆様のプロセス改善に対する熱い想いに支え
            られて日本SPIコンソーシアム(JASPIC)は2000年10月設
            立以来、早くも10周年を過ぎ、新しいステップに向かっ
            ております。これもひとえに皆様のご支援の賜物だと感
            謝しております。この感謝の気持ちを込めまして、10周
            年記念イベントを関西で開催する運びとなりました。
  内    容:現在、プログラムを検討中ですが、昨年、東京で開催し
            た10周年記念イベントと同じような構成にする予定です。
            <昨年度実施した10周年記念イベントのプログラム>
            http://www.jaspic.org/modules/event/index.php?content_id=25

●SPIトワイライトフォーラム(7月下旬から申込み開始予定)
  タイトル:「"KPT"と"なぜなぜ分析"を応用した"KWS振り返り"を、
              フォーラムの会場で試してみませんか?」
  発 表 者:花原 雪州(ソニー株式会社)
  日    時:2013年9月4日(水) 18:30-20:30
  場    所:JR品川イーストビル
            株式会社日立ソリューションズ本社別館 20F 会議室(予定)
  http://www.hitachi-solutions.co.jp/company/access/map_kounan.html

●JASPIC例会(JASPIC研究員限定です)
  日  時:2013年7月17日(水)
  内  容:1.会員企業の事例発表
          2.国内外カンファレンス参加報告
             - EuroSPI2013
             - ソフトウェア・シンポジウム2013(SS2013)
     3. 分科会活動報告

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 ◆2. 分科会の紹介
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JASPICでは、あるテーマに対して興味を持つメンバが集まり、一年間
にわたって議論する場として12の分科会が活動しています。その中か
ら今回は、人材育成分科会をご紹介します。

●人材育成分科会

人材育成分科会では、ソフトウェアプロセス改善のための人材育成を
各種の課題、技法、教育体系、知識体系等の観点で検討を加え、得ら
れた知見をもとに各社の教育プロセス改善に役立つ成果物作成を目指
して活動しています。

活動テーマはもちろんですが、その他いろいろな面で、自社内では得
られない多くの知見や気づきが分科会活動や合宿を通して得られます。

【これまでの活動テーマ】
  2004-5年 P-CMMの実践的理解
  2005-6年 人材育成ガイドラインの作成(人材育成の異業種比較)
  2006-7年 OJTガイドライン
  2007-9年 人材育成活動におけるBOK利用シナリオ検討(BOK分科会
           と協同活動)
  2010年   人間系スキルの実態調査と人材育成カルテ(素案)の
           作成
  2011年   人材育成カルテの試行とカルテ活用ガイドの作成
  2012年   JASPIC10周年イベントパネル作成と活動紹介/Facebook
           の活用

2012年度に10周年イベントの一環で作成しました人材育成分科会の分
科会紹介ポスターが、JASPIC_WEBサイトの以下のURL先に掲載されて
いますので、合わせてご覧ください。
http://www.jaspic.org/event/2012/10th/HRD.pdf

【今年度の活動】
  2013年度は、同業種/異業種の企業/団体の人材育成の状況を学び、
  今後の人材育成のあり方について研究・活動中です。

  (1)同業種から学ぶ
    SPI Japanの発表資料として蓄積されたノウハウから、人材育成
    に関する発表内容を分類・整備し、各社の人材育成計画の策定に
    役立つ事例活用ガイドの作成を目指す。
  (2)異業種から学ぶ
    育つ人材となるために必要な環境や資質を求め、他業種の環境/
    施策を比較検証し、SPI人材育成に役立つ環境と資質をまとめる。
  (3)JASPIC外との交流
    昨年度、開始したFacebookについて運用の見直しを行い、情報
  収集、情報公開の場として、再活用を目指す。

【計画成果物】
  ・同業種から学ぶ「人材育成施策活用ガイド(仮称)」
  ・異業種から学ぶ「育つ人材の育成ガイド(仮称)」

【成果物について】
  JASPIC人材育成分科会に参加されると人材育成分科会の過去の成果
  物を参照していただけます。

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 ◆3. コラム:「小さなモデルで仮説検証」
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「貧乏人の経済学(原題:”Poor economics”)」によると、貧困対
策の障害の一つはイデオロギーだそうです。たとえば、「過剰な支援
が自立を妨げる。」VS「十分な規模の支援が最初に必要だ。」で論
争することに労力を費やし、その単純な構図に従って仮説を立ててし
まう。

もちろん、実際に起きていることは、そんなに簡単ではなく、「貧乏
人をマンガの登場人物に還元する癖を捨てて、本当にその生活を…理
解するだけの手間暇をかけるところから始めなくてはならない。」つ
まり、単純なモデルを「使用し続ける」のではなく、観察に基づいて
モデルを更新し続けなくてはならない、ということでしょう。単純な
モデルが悪いのではなく、状況の変化に応じてその役割を終えていく
という風に理解しました。

実際、より詳細な観察に基づく小さいモデルからは豊かな成果が上が
ってきています。たとえば、なぜ子供に予防接種を受けさせないのか
という問題では信仰、教育、先送りの心理、などに焦点を当てた仮説
検証が行われ、成果を上げています。(話題になった本なので読まれ
た方も多いと思いますが、まだの方は是非。)

翻ってみればSPIの分野でも、測定できないものは改善できない、測
定するためには再現性がなくてはならないということが言われていま
す。測定はほぼ自動的に行動を促しますし、再現性は科学的方法論の
基礎です。
ただ、自分の考え方について反省すると、この再現性のところで、大
きなモデルについて考える時間が長すぎたかな、同じモデルを長く使
いすぎているかな、という点に思い当りました。
言い換えれば、詳細な観察に基づいた小さなモデル作りをしてみても
面白い時期かな。と。
「あれっ?」と思ってよく考えてみたら、普段の仕事でそういうアプ
ローチをしていても、私の場合頭のどこかでそれはSPIじゃない、と
分類してきた節があるようです。
測定可能にするには、同じプロセスを繰り返すことだ、と、違和感を
覚えながらも決めつけてきたような・・・。実際には、小さな切り口
で認識できる塊を見つけ、切り込んでいくような行動もとっているの
ですが、それがSPIだとは思ってこなかったし、人に伝えようともし
なかった。

かな?で終わりにできるのがメルマガのコラムの気安さだと、これも
決めつけさせていただけるなら、毎日目の前で起きるリアルな伝達ミ
ス、理解に失敗したユースケース、見積もり損ねた数時間の作業、そ
んな一つ一つの繰り返しに小さなモデルを作って検証しては、改善し
て使い捨てて行く、そしてそのやり方を研鑽しあう、といったような、
そんな改善のメタモデルがあってもいいのかな。
と(まさに見積もり損ねたコラム執筆で夜を明かしながら)思いまし
た。

(T.H.)

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 ◆4. SPI Japan 2013 のご案内
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SPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェアプロセス改善
カンファレンス(SPI Japan 2013)を開催致します。

  ■日時:2013年10月16日(水)~18日(金)
  ■場所:タワーホール船堀(東京)
          http://www.towerhall.jp/

今までの活動成果や失敗から得た知見、現在進めている活動等をご紹
介いただき、参加者の皆様と議論したいと思います。
7月下旬より参加者募集を予定しておりますので、奮ってのご参加を
お願いします。詳細は追ってご案内いたします。

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 ◆5. 会員募集
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JASPICは、現在、19社によって構成されています。SPIの技術や活動の
進め方を学びたい、議論したいという法人会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。

  ■入会について
    http://www.jaspic.org/modules/profile/index.php?content_id=5
  ■会員企業と運営体制
    http://www.jaspic.org/modules/profile/index.php?content_id=10

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。梅雨の季節がやってきましたね。
私は毎年梅雨の季節になると、鎌倉のあじさい寺こと明月院に行くの
を楽しみにしています。あじさいの花の色は、土壌や遺伝的な要素、
また開花からの日数などによって変わると言われているようですが、
明月院には青のあじさいが多く大変きれいです。
巷にはあじさい鑑賞が好きな人が多いのか、明月院はいつもすごい行
列で、あじさいを見ているのか人を見ているのかわからない状態にな
るので、今年は朝早くに出掛けてみようと思っています。
あじさい寺と言われるお寺はいろいろあるようなので、皆さんも近所
のあじさい寺に出掛けてみてはいかがでしょうか。
あじさい鑑賞を名目に鎌倉に行きますが、実はそれ以上に紫芋ソフト
クリームを食べることを楽しみにしている、いつの季節も花より団子
なA.Kでした。

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 JASPIC メルマガ 2013年6月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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