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 ◆ JASPIC メルマガ 2020年4月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. イベント実施報告:JASPIC例会初の完全オンライン開催
 3. コラム:松浦 豪一(The Path Of Survival)
           「改善活動は私の生き残りの道」
 4. SPI Japan 2020 のご案内
 5.会員募集
 

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 ◆1. これから開催するイベント
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新型コロナウイルスの影響により、6月開催予定のトワイライトフォー
ラムは中止いたします。次回以降の開催については決定次第お知らせ
いたします。

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 ◆2. イベント実施報告:JASPIC例会初の完全オンライン開催
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4/14(火)に、JASPIC 2020年度第3回例会(JASPIC会員限定のイベント)
を、新型コロナウイルス対策のため、初めて完全オンライン会議(Web
配信)で開催し、約50名が参加しました。例会推進担当も全員、それ
ぞれの職場・自宅から、リモートで当日の運営をしました。オンライ
ンのイベントが増える中で、少しでも皆様の参考になることを期待し
て、どのように例会を運営したのかを紹介します。

今回の例会は、会員企業の事例紹介2件、分科会発表、WOK分科会+知
識創出活用推進チームの合同発表という構成で、いつもよりも15分ほ
ど余裕を持たせたタイムスケジュールとしました。

まず、例会開始前に30分程度、例会推進担当者と発表者で、音声や画
面表示のリハーサルをしました。

例会開始時に、司会者および発表者以外の参加者は原則音声をミュー
トとすることなど進め方について説明し、参加者それぞれがチャット
に「何か」を書くという練習をした後に、各発表に移りました。

各発表に対する質疑およびフィードバックは、次のように、個人ワー
クと全体共有形式で実施しました。オンライン会議システムにはグル
ープ議論をするための機能もありますが、今回は初回ということもあ
り、双方向コミュニケーションは、このようにシンプルな形式にしま
した。
●発表中(個人ワーク)
・聴講者は、行頭に、英字(Q/K/T)とコロン(:)というフォーマットで
 チャットにリアルタイムに投稿します。
 英字はQuestion(質問)、Keep(発表から学んだこと、参考になっ
 たこと)、Try(より改善するためのヒント)を意味します。
 記載例:「K:チャットで共有は良いと思います。」
●発表後(全体共有)
・チャットファシリテータ(チャット内容をモニタリングしている例
  会推進担当)が、投稿いただいた内容から選択して全体共有します。
・発表者は、Questionに対する回答、KeepやTryに対する感想を伝え
 ます。

参加者アンケートでは、音声の乱れなどの課題はあるものの、オンラ
イン開催そのものは、ほぼ問題ないという回答が大半でした。新型コ
ロナウイルス対策として今後しばらくはオンライン開催のイベントは
続きそうです。今回の結果を振り返り、今後の例会企画だけでなくJA
SPIC主催の他のイベントにも役立てていきたいと思います。

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 ◆3. コラム:「改善活動は私の生き残りの道」
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新型コロナウイルスが感染拡大する厳しい状況の中、皆さんはいかが
お過ごしでしょうか。緊急事態宣言が出され、テレワークなど分散環
境で仕事をされていると思います。先日、34年間務めた会社を退職し
てコンサルタントとして独立しました。当然のことながら主戦場とな
る教育は3月から休業となっております。改善伝道師としての活動に
ついてご紹介したいと思います。

2007年に会社統合されたことにより、トヨタ生産方式の改善活動を塾
生として受講することになりました。塾生として学んだことは、今の
自分に大きな影響を与えていると思います。例えば、教育に入る前に
思い込みをなくすようにするために最初にこんな説明をしています。
「それぞれが自分の思っているアジャイル像があるかもしれません。
その考えは一旦横において、夢中になってワークショップに取り組ん
でください」これと同じことを改善塾の時に最初に言われたのです。
私はこの時に素直に実施しました。いろいろなことを学ぶことができ
ました。新しいことをやるためには、自己流にするのではなく、まず
基本からやってみることが大切なのだと思います。

トヨタ生産方式の改善活動です。KAIZEN塾という取り組みで、塾生は
KAIZENを伝道するための勉強をします。その内容を自分の権限がない
職場に伝道するのです。この活動を塾生としてやる中で、もっとも共
感したのは、仕事の流れを変え、異常を起こし、正常に戻すことで改
善するという方法です。それまでの私は、計画から改善策までのすべ
てを自分が把握した上で命令し、確認するというスーパバイザー型の
リーダでした。自分のやり方とは180度違うのです。思い込みなくやっ
たことで新しい発見ができたのです。

KAIZEN塾では、権限が及ばない部署に対して指導するため、仕事の中
身には触れることができません。よって、仕事の流れだけを変えるの
です。計画、実施、ふりかえりという手順に変え、これを繰り返しな
がら、各自で異常を解決していくのです。アジャイル開発のスクラム
をイメージしてもらうと理解できると思います。

KAIZEN塾には、いろいろな人がいましたが、私は出遅れていました。
同期にスーパースターがいました。入った当初からいろいろなことが
わかっており、的確に活動ができるのです。追いつくにはどうしたら
良いんだろうと思い、KAIZEN塾では禁止されていたのですが、同時に
5つのグループに導入し、自分も実践しました。その結果、仕事はむ
ちゃくちゃ忙しくなり、しかも5つの現場を見ることになりました。
事前に自分でやって失敗ポイントを押さえておき、それも踏まえて伝
道しました。忙しくて考えることができなくなっていきました。そこ
で直観で活動するようになりました。自分の中に内面化していったの
だと思います。

KAIZEN塾では塾生がチームで活動し、各自の伝道先にアドバイスする
ことがありました。そこで、メンバがどのようなことに困っているの
か、どのようなアドバイスをするのかをみんなが意見していました。
他人の現場にはみんなはかなり過激な意見を言いました。ノリだった
のかもしれません。しかし、思い切った意見の方が役立つことがわか
りました。このタイミングで共同化されたのだと思います。

KAIZEN塾では、活動が終わると成果発表をします。伝道先の現場にか
かわり、どのように変わっていったかをまとめて発表します。この過
程で、自分達の活動にどのような効果があったのかを知ることができ
ました。この時のエピソードは後の伝道活動で使うプラクティスにな
っていたのだと思います。コミュニティーの作り方や半円型会議など
です。ここで表出化されました。

KAIZEN塾を卒業後、100チームに対してKAIZEN活動を導入するという
ことをやりました。成功失敗いろいろありましたが、さまざまな仕事
の人と一緒にできたことはとても良い経験でした。例えば、ウォータ
ーフォールの開発をしているチームよりも、サポートセンターの方が
KAIZEN活動がマッチしたことです。

1日の教育でも、数カ月の支援でも、仕事の流れを変え、異常を起こ
し、改善するということを繰り返すようにしています。その中でふり
かえりを行います。この過程でSECIモデルが回ることにより、メンバ
の能力に合わせ改善していきます。私自身がこれを信じている限り、
現場は必ず改善すると思います。

松浦 豪一(The Path Of Survival)

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皆様の活発な投稿をお待ちしております!
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 ◆4. SPI Japan 2020 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2020)の開催日と開催場所
は次の通りです。

  ■日程:2020年10月14日(水)~16日(金)
  ■場所:プラサヴェルデ(静岡県沼津市)
          https://www.plazaverde.jp/

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。今年度は新型コロナウイルスの影響
によりオンライン開催又は現地開催双方を検討しております。
詳細は追ってご案内いたします。

http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2020/

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 ◆5. 会員募集
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JASPICは、現在、16社の法人会員および個人の会員によって構成され
ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという
法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。

  ■入会のご案内
    http://www.jaspic.org/basicDocuments/Brochure.pdf
  ■会員企業と運営体制
    http://www.jaspic.org/organization/members/

入会を希望される方はお気軽にJASPIC事務局にお問い合わせをお願い
いたします。

JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
新型コロナウイルスの感染拡大により不安な日々が続いていますね。
平日はテレワーク、休日は外出自粛ということで、運動不足に悩んで
おられる方も多いのではないかと思います。私個人は普段から激しい
運動はしませんが、1日1万歩を目標にしています。通勤や散歩、買い
物などでだいたい目標は達成していましたが、このところは遠く及ば
ない歩数にとどまっています。
これはどうにかして少しは運動しなくては。
海外からは、ベランダを約3000往復してフルマラソンを完走したとい
う驚きのニュースを耳にしましたが、とても真似できそうにありませ
ん。筋トレなども私にはきつそうだし。
と考えた結果、老若男女誰でもできそうなラジオ体操の存在を思い出
し、動画を見ながら体操してみました。開始してすぐに肩がボキボキ
と鳴り、日頃の運動不足を痛感。途中から体がホカホカしてきて、最
後には呼吸が軽く乱れるほどでした。小学生の頃は軽くできていたと
思うのですが、意外といい運動になり驚きました。
また、ラジオ体操にはご当地版があり、全国各地の方言による掛け声
のものが存在するそうです。早速、とある方言バージョンで試してみ
ましたが、何を言っているのか全くわからず笑ってしてしまい、体操
どころではありませんでした。
皆さんもゆかりの地の方言の掛け声に合わせてラジオ体操をしてみて
はいかがでしょうか。運動不足の解消とともに笑顔も生まれるかもし
れません。

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 JASPIC メルマガ 2020年4月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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