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 ◆ JASPIC メルマガ 2015年10月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. イベント実施報告: SPIトワイライトフォーラム 2015年10月
 3. コラム: 石曽根 信(SRA)
           「仕組みを理解することの大切さ」
 4. SPI Japan 2015 実施報告
 5. 会員募集

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 ◆1. これから開催するイベント
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これから開催するイベント情報についてご案内します。

●JASPIC例会(JASPIC会員限定です)
  日  時:2015年11月11日(水)
  内  容:1. 分科会表彰・分科会成果発表
       ・IDEALモデル実践研究分科会
     2. SPI Japan 2015報告
     3. カンファレンス参加報告
       ・Euro Asia SPI 2015
       ・ソフトウェア品質シンポジウム2015
          4. SPIに役立つ?!ミニネタ紹介
          5. 各社事例紹介
            ・日立ソリューションズ
            ・キヤノンITソリューションズ
            ・事例紹介内容をもとにしたグループ議論

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 ◆2. イベント実施報告: SPIトワイライトフォーラム 2015年10月
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今回のテーマは「アジャイルの疑問にこたえる」でした。講演者は、
富士通マーケティングの松浦豪一さん、参加者は18名でした。今回は、
JASPIC 関西分科会が主催だったので、京都で開催しました。

最初の30分は「チームをリセットし、あるべき姿へ訓練を繰り返すア
ジャイル実践」というスライドを使った発表でした。アジャイル支援
を3年間実践した結果、残念スクラムの紹介、ウォーターフォール型
の開発との違いなど、具体的な事例を交えながらの説明でした。
アジャイル開発は、今までの開発とは別世界なので、現在地をリセッ
トして初期状態にするという説明は新鮮でした。マインドセット(凝
り固まった考え方)を変えて取り組む必要があると強く感じました。

その後、「自己組織化されたチームとは」というテーマで、グループ
討論を行いました。これは、“問題 vs. 私たち”ということを体験
することが目的です。ホワイトボードの前にメンバが全員立ち、次の
心がまえを意識して実践しました。

・全員が当事者意識を持つ
・誰かが発言している時はさえぎらない
・意見を否定しない

このグループ討論のあと、JASPIC 関西分科会で事前にまとめた質問
をベースに、全員で議論しました。

あっという間に2時間が過ぎていた、という感じでした。終了後は、
京都の街に繰り出し、恒例の懇親会で大いに楽しみました!

当日の発表スライドは、次のURLから参照できます。
http://www.jaspic.org/events/twilight/2015-9/

アジャイル開発を実践する際に留意すべきことがコンパクトにまと
められていると思いますので、ぜひ参考にしてください。

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 ◆3. コラム:「仕組みを理解することの大切さ」
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娘が大学生なのですが、コンピュータサイエンスの授業で難儀していま
す。一応理系なのですが、中学高校とあまりコンピュータに触れない生
活をしていたこともあり、ついていくのに苦労しているようです。
そのため、なんだかんだでいろいろ教える羽目になっています。大学生
なんだから自分で何とかしろとも思うのですが、聞かれるとつい…

私が学生の頃は、プログラミング演習というと計算機センターに出向い
てFORTRAN プログラムをパンチカードに打ち込んで…という感じでした
が (古い…)、娘は自分のノート PC 上で Python でプログラムを書いて
いるようです。プログラムを手書きして、それを持ってセンターに行き、
カードに打ち込んでそれを投入し…なんてことをやっていたことからす
れば、まさに隔世の感があります。とはいえ課題となっているのは、例
えばソートの各種アルゴリズムの計算量比較だったりするので、そのあ
たりは昔とあまり変わっていないようです。

ともあれ、教えていて思うのは、やはり物事、基本となる仕組みを理解
していることが重要、というある意味当たり前のことです。例えば、課
題の一つに整演算の桁あふれを扱うものがありました。計算機内部での
演算の仕組みを知っていれば難しくないものですが、授業ではそのあた
りにはあまり触れずにプログラミング演習に入ってしまったようで、か
つ親切なことに Python は勝手に多倍長演算してしまう (桁あふれしな
い!) ので、理解するのに結構苦労していたようです。同様に数値と文字
列の違いもはまりどころで、要は数値や文字列の内部表現がよくわかっ
ていないので、例えば "10.5" という、 「数値を表す文字列」と、実
際の数値データがこんがらかってました。これも仕組を知っていれば簡
単な話です。

いまや計算機の仕組みのことなどあまり気にせず使えてしまう時代です
し、道具として使う限りにおいては、知る必要もあまりないといえばな
いでしょう。道具としての使い方という面でいえば、スマートフォンを
はじめとして今どきの学生さんの方が我々よりはるかに使いこなしてい
ると思いますし。

とはいえ何か予期しないことが発生した時などは、仕組がわかっている
かどうかで原因解明までの道のりが大分違ってきます。ソフトウェアの
開発でも、不具合が出た時にやみくもにあちこち直してみるよりは、仕
組みを考えて原因まで論理的にたどっていく方が早道ですよね。

…まあ、今どきの人は、原因の探求よりまず検索! なのかもしれません
が、検索で見つけた情報も、仕組みがわからないと応用が効きません。
急がば回れ、ですね。

石曽根 信(SRA)

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 ◆4. SPI Japan 2015 実施報告
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2015年10月21日-23日で“「発見!」 ~出会ってワクワク! さぁ、
次のステージへ!~ ”をテーマに SPI Japan 2015を開催いたしま
した。一般発表33発表の中から以下の方々が受賞されました。

最優秀賞
  SPI経験を活かしたSQA活動実践 ~SQA 1年生の取組み~
        植村貴美様(パナソニックヘルスケア株式会社)

実行委員長賞
  海外開発拠点におけるソフトウェア開発プロセスの確立
        深井十三様(Panasonic Industrial Devices Singapore)

プログラム委員長賞
  システマティック類推見積 - 過去事例との新しい出会い
  ~全社データとの相性診断!あなたの見積を事例3000とマッチング!~
        高橋一郎様(株式会社日立製作所)

わくわく賞
  システム思考アプローチを用いたSPI手法の提案
        小山貴和子様(株式会社東芝)

  自律型プロジェクトチームへの変革アプローチ事例
  ~チームの価値観変容を重視し、問題モデリングを活用した
    SaPID流プロセス改善アプローチ~
        安達賢二様(株式会社HBA)

なお、発表資料は11月末を目途にJASPIC Webサイトに掲載いたします。

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 ◆5. 会員募集
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JASPICは、現在、19社によって構成されています。SPIの技術や活動の
進め方を学びたい、議論したいという法人会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。

  ■入会について
    http://www.jaspic.org/organization/join_us/
  ■会員企業と運営体制
    http://www.jaspic.org/organization/members/

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
先週、SPI Japan 2015が開催されました。ご参加いただいた皆さま、
誠にありがとうございました!来年は北陸新幹線開通で話題の富山に
て開催の予定です。多くの皆さまのお役に立つプログラムを検討して
まいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

さて、すっかり秋めいてきましたね。最近、運動不足解消を目的に山
を歩いています。今回、初心者の私がおすすめするのは奥多摩にある
御岳山~大岳山コース。御岳山の山頂には大きな神社や御師集落があ
り、山岳信仰の山であることを実感します。また御岳山から大岳山へ
向かう途中には『ロックガーデン』と呼ばれる渓谷があります。ここ
が私の一押しポイント!沢を横目に苔むした石畳の中を歩くので癒し
効果抜群!ジブリのもののけ姫に出てきそうな雰囲気を味わえます。
今の時期から11月にかけては紅葉も見頃になってくると思いますので、
ぜひ足を運んではいかがでしょうか。

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 JASPIC メルマガ 2015年10月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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