━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ JASPIC メルマガ 2022年6月号 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。 * SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善 ─────────────────────────────── ◆目次 ─────────────────────────────── 1. これから開催するイベント 2. 分科会の紹介:プロダクトライン分科会 3. コラム:伊達 渡 (JASPIC個人会員) 「「SPI活動でのモヤモヤ感」に思いを寄せて」 4. SPI Japan 2022 のご案内 5. SNS始めました♪ 6.会員募集 ─────────────────────────────── ◆1. これから開催するイベント ─────────────────────────────── ●JASPIC例会(JASPIC会員限定です) 日 時:2022年7月14日(木) 内 容:・富士通DX(フジトラ)事例紹介&ディスカッション ・SJ2022開催について ・合宿報告 ・優秀分科会発表 IDEAL分科会 ・20周年記念チームの最終発表 ・ライトニングトークまたはショートプレゼン ・カンファレンス報告 ─────────────────────────────── ◆2. 分科会の紹介:プロダクトライン分科会 ─────────────────────────────── JASPICでは、あるテーマに対して興味を持つメンバが集まり、一年間 にわたって議論する場として今年度は13の分科会が活動しています。 その中から今回はプロダクトライン分科会の紹介をさせていただきま す。 ●プロダクトライン分科会 当分科会はプロダクトライン開発に関して討論しています。プロダク トライン開発とは、ソフトウェア再利用を効果的・効率的に行なうた めのパラダイムで、再利用を体系的に計画・実施することを指向しま す。 最近はもっぱら遠隔会議での活動ですが、以前は年1回の合宿による 集中討論と1-2ヶ月ごとの2時間程度の会合を行なっていました。毎年 テーマを決めて、それに沿って成果をまとめていきます。これまでは プラクティスの理解や構成管理の方法などを検討しました。 現在ではプロダクトラインはソフトウェアに留まらず、ハードウェア やメカも対象に含めて考えられています。これはソフトウェアに限ら ず、システム全体を対象として再利用を考えようとする姿勢です。そ こにはコードや仕様だけでなく、システム構成等、整理可能な対象は なるべく整理して将来の利用(再利用)に備えようとする態度があり ます。 さらに今年は、プロダクトライン開発パラダイムをDXに当てはめて業 務改善を支援する方法を検討しています。ある業務があり、その形が バリエーションを持つのであれば、プロダクトラインの考え方でその バリエーションを捉えて整理し、そこから実際の業務での様々な作業 を導き出すことができるからです。これによって、その都度業務のあ り方を考えるのではなく、対象業務の共通性に着目して、すでに分析 済みのことを土台にして、今回新しくわかったことのみを分析すれば 良くなります。 当分科会の討論ではしばしば脱線もしますが、それはテーマに沿って いなくてもメンバーの業務上の、または技術的な、関心事であるから で、毎回楽しく活動しています。 もしご興味がおありでしたら、また質問がありましたら、末尾のお問 い合わせ先までご連絡ください。参加表明であればなおのこと歓迎し ます! ─────────────────────────────── ◆3. コラム:「「SPI活動でのモヤモヤ感」に思いを寄せて」 ─────────────────────────────── JASPICメルマガ2022年4月号のコラム「Nさんのモヤモヤ感」に刺激を 受けて、JASPIC会員の方と対話をして掘り下げました。それらを共有 したいと思いコラムを書かせていただきます。 ※JASPICメルマガ2022年4月号は以下に掲載されています http://www.jaspic.org/mailmagazine/202204/ <プロセスよりもアーキテクチャ> お題1: プロジェクトのプロセスを描く能力と、ソフトアーキテクチャを確立 する能力は同じか? プロジェクトが独自に業務プロセスを確立できるなら組織の標準プロ セスは不要? 対話1: プロジェクトのプロセスを描く能力と、ソフトアーキテクチャを確立 する能力は「抽象化」するという能力は同じという意見が多くでまし た。 また、プロジェクトが独自に業務プロセスを確立できるのであれば不 要という意見も多かったです。 私は「組織の標準プロセス」は初心者や、新しく組織に導入された人 など組織の共通認識を知るには非常に有用な教育材料だと考えていま す。 「組織の標準プロセス」は組織の文化やノウハウであり、「最低限の 品質確保と再現性」が確保されます。初心者であれば有用です。しか し現実には「過去のノウハウ」であるため、「その当時の品質レベ ル」では満足できないプロジェクトも多く、さらになる品質向上が求 められる事が発生していることも影響し、「不要」という意見が多く 出ているのかもしれません。 お題2: SPI担当者は開発現場を上回る業務アーキテクチャ能力を持たないと いけない? 対話2: 仕事の役割が異なるため、必ずしもSPI担当者は、開発現場を上回る アーキテクチャを持つ必要はないと考えますが、開発現場は、「業務 プロセスを実行する」ことが本職であり、「業務プロセスを作る」作 業が発生することは少なく、組織のプロセスを作るSPI担当者を続け ることは、「アーキテクチャ能力」の経験値が上がり、開発現場の能 力を上回ると考えています。 <アジャイルへの懐疑> お題1: 大規模アジャイルって本当にアジャイルといえるのか? 階層構造の開発体制の現場に「顧客との協調」なんてあると思えない。 対話1: 「階層構造の開発体制の現場」では、大規模アジャイルは難しいとい う意見が大半を占めました。それは「階層構造の開発体制」には、 「全体を統制する」という意識が働いているため、「自律」の意識が 途絶え、「俊敏さ」が損なわれるのかもしれません。組織の構造を 「俊敏さ」に合わせ(自律分散型組織、ティール組織など)、小さな アジャイルを大量に作り、大規模に発展させた際、「大規模アジャイ ル」というのかもしれません。 お題2: アジャイル開発におけるアーキテクチャは優秀なアーキテクトが最初 に決める? 対話2: 何かを作り始めるには、アーキテクチャを決めないといけない。ソフ トウェアのアーキテクチャは、建物のアーキテクチャと違い、ある程 度許容されますが、このアーキテクチャで行くぞ!と「決断」できる 人は、優秀でないと決断できないのではないかと思います。 優秀なアーキテクチャが「決断」し、進めながら改善を繰り返して アーキテクチャが改良されるのでしょう。 <数値化の正当性> お題: 「レビュー欠陥検出密度」などの指標をウォッチする際、「数値」に 意味があるか? 対話: 「このような品質」を測る指標の大半は、ウォーターフォール時代に 最後のアウトプットである「プロダクト品質」で、品質問題を防ぐた めのプロセス品質として作成されており、その多くは「ウォーター フォール時代の統計的予測指標」が多いのではないでしょうか?現在 のプロジェクトが「アジャイル」等で実践されている場合、その指標 は無意味です。 「品質の指標」の成り立ちと目的を理解し、品質意識の動機付けとし て、開発者自身が見つめなおすことができれば、その指標は意味が あったといえると思います。 とまあ、SPI活動をすすめていくと、それぞれ様々な悩みを抱えます。 私たちと一緒に対話を繰り返して、世の中により良いソフトウェアを 生み出してみませんか? 伊達 渡 (JASPIC個人会員) JASPICでは随時、法人/個人/分科会会員を募集しています。 「6. 会員募集」をご参照ください。 ************************************************************** 本欄のコラムを執筆していただける方、大募集します! ~SPI活動を通じて感じたこと、気づいたことをみなさんと共有 してみませんか?~ 執筆希望の方は下記の執筆要領をご確認の上【タイトル】【本文】 【氏名】を以下の宛先まで送付ください。 ※内容については必要に応じて体裁調整などの修正を行う場合が ありますことをご了承ください。 ◆執筆要領 ・1400文字前後(1行あたり全角31文字×45行程度)を目安 ・フォーマットは自由(wordやテキスト、メール本文でOK) ・著作権上の問題をクリアし、他ブログやサイトなどに掲載 されていないもの ・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能 ◆宛先 PR-infoアットjaspic.org 執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。 皆様の活発な投稿をお待ちしております! ************************************************************** ─────────────────────────────── ◆4. SPI Japan 2022 のご案内 ─────────────────────────────── 毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2022)の開催日と開催場所は 以下の通りです。 ■日程:2022年10月5日(水)~7日(金) ■場所:オンライン開催(詳細は追ってお知らせいたします) 皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス カッションを予定しております。7月末から参加者の募集を開始いたし ます。詳しくは以下のWebページでお知らせします。 http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2022/ ─────────────────────────────── ◆5. SNS始めました♪ ─────────────────────────────── JASPICでは以下のSNSを始めました。皆さま是非ともフォローしてく ださいませ。 ■Facebook:日本SPIコンソーシアム (JASPIC) https://onl.bz/FqdqSuV ■Twitter:日本SPIコンソーシアム (@jaspic_official) https://twitter.com/jaspic_official ■note:日本SPIコンソーシアム https://note.com/note_jaspic/ ─────────────────────────────── ◆6. 会員募集 ─────────────────────────────── JASPICは、現在、17社の法人会員および個人の会員によって構成され ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという 法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。 詳しくは、次のサイトを参照してください。 ■入会のご案内 http://www.jaspic.org/basicDocuments/Brochure.pdf ■会員企業と運営体制 http://www.jaspic.org/organization/members/ 入会を希望される方はお気軽にJASPIC事務局にお問い合わせをお願い いたします。 JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org ─────────────────────────────── ◆編集後記 ─────────────────────────────── メルマガ編集担当のA.Kです。 関東甲信地方等は梅雨明けしましたね。35℃を超える猛暑日も、雨が 続く日も外に出る機会が減ってしまい、おうち時間が少し増えたよう な気がします。 梅雨入りを意識したわけではないのですが、以前から気になりつつも 長らく手を出していなかったハンドブレンダーを購入したところ、そ の便利さに感動しております。なぜ今まで買わなかったんだろうと少 々後悔するくらい便利です!今まで作らなかった料理や、時間をかけ て作っていた料理が簡単に作れるようになりました。かぼちゃのポタ ージュ、ビシソワーズ、バナナジュース、マヨネーズなどハンドブレ ンダーが活躍するメニューは一通り作ってみました。どれも美味しく 仕上がるのでとても満足しています。買って良かったと思える製品で す。ハンドブレンダーのお陰で、おうち時間を楽しく過ごせています。 他にも、この機会に調理器具を新しいものに買い替えてみたりと、色 んな料理を作るモチベーションが高まっているので、食べ過ぎて太ら ないように気をつけたいと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JASPIC メルマガ 2022年6月号 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/ お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━