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 ◆ JASPIC メルマガ 2014年6月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. 分科会の紹介:Strategic SPI Deployment分科会
 3. コラム:端山 毅(NTTデータ)
          「斜めの上司」
 4. SPI Japan 2014 のご案内
 5. 会員募集

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 ◆1. これから開催するイベント
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これから開催するイベント情報についてご案内します。

●第8回 SPIトワイライトフォーラム
  テーマ:Software Product Lineの実践
  発表者:中村伸裕(住友電気工業株式会社)
          川口晃史(住友電気工業株式会社)
          服部悦子(住友電工情報システム株式会社)
  日  時:2014年8月1日(金)18:30~20:30
  場  所:富士通株式会社 関西システムラボラトリ8階セミナーB
  http://www.jaspic.org/modules/event/index.php?content_id=39

●JASPIC例会(JASPIC研究員限定です)
  日  時:2014年7月16日(水)13:30~17:00
  内  容:1.外部講師による御講演
             情報処理学会規格調査会ISO/IEC-JTC1/SC7/WG6分科会:
            「システムとソフトウェアの品質」について
          2.カンファレンス参加報告
            (1) CMMI Workshop/Conference (SEPG N/A)
            (2) EuroSPI/ECQA
          3.各社事例紹介
            (1)「チームアセスメントシートでアジャイル開発チーム
                を評価してみました」
            (2)「第三者の立場によるプロジェクト支援・評価活動」

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 ◆2. 分科会の紹介
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JASPICでは、あるテーマに対して興味を持つメンバが集まり、一年間
にわたって議論する場として11の分科会が活動しています。その中か
ら今回は、ソフトウェアプロセス改善戦略分科会をご紹介します。

●ソフトウェアプロセス改善戦略分科会
当分科会は、プロセス改善の進め方に関する戦略を対象として、戦略
の共有、診断、分析、体系化等を目指して活動しています。

【背景】
ある研究員の『SPIに関するいろいろな技術を、いつ誰にどう使って
いくと効果的でより確実な成果につながるのだろうか』という問いか
けから当分科会はスタートしました。
日々のSPI活動では、EPG(Engineering Process Group)が大変な苦労
をして新しい技術を導入しても、なかなか目立った改善の成果に結び
つかなかったり、あまり期待していなかったちょっとした開発プロセ
スの変更が大きな改善成果に結びついたり、と『いつ、誰に、どうや
って』が大きなポイントとなります。
そこで、SPI活動の事例を共有し、その中に含まれる戦略的な要素を
議論することで、自分たちのSPI活動の戦略を見直し、より高い成果
を得られるようになることをめざし、SPIS分科会として活動していま
す。

【活動内容】
プロセス改善における「戦略」とは、自分たちの置かれた状況の下、
期待される成果を達成するために、どのような推進活動を行うのか
というアプローチであると考えています。

当初、個々のSPI活動事例について、推進者を交えてふり返り、対話
や議論を通じて当時の理解・意図・工夫・結果を抽出しました。その
過程からさまざまな教訓が導き出され、当時の活動に対する理解が深
まるとともに、今後の活動に対する気づきを得ることができました。
さらに、それらの項目の共通点を整理する中で、「SPIの戦略」に含
まれる典型的な因子が見えてきました。これらを、環境に関するもの、
推進方法に関するもの、成果に関するものと言った3種類の因子に整
理することで、「SPI戦略フレームワーク」を構築しました。

現在では、このフレームワーク上で、各種因子のパラメータ分析を行
うためのモデルの構築、モデルに基づく事例の診断キットの構築と活
用まで進んでいます。これらのツールを用いながら、メンバが取り組
んでいる日々の活動のより効果の期待できる戦略とはどのようなもの
か、についての議論を重ね、効果的な進め方の検討を行っております。


【活動形態】
事例の共有については、推進者の方々を訪問するとともに、その後の
分析や報告のための会合を開いています。遠隔地のメンバもいるので、
一ヶ月に1回程度の定例ネット会議による継続的な議論を行っていま
す。さらに、年に一回程度の国内合宿による自由な議論や、海外での
学会発表を通じた研究者との交流なども行っています。

【成果物】
フレームワークとモデルの概要は、「EuroSPI 2012」カンファレンス
で発表を行い、論文として公開されています。戦略モデルの詳細は
公開されていませんが、診断キットを用い議論を通じて、各社のSPI
担当者と情報の共有を行っています。

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 ◆3. コラム:「斜めの上司」
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直属の上司というのは、何かと話しにくいものです。上司の方も、直
属の部下に対しては案外気を使ってしまうものです。その点、隣りの
部署の人の方が、気楽に話せることがあります。みなさん、そんな関
係の人はいませんか? 言わば「斜めの上司」。

大学でも直接の指導教官よりも、隣りの研究室の先生にいろいろ教わ
ったり。私の場合、会社に入ってからの学会系の付き合いは、なぜか
出身大学ではなくて、別の大学の一門にもぐりこんでしまいました。
直系の人からすると畏れ多い大先生と気楽にお付き合いさせてもらっ
て、いろいろな人を紹介してもらったり。

さらに、自社の上司、先輩にも増して、他社の有識者にいろいろと教
えてもらいました。年で言えば、お父さん。こっちは新入社員で、向
こうは定年直前だったり。富士通、IBM、NECなどの方で、一回りも二
回りも年上の大先輩に教えを請いました。いえ、請わなくても教えて
くれました。伝えたいことをたくさん持っている人達のそばにいると、
自然と知識や情報が降りかかってきたような。こんな話は聞いたこと
あるか?、この本/論文は知ってるか?、この人に会ったことあるか?
という具合で。直属上司だったら、けっこう畏れ多いような人達だっ
たと思うのですが、タダでいろいろ教わって、挙句の果てにご馳走に
なったり。

だんだん年をとると多くなるのが、かつての上司。現役時代は厳しか
ったオヤジも、責任関係がなくなると、案外打ち解けて話せるもので
す。お互いよく知っているので、よき理解者になってもらえます。一
生、自分のメンターだと思って、困ったら相談相手にしてしまいまし
ょう。直接の答は出なくても、話を聞いてもらって、なんとなく気は
楽になるもので。

そうやって世話になった先輩方ですが、そういう人達に直接恩を返す
ことはできません。教わったことを使っていれば、多分、満足してく
れています。返す相手は、斜めの部下か、他社の人か。直属の部下に
は、なかなか思うように伝えられないもの。そうやって非正規な経路
の方で、知識や経験は伝承されていきます。自分の知識や経験を活か
せる人を見つけて、伝えていくのも、プロフェッショナルの使命でし
ょう。

端山 毅(NTTデータ)

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 ◆4. SPI Japan 2014 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2014)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2014年10月15日(水)~17日(金)
  ■場所:プラサヴェルデ(静岡県沼津市)
          http://www.plazaverde.jp/

今までの活動成果や失敗から得た知見、現在進めている活動等をご紹
介いただき、参加者の皆様と議論したいと思います。
7月下旬より参加者募集を予定しておりますので、奮ってのご参加を
お願いします。詳細は追ってご案内いたします。

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 ◆5. 会員募集
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JASPICは、現在、19社によって構成されています。SPIの技術や活動の
進め方を学びたい、議論したいという法人会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。

  ■入会について
    http://www.jaspic.org/modules/profile/index.php?content_id=5
  ■会員企業と運営体制
    http://www.jaspic.org/modules/profile/index.php?content_id=10

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
6月に入り、じめっとした暑さが続いています。最近では6月に運動会
を開催する学校が多くなり、運動会練習の賑やかな音が聞こえていま
した。秋と違い湿度が高い中での開催となり、熱中症が心配になりま
すね。熱中症予防には、スポーツドリンクが良いといわれていますが、
糖質も多く含まれているため、あまりたくさん飲むには適していない
ように思います。熱中症予防には、ナトリウムとカリウムの摂取が必
要なようです。
そこで、家庭で手軽に補給できる方法として梅ドリンクがお勧めです。
梅にはナトリウムもカリウムも含まれており保存性も良いため、外出
の際には、自家製の梅ドリンクを持っていくようにしています。
皆さんもぜひお試しください。

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 JASPIC メルマガ 2014年6月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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