━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ JASPIC メルマガ 2024年2月号 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。 * SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善 ─────────────────────────────── ◆目次 ─────────────────────────────── 1. 2024年度分科会の紹介 2. 勉強会の紹介 3. Vivid Voices ~平鍋健児さんへのインタビュー~ 4. SPI Japan 2024のご案内 5. 会員募集 6. コラム執筆募集 ─────────────────────────────── ◆1. 2024年度分科会の紹介 ─────────────────────────────── JASPICでは、あるテーマに対して、興味を持つメンバが集まり、一年 間にわたって議論する場として分科会を作り、その中で自分たちで計 画をたて、議論を深めるという活動を実施しています。この活動で作 成した成果物は、JASPIC会員企業のメンバが活用できるように提供さ れます。また、その成果は、SPI Japan などでJASPIC会員企業以外に オープンに公開していきます。 2024年度(2023年12月~2024年11月)は、次の13の分科会です。 ・SPI推進課題分科会 ・SPI事例研究分科会 ・ソフトウェアプロセスデータ実践分科会(コミュニティ) ・SPI現場ノウハウ交換分科会 ・コア・コンピテント・チーム研究会 ・プロダクトライン分科会 ・人材育成分科会 ・関西分科会(SPI理想可視化分科会) ・要件定義プロセス分科会 ・プロセス改善戦略分科会 ・IDEALモデル実践研究分科会 ・オフショア分科会 ・プロセス改善への機械学習応用分科会 分科会にのみ参加することができる分科会会員制度もあります。体験 入会もございますので、分科会に興味のある方、入会を希望される方 はお気軽にJASPIC事務局にお問い合わせをお願いいたします。 JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org ─────────────────────────────── ◆2. 勉強会の紹介 ─────────────────────────────── JASPICでは、分科会の他に「勉強会」の活動も行っていますので、簡 単に紹介します。 テーマごとにメンバが集まって活動するという趣旨は分科会と同じで すが、分科会よりも運用を軽くし、気軽に、かつ素早く、開始・活動 ・終了できるようにしたものです。 分科会が年度単位での活動を基本としているのに対し、勉強会の活動 期間は短くても良く、JASPIC会員であれば誰でも気軽に立ち上げ活動 することができます。 現在活動中のものも含め、これまで以下の勉強会が実施されています。 ・DX勉強会 ・サイボウズ勉強会 ・Wiki勉強会 ・enjoy-juggling勉強会 ・セキュリティ勉強会 ─────────────────────────────── ◆3. Vivid Voices ~平鍋健児さんへのインタビュー~ ─────────────────────────────── 2023年12月号からスタートした新企画「Vivid Voices」は、前号に引 き続き永和システムマネジメント社長の平鍋健児さんにお話を伺いま した。今号は平鍋さんの内面に突っ込んで行きます。 メルマガ編集者(編):ここで、かなり愚問なのですが、アジャイル 開発を、広めようとお考えになったのは何故なのか、お聞かせ願え ますか? 平鍋さん(平):センチメンタルに聞こえることなんですけれど、ア ジャイル開発以前に僕が関わってきたブロジェクトでは、幸せにな らなかった人の数が多いんですよ。疲弊して会社に来られなくなっ たり、トラウマになってずっと引きずっていたりとか。そうしたこ とが強く印象に残ってしまっていたんです。良いものを作ろうとし ていたエンジニアが、自分の大切な人生の時間をロスしてしまった り、果ては病んでしまったり… それで、自分の半径10メートルだけではなく、社会的な運動で認め てくれる人を増やさないと思い、と言うかそうしないと半径10メー トルでもできないので、少なくとも例えば今回のお客さんとそうい う話をしなきゃいけないという思いがあったんでしょうね。社内で も色んな部署の人や他の会社の人とも関わってるので、その人たち の人生も良くしたいと。 編:なるほど。周りの人達に幸せになってほしいとのお考えで広めよ うとなさったのですね。そのことと、平鍋さんがチェンジビジョン そして永和システムマネジメントと相次いで経営トップになられた ことは、どんな関係がありますか? 平:それは僕の中でははっきりしていて、日本のソフトウェア開発は、 ダメだなと思っているんです(笑)。良い技術を持っている人が社 会を変えるような活動がしにくかったり、給料が安かったり、それ から、良いものを作ったらもっと皆んな儲かるということがなかっ たりしていると思っているんです。その日本の中で、エンジニアが 幸せになるには、僕は二パターンしか思いつかなくて。 一つは、受託開発ではなく世界に売れる製品を作れれば、自分達の アイデアが世界に認められたことになる訳で、自分が関わったこと が良い成果に結びついたと思えるでしょう。それがチェンジビジョ ンという会社でした。 もう一つは、受託開発の場合でも、エンジニアが、幸せになれる、 自分のやった感覚というものが、これだったら自分の仕事としてやっ て行きたいと、思える環境であれば良い訳で、それを(アジャイル 開発を通して)プロジェクトやお客さんとトライしている、という のが永和システムなんです。 編:永和システムの方でやっておられる「箱庭」もその一環なのです か? 平:あれはまた別の、コミュニティで製品を作るトライです。 編:お話を伺うと、すべて入っていますね。個人の幸せもビジネスの 新しい形態での成功も、さらにはコミュニティによる開発というも のも目指しておられます。そのために、経営者である方が良いとお 考えになったのでしょうか? 平:そういう面もありますが、たまたま、いろんなタイミングがあっ てこうなっているという面が大きくて、すべてロジカルに考えて準 備した訳でもないんです(笑)。外的な要因というものも人生では むしろ大きく作用したりするものですが、目の前に面白いことが来 た時にそれをつかんでうまく行くと、楽しいものです。 編:ところで最近よく数学に関する話をSNSに投稿されていますが、 今までお話しいただいたことと関係ありますか? 代数のお話には ついて行けなかったのですが、図形変換のお話では、人や物や概念 の間の関係を視覚化して俯瞰したり、その関係がどのように変わる かを見ることができるのではないかと、もしかして考えておられる のかなと思って読んでいました。 平:有るようで無いようで有りますね(笑)。社長の僕が言ったから と言って、皆んながこれまでの利益を上げていたやり方を変えると は限りません。それは当たり前なんですが、やっぱり人間関係って 難しくて、思うようにいかずに心が沈んでしまったんです。そこで、 趣味で好きなことに没頭する時間を持とうと。 以前、数学が好きだったので、それをもう一回やってみたんですよ。 そうしたら、興味が戻って来て。そうしてGilbert Strangという、 MITで線形代数をやっている先生の授業をインターネットの動画で 見始めたら、これがすっごく面白くって。その先生にメイルしてい たら友達になって、その先生の本を翻訳することになって、さらに、 線形代数ってコンセプトが難しいからそれをビジュアルに表現する コンテンツも共同でいくつか書いたら気に入ってくれて… そういった中で、僕は何か難しいことを絵にしたり形にしたりして 説明可能にするのが、すごくモチベーションが湧く、好きなことな んだなあって、再発見したんです。そうした、(概念を)Aster*で モデル化するとか、アジャイルという活動の仕方を理論化すること と、そうしたことを好きだと言ってくれる人達とコミュニケーショ ンして、それを拡げていくということが、自分の嬉しいという気持 ちに、すごく近いんだということを、再発見して、それで立ち直り ました。 無理やり言うと、野中先生達のSECIモデルみたいに、暗黙知を形式 知にして、それを実践してみて、そこにまた何か暗黙知があって、 それが人とのコミュニケーションで交わって行って、そこで共同化 の世界に入って行ってというような、知の創造ループ(の表出化と 連結化)に凄く興味があるんだなというのが、自分でわかりました。 組み立てることと、それを自分で実践してみることが、好きなんで す。コンセプトを作るだけというのは、僕はつまらない。それを実 践してみて、そして起こったこととの整合を取ってという、正にア ジャイルループみたいな活動が、多分僕は好きなんでしょうね。 編:ギターを弾くことに関してもしばしば投稿されていますが、それ とも関係がありますか? 平:ああ、言われるとそうだな!弾くという身体的な活動、そこから 出てくる音を聴くという知覚的な活動、それとジャズという音楽体 系や、そこに起きて来た事柄などの、全体が、好きですね。 (次回完結) ─────────────────────────────── ◆4. SPI Japan 2024 のご案内 ─────────────────────────────── 毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2024)の開催についてお知 らせいたします。 ■日程:2024年10月16日(水)~18日(金) ■場所:プラサヴェルデ(静岡県沼津市)(オンライン併催も検討中) 皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディスカッ ションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。 https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2024/ ─────────────────────────────── ◆5. 会員募集 ─────────────────────────────── JASPICは、現在、16社の法人会員および個人の会員によって構成され ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという 法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。 詳しくは、次のサイトを参照してください。 ■入会について https://www.jaspic.org/organization/join_us/ ■会員と運営体制 https://www.jaspic.org/organization/members/ ─────────────────────────────── ◆6. コラム執筆募集 ─────────────────────────────── 本メルマガのコラムを執筆していただける方、大募集します! ~SPI活動を通じて感じたこと、気づいたことをみなさんと共有 してみませんか?~ 執筆希望の方は下記の執筆要領をご確認の上【タイトル】【本文】 【氏名】を以下の宛先まで送付ください。 ※内容については必要に応じて体裁調整などの修正を行う場合が ありますことをご了承ください。 ◆執筆要領 ・1400文字前後(1行あたり全角31文字×45行程度)を目安 ・フォーマットは自由(wordやテキスト、メール本文でOK) ・著作権上の問題をクリアし、他ブログやサイトなどに掲載 されていないもの ・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能 ◆宛先 PR-infoアットjaspic.org 執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。 皆様の活発な投稿をお待ちしております! 執筆して頂いた方には、JASPICロゴマーク入りの「測量野帳」をプレ ゼントいたします。 https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/fieldnote/lineup/ ─────────────────────────────── ◆編集後記 ─────────────────────────────── メルマガ編集担当のA.Kです。 JASPICでは先日、会員向けのイベント(例会および新年度意見交換会) が4年ぶりに対面で開催されました。他イベントでの対面開催は増え てきておりましたが、例会の対面開催としては4年ぶりの開催だった ことに一同驚きでした。4年前の例会はどこの会場だったか?4年前に 新年度意見交換会で訪れたお店はどこだったか?と、皆の記憶も曖昧 で思い出すのに一苦労でした。とはいえ、久しぶりに皆さんの顔を見 ながらディスカッションや会話ができたのはとても有意義でした。 分科会への勧誘やSPI Japan 2024プログラム委員会への勧誘など、会 員活動の活性化を促すような会話もなされていて、本来のJASPICらし さが戻ったようにも感じました。改めて対面の良さを実感したひと時 でした。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JASPIC メルマガ 2024年2月号 発行:日本SPIコンソーシアム https://www.jaspic.org/ お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━