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◆ JASPIC メルマガ 2023年12月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。
* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善
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◆目次
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1. これから開催するイベント
2. 分科会の紹介:オフショア分科会
3. 新企画:Vivid Voices
4. SPI Japan 2023を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
5. SPI Japan 2024のご案内
6. 会員募集
7. コラム執筆募集
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◆1. これから開催するイベント
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JASPICの新年度は12月から開始となります。今年度は下記のイベント
を予定しております。
●JASPIC例会(JASPIC会員限定です)
開催日程:2/16(金)、4/16(火)、 7/12(金)、11/7(木)、12/11(水)
●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です)
開催日程:6月予定
●SPIトワイライトフォーラム
開催時期:未定
●SPI Japan 2024
開催日程:10/16(水)~18(金)
開催場所:プラサヴェルデ(静岡県沼津市) オンライン併催も検討中
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◆2. 分科会の紹介:オフショア分科会
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オフショア分科会は2014年7月 発足し、7社8名の研究員が在籍してい
るJASPICの中では10年目を迎える中堅分科会です。
活動ポリシーを『私たちオフショア分科会は、オフショア活用に関す
る様々な事例・研究・交流などを通じて、ソフトウェアプロセス改善
を追求し続けます』として活動しています。
これまでの活動項目事例を以下に記載します。
【異文化理解力・国民性理解】
オフショア推進するためには相手国の慣習・国民性を理解すべく、
『ホフステード 6次元モデル(ホフステッド指標)』や
『Culture Map・異文化理解力(エリンメーヤー)』を題材として研究
“ホフステッド指標”は、国毎に6つの観点で数値化され、国民性を理
解するために用いるが、オフショア分科会ではメンバの経験などを踏
まえた議論を繰り返し、その結果を資料化
【オフショア開発白書 深堀分析】
『オフショア開発.com』が毎年発行している「オフショア開発白書」
を取り寄せ、分科会視点で深堀分析を実施し、同感・納得感がある部
分だけではなく、実態との乖離状況などの洗い出しを実施
【特定オフショア国・特定事例研究】
・ベトナム&アジャイル開発:国内メーカーとベトナム大手ソフト
ウェア企業との取り組み状況について、実際の発注者を招いてオフ
ショア活用事例共有を実施
・ミャンマー:2019年当時、中国・ベトナム・インドに続くオフショ
ア国として注目されていたミャンマーについて、ミャンマーの大学
客員教授を招き、集中検討
その後、2021年 クーデター発生により検討保留中
オフショア分科会では、日本→海外というオフショア開発だけではな
く、グローバル案件にもフォーカスした議論も交わしています。
2020年 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言・渡航禁止などにより
“仕事の仕方”そのものが激変し、テレワークが当り前となったこと
に伴い、オフショア開発にも大きな変革がもたらされました。それは
マイナス要因ばかりではなく、Web会議により現地開発グループメンバ
との会議が容易に開催可能となり、プロジェクトによっては朝会を毎
日一緒に実施するような事例も出てきており、コミュニケーション面
では大きなプラス要因となっています。
また、「2025年の崖」に記載されているDX推進シナリオではアジャイ
ル開発が注目され、リソース不足の担い手としてオフショア活用は期
待されている状況です。しかし、過去に実施した大規模開発ではなく、
価値創造を目的として、変化に柔軟に対応する“臨機応変”が求めら
れ、一緒に実現する“パートナー”という位置付けに変化していると
考えています。
このような変化に“臨機応変”に対応すべく、2回/月程度 短時間での
Web会議形式で開催し、分科会自体の活性化を図り、オフショア開発に
関する様々な事例を研究し、改善活動を続けていきます。
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◆3. 新企画:Vivid Voices
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本メルマガでは、これまで識者の方々のコラムを掲載して来ましたが
執筆という形ではなく、こちらから投げかけた問いに答えていただく
形で生の声を拾いたいと思い、新たにインタビューによる企画「Vivid
Voices」を立ち上げました。
このインタビューでは、ご活躍の分野における考えや、最近気になっ
ていること、ずっと気にかけていること、これからやってみたいこと
などをお話しいただく予定です。これまであまり見えなかった人とな
りも掘り下げてみたいと思います。
初回は永和システムマネジメント社長の平鍋健児さんをお迎えして、
思うことアレコレを伺いました。
メルマガ編集者(編):今日はインタビューに応じていただき、あり
がとうございます。平鍋さんと言うとまずアジャイル開発を思い浮
かべるので、そこに関わったきっかけから伺えますか?
平鍋さん(平):ちょっと長くなりますが… 僕は元々受託開発を
やっていました。そこでどうやったら高品質のソフトウェアができ
てお客さんに喜んでもらえるかということをずっとテーマにしてい
ました。
解としてはパターンだとかオブジェクト指向だとかであろうと模索
していたんですが、一向に現場が良くならない。というのも、プロ
ジェクトも後半になってくると、仕様が少しずつ変わってきて、
作ったものが汚くなってきて、最終的にはコスト超過や納期遅延を
起こすんです。
そうすると、現場もお客様も幸せにならない。僕は開発技術に解が
あるんだろうと思っていたのですが、今考えると、それは外れてい
た。
そんなことを10年繰り返してた2000年に、ケント・ベックらの書い
たエクストリームプログラミングという本を読んだんです。どうい
うプロセスでやれば良いかというような技術的なことも書いては
あったんですが、彼曰く、開発で一番大事なのはリリースした時に
みんなで美味しい食事をすることだと。これが超インパクトで。本
に書かれているプラクティスは至極当たり前のことだったんですが、
僕には、人対人あるいは会社対会社のコニュニケーションプロトコ
ルに問題があったのだというのが発見でした。
どうも、ソフトウェアの内部構造をいくらこねくり回しても、自己
満足の世界になってしまう。良い物かどうかは、お客さんやその先
の使う人がどう思うかで決定されるから、そこを巻き込んだ「ルー
プ」を作らないと、最初から壊れた問題を解こうとしていることに
なってしまうのではないかと。
編:「ループ」と言いますと?
平:要求がずっと変わらず、作る技術も慣れ親しんだものだけなら、
何かの工事のように最初に決めたやり方でできるのかもしれません。
でも、そんな例は少なくなっているんじゃないでしょうかね。
編:そこにコミュニケーションのループを作ってそれを回していける
ようにするべきだと?
平:はい。システムを使う人が良いと思ってくれて初めて良いシステ
ムと呼べるんだろうと思うので。
編:情報部門の人だけが話を聴く相手ではないよということですね。
平:そうです。使う人が一般市場であれば早めにリリースすべきだし、
想定ユーザというものをどれだけ集めていくかということと、おそ
らく同時並行で進むんだろうなと思います。
編:とはいえ、ループを回して行きながら少しずつソフトウェアを変
えるとアーキテクチャがぐちゃぐちゃになったりしませんか?
平:僕の周りでは、基本的なアーキテクチャは既に存在していること
が多いんですよね。例えばインターネットを基盤にしたシステムな
らデータベースがあって、その周りにドメインのロジックがあって、
ユーザはフロントにブラウザを持つウェブインターフェース経由で
そのシステムを使ってというような。ではプロジェクトが始まった
らまず何をするかというと、技術選定をするんですよね。データ
ベースにはこれを使いますとか、ウェブアプリのフレームワークに
はこれにしましょうとか。そうすると、大粒度のアーキテクチャは
決まってしまうんです。そうでない技術の場合には、少しコストを
掛けて調査してからの選定になるでしょうけれど。
編:なるほど。あとはそのフレームワークの構成要素内のことなので、
多少ぐちゃぐちゃすることがあっても大きな影響を及ぼすことは無
いわけですね。
「最初に少しコストを掛けて調査」とおっしゃいましたが、これは
以前平鍋さんがどこかで言っておられた、「(アジャイル開発で
も)最初の方のイテレーションで毎回動く物を作るとは限らない。
モデリングも大事だ」という考えに通じると思いましたが、その辺
はいかがでしょう?
平:そうですね、僕は最初に決めておくべきことが二つあると思って
いて、その一つが今話していたアーキテクチャです。ただ、一般に
使えるアーキテクチャにはそこで使う語彙は入っていませんよね。
僕は、作るものの世界観を表わす語彙というのが大事だと思ってい
て、これをある程度洗い出してそれらの間の関係性などの辞書か
な?を作るようにしてます。ユーザが使う語彙、プログラムの変数
名やクラス名として現れるような語彙、データベースのカラム名と
か。これは後から変えるのがとても面倒だし、コミュニケーション
コストにすごく関わるので。
アーキテクチャは大事なのだけど、その後に人と人とがコミュニ
ケーションして会話して決めていくということが起こるので、共通
語彙があるとそのコストがすごく節約できますよね。
更に言うと、そうした世界観、あるいはドメインの語彙を書き留め
る過程でも、それが表わす概念をブラッシュアップしていくという
のが必要だと思っています。なるべく最終ユーザに近い人とインタ
ビューなり議論するなりして、この語彙の使い方で合っています
か?ということを、動くソフトウェアをテストと一緒に出していく
中で。そうしないと、早めに価値を見ることができませんから。
作ろうとしているのは有用な物なのであって、正しい物ではないん
ですよね。論理だけで作ると正しいものになってしまう。正しいか
らと言って誰が喜ぶのか。だから、嬉しさと正しさをちゃんとつな
がないといけないんです。ですので、何かが作れたという成果より
も、その成果に皆が関わることによって、その価値に対して対価を
払ってくれたり感謝の言葉をくれる人達に、早く接触したいという
ことなんです。
(続く)
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◆4. SPI Japan 2023を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
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10月11日からの三日間、SPI Japan 2023 ソフトウェアプロセス改善カ
ンファレンスを開催しました。
今回は4年ぶりの対面イベントとして新潟にリアル会場を設け、一部オ
ンライン参加も可能な開催方式を採用、たくさんの方々にご参加いた
だきました。本当にありがとうございます。
今年のテーマは、
「越える ~“カイゼン”で、さらなる一歩につなげよう~」
でした。
・岩尾俊兵氏による基調講演は、技術者が経営の観点を取り入れる利
点や、改善と経営の密接な関係について、これまでの経営感とは異
なる視点からご説明いただき非常に好評な意見をもらっています。
・一般発表は、18件の改善事例発表と2件の過去受賞発表の再演があり
ました。技術的なヒントが得られるとともに、日ごろの取り組みの
モチベーション向上にもつながる内容でした。
・トーク&納得セッションでは、現地会場でのみ参加可能なテーマを
含め7つのセッションを開催しました。多くの方々に参加いただき、
その場での体験や他参加者の取り組みの状況や課題の共有を通じて、
活発な討議が行われていました。
・意見交換会では、現地会場への参加者が集まり軽食も楽しみつつ賑
やかな雰囲気で、旧知の方のみならず初対面の方とも交流を楽しん
でいただけたかと思います。
・小川秀人氏による招待講演は、AI関連の最新動向や人とAIの関係、
プロセスという視点でのAI活用についてご説明いただきました。
今まさに起こっている変化について、多くの気づきが得られる内容
で、参加者からも大変好評でした。
SPI Japan 2023で復活した対面のコミュニケーションを通じて、参加
いただいた方々の間での議論や新たな交流、また新たな気づきを得て
いただける機会として、少しでも貢献できていましたらスタッフ一同、
心より嬉しく思います。
また、一般発表の発表資料は以下のリンクから参照可能です。参加さ
れた方も、参加できなかった方も「越える」ための気づきの源として
ご活用ください。
https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2023/
文末になりましたが、今回のカンファレンスにご参加、ご協力及びご
支援いただいたすべての皆様に、厚く御礼申し上げます。
次回のSPI Japan 2024、沼津でお会いしましょう。
SPI Japan 2023
実行委員長 羽原 寿和
副実行委員長 八木 将計
プログラム委員一同
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◆5. SPI Japan 2024 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2024)の開催についてお知
らせいたします。
■日程:2024年10月16日(水)~18日(金)
■場所:プラサヴェルデ(静岡県沼津市) オンライン併催も検討中
皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。
https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2024/
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◆6. 会員募集
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JASPICは、現在、16社の法人会員および個人の会員によって構成され
ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという
法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。
■入会について
https://www.jaspic.org/organization/join_us/
■会員と運営体制
https://www.jaspic.org/organization/members/
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◆7. コラム執筆募集
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本メルマガのコラムを執筆していただける方、大募集します!
~SPI活動を通じて感じたこと、気づいたことをみなさんと共有
してみませんか?~
執筆希望の方は下記の執筆要領をご確認の上【タイトル】【本文】
【氏名】を以下の宛先まで送付ください。
※内容については必要に応じて体裁調整などの修正を行う場合が
ありますことをご了承ください。
◆執筆要領
・1400文字前後(1行あたり全角31文字×45行程度)を目安
・フォーマットは自由(wordやテキスト、メール本文でOK)
・著作権上の問題をクリアし、他ブログやサイトなどに掲載
されていないもの
・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能
◆宛先
PR-infoアットjaspic.org
執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。
皆様の活発な投稿をお待ちしております!
執筆して頂いた方には、JASPICロゴマーク入りの「測量野帳」をプレ
ゼントいたします。
https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/fieldnote/lineup/
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◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
気が付けば12月。今年ももう終わりですね。年末年始のお休みまで
もう少し。最後の数日は、ラストスパートで乗り切りたいですね。
年末年始の過ごし方は様々かと思いますが、我が家は、家でゴロゴロ
することが決定しました。これ幸いと、思いっきり堕落した生活を楽
しみたいと思っています。堕落生活に必要なのは、堕落グッズ!
筆頭堕落グッズのビーズソファをまずは綺麗にしたいなと思い、洗い
方を検索してみると、洗濯機内で破裂した画像が大量に見つかりまし
た。ビーズソファの洗濯はご法度のようです。元々、手洗いのつもり
でしたが、面倒くさくなると後先考えずに、洗濯機に入れる危険性も
あったので、調べておいてよかったです。
なお、ビーズソファが家にあるということは、既に堕落生活では?と
いう突っ込みはしないようにお願いします!
それでは、皆様、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願い
いたします。
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JASPIC メルマガ 2023年12月号
発行:日本SPIコンソーシアム https://www.jaspic.org/
お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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