━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ JASPIC メルマガ 2021年6月号 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。 * SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善 ─────────────────────────────── ◆目次 ─────────────────────────────── 1. これから開催するイベント 2. 分科会の紹介:SPI事例研究分科会 3. コラム:後藤 徳彦 (NECソリューションイノベータ) 「「OODAループ」について」 4. SPI Japan 2021 のご案内 5.会員募集 ─────────────────────────────── ◆1. これから開催するイベント ─────────────────────────────── ●JASPIC例会(JASPIC会員限定です) 日 時:2021年7月8日(木) 内 容:・SPI Japan 2021の連絡 ・合宿報告 ・ショートプレゼン ・カンファレンス報告 ・20周年に関するお知らせ ・DXの視聴 ─────────────────────────────── ◆2. 分科会の紹介:SPI事例研究分科会 ─────────────────────────────── JASPICでは、あるテーマに対して興味を持つメンバが集まり、一年間 にわたって議論する場として今年度は13の分科会が活動しています。 その中から今回はSPI事例研究分科会の紹介をさせていただきます。 ●SPI事例研究分科会 SPI事例研究分科会(略称:WOK《ウォック》分科会)は過去、名称の 変更も行いましたが、2007年4月から活動している古参の分科会のひ とつで、2021年5月現在6名の研究員が活動しています。 【WOKとは】 さて最初に、略称のWOKとは何の略だ?と思われた方がきっとおられ たのではないでしょうか。当初はSPIに関する知識体系の構築を目標 にSPIBOK分科会として始まりました。その後、SWeBOKなど複数の知識 体系をつなげた知識網(Web Of Knowledge)に検討範囲を広げたことか ら略称をWOK分科会と変更しました。 【活動の目的】 カンファレンスの発表論文やJASPIC内の企業事例などを学習し、自分 たちの組織で活用できる知識を抽出することで、SPI事例をより深く 理解することを主な目的とします。併せて、類似の知識を共有し、抽 出した知識をSPI-WOK(SPI知識網)に追加することで、知識の共有・ 資産化を推進します。 【これまでの活動】 プロセス改善において必要とされる知識の構造や関係性、コアとなる 部分やその広がりを調査研究し、必要な知識の収集と活用のしくみを 構築する活動を行ってきました。2019年度以前は、SPI Japanカンファ レンスの発表概要のテンプレート化や発表事例から知識を抽出して文 書化するテンプレートとしての「亘理帳」の開発を行ってきました。 2020年度は、定期的に研究会を開催し、事例から亘理帳を作成して再 利用できる知識について議論しています。さらに、事例発表者を招い てより突っ込んだ議論を合同分科会や公開の場で実施し、「亘理帳」 に記載された知識の蓄積を行ってきました。それと並行して、蓄積さ れた知識をWiki形式で公開するための仕組み構築に向けた検討を実施 しています。 【今年度の活動】 2021年度は、以下の活動を行う予定です。 1.「亘理帳」形式による再利用可能な知識の蓄積と整理 ・公開事例研究会開催を継続し、引き続き「亘理帳」形式の知識を 蓄積し、普及する。 ・「亘理帳」として蓄積された知識同士の関係性や特徴などに着目 した分類/グルーピングから、WOK(知識網)/ BOK(知識体系)とし て整理していくために必要な検討を行う。 2. Wikiを用いた知識の活用 ・「亘理帳」に記載された知識をWikiに登録/蓄積していく。 ・Wikiに蓄積された知識群を、どのようにWOK/BOKとして可視化すれ ば、知識の再利用や創出に役立つかを議論する。 将来的には、WOKを拡充するとともにBOKの姿をより明確にして、知識 の再利用や創出を促進することを目指しています。 【最後に】 興味・関心をお持ちの方は是非、SPI事例研究分科会に参加いただき、 JASPICのSPI知識の共有/資産化・再利用にご協力ください。 ─────────────────────────────── ◆3. コラム:「「OODAループ」について」 ─────────────────────────────── 今回は、最近様々な場面で聞くようになった「OODAループ」という キーワードに焦点を当ててみたいと思います。 【「OODAループ」って何?】 「OODAループ」については様々なサイトや書籍で紹介されていますが、 ウィキペディア(Wikipedia)では、「意思決定と行動に関する理論 アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐により提唱されて、元々は航空戦 に臨むパイロットの意思決定を対象としていたが、作戦術・戦略レベ ルにも敷衍され、更にビジネスや政治など様々な分野でも導入されて おり、コリン・グレイらにより、あらゆる分野に適用できる一般理論 と評されるに至っている」「OODAループは、観察(Observe)- 情勢 への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)- ループに よって、健全な意思決定を実現するというものであり、理論の名称は、 これらの頭文字から命名」と紹介されています。 【「OODAループ」に対する解釈(私見)】 私なりの解釈としては、「OODAループ」は、課題への対応や施策に対 する状況判断などに対して、経験・知識・環境・文化などを踏まえ、 「素早く対応策を決定」し、結果として迅速な行動に結びつける意思 決定の理論と捉えています。 この「素早く対応策を決定」というのがポイントと考えます。「素早 く対応策を決定」のためには、環境・文化・背景などを共有・理解し、 経験・知識などをベースとした観点が求められます。パイロットであ れば様々な場面を想定した厳しい訓練を繰り返すことで、咄嗟の判断 (回避手段など)を取ることが出来るようになるし、プロジェクトで あればお客様や開発メンバーと価値観を共有することで、障害・課題 などに対して素早く改善策を決定・克服することで、変化・変革への 素早い対応が可能となると考えます。 【なぜ 今「OODAループ」?】 最近は新型コロナウイルス感染拡大により、生活環境や事業環境に対 して甚大な障害が発生しています。また、「DXレポート」にも述べら れているように、企業・組織として変化・変革が求められている状況 です。このような状況下でも我々は様々な判断を下し、素早く適切に 行動することが求められています。 中期計画、事業計画、推進計画… 従来は立案した計画を着実に遂行 することに重きをおいてきました。しかし、先行き不透明な状況では、 固定観念を打破し、幅広い視点を持ち、適応性に重きをおいた推進が 求められています。行動した結果を更に観察することで、新たな変化 に対応が出来、結果として変化に対する柔軟性が高まります。 このような点において「OODAループ」という理論が注目されていると 思います。 【JASPICにおける取り組み】 JASPIC分科会(IDEAL分科会、アジャイル分科会など)やDX勉強会 (分科会化検討中)では、この「OODAループ」または「OODAマネジメ ント」をテーマとした調査・研究を開始しています。 ・IDEAL分科会: 「もっと素早くIDEALモデルを実践するためには?」をテーマとし て、「OODAループ」の観点を取り入れた“Small_IDEAL(仮称)を確 立出来ないかを研究 ・アジャイル分科会: 「OODAループ」とアジャイルプラクティスは親和性が高く、アジャ イル開発を効果的・効率的に推進するためのポイントなどを研究 ・DX勉強会: 「DXレポート」で危惧されている“2025年の崖”に対する変革プロ セスとして、「OODAループ」の観点を取り入れた研究 ご興味がある方は、分科会会員という選択肢もありますので、事務局 までお問合せ願います。 後藤 徳彦 (NECソリューションイノベータ) ************************************************************** 本欄のコラムを執筆していただける方、大募集します! ~SPI活動を通じて感じたこと、気づいたことをみなさんと共有 してみませんか?~ 執筆希望の方は下記の執筆要領をご確認の上【タイトル】【本文】 【氏名】を以下の宛先まで送付ください。 ※内容については必要に応じて体裁調整などの修正を行う場合が ありますことをご了承ください。 ◆執筆要領 ・1400文字前後(1行あたり全角31文字×45行程度)を目安 ・フォーマットは自由(wordやテキスト、メール本文でOK) ・著作権上の問題をクリアし、他ブログやサイトなどに掲載 されていないもの ・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能 ◆宛先 PR-infoアットjaspic.org 執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。 皆様の活発な投稿をお待ちしております! ************************************************************** ─────────────────────────────── ◆4. SPI Japan 2021 のご案内 ─────────────────────────────── 毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2021)の開催日と開催場所は 以下の通りです。 ■日程:2021年10月6日(水)~8日(金) ■場所:オンライン開催(詳細は追ってお知らせいたします) 皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス カッションを予定しております。7月末から参加者の募集を開始いたし ます。詳しくは以下のWebページでお知らせします。 http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2021/ ─────────────────────────────── ◆5. 会員募集 ─────────────────────────────── JASPICは、現在、15社の法人会員および個人の会員によって構成され ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという 法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。 詳しくは、次のサイトを参照してください。 ■入会のご案内 http://www.jaspic.org/basicDocuments/Brochure.pdf ■会員企業と運営体制 http://www.jaspic.org/organization/members/ 入会を希望される方はお気軽にJASPIC事務局にお問い合わせをお願い いたします。 JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org ─────────────────────────────── ◆編集後記 ─────────────────────────────── メルマガ編集担当のA.Kです。 完全テレワークとなってから丸1年経ちました。テレワーク開始時を思 い起こすと、始業前やお昼に家事をして、定時に仕事が終わると凝っ た料理をしてみたりと、如何に時間を有効に使うか考えて行動してお り、我ながら素晴らしい生活態度だったなと思います。 現在は、、、ここには記載できませんが、ドラマが見放題の動画配信 サービスにはまってしまったことだけは告白しておきたいと思います。 まだ時間の有効活用ができていた頃に、お花を植えてみました。以前 は、お花を植えても眺める時間がないとの理由でほとんど手を出さな かったのですが、テレワークで時間の余裕ができるとのことで、チリ アヤメとミニチューリップを球根から植えてみました。 結果、ミニチューリップは全て綺麗に咲きそろい、仕事の合間に癒さ れました。チリアヤメも咲いたのですが、日を置いて一輪ずつ咲くと いう咲き方で、思っていたような咲き方ではなく、もう少しちゃんと 調べて適切なところに植えると違ったのかなと思っています。こぼれ 種で増えていくそうなので、また来年に期待したいと思います。 今度はもう少しお花の勉強をしてから難易度の高いお花も試したいな と思いつつ、その前に生活態度も見直していきます・・・ ちなみに、かなり昔に向日葵を植えたことはありますが、放置しても 綺麗に咲き長く楽しめたので、時間のない初心者にはお勧めです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JASPIC メルマガ 2021年6月号 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/ お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━