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 ◆ JASPIC メルマガ 2019年2月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. 分科会の活動紹介
 3. 分科会会員制度について
 4. コラム:安倍 秀二(エーアンドエスコンサルティング)
           「Automotive SPICEの活用」
 5. SPI Japan 2019のご案内

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 ◆1. これから開催するイベント
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●SPIトワイライトフォーラム

  「テスト自動化の基本的な考え方とNTTにおける研究開発の紹介」
  http://www.jaspic.org/events/twilight/2019-03/

  発表者:丹野 治門 (日本電信電話株式会社)
  主  催:日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
  日  時:2019年3月26日(火) 18:30-20:30
  場  所:港勤労福祉会館(田町) 第一洋室
  http://www.city.minato.tokyo.jp/shisetsu/shokokaikan/kinrofukushi/01.html

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 ◆2. 分科会の活動紹介
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JASPICでは、あるテーマに対して、興味を持つメンバが集まり、一年
間にわたって議論する場として分科会を作り、その中で自分たちで計
画をたて、議論を深めるという活動を実施しています。この活動で作
成した成果物は、JASPIC会員企業のメンバが活用できるように提供さ
れます。また、その成果は、SPI Japan などでJASPIC会員企業以外に
オープンに公開していきます。

2019年度(2018年12月~2019年11月)は、次の15の分科会です。

・SPI推進課題分科会
・ソフトウェアプロセス改善知識網分科会
・Statistical Process Control分科会
・SPI現場ノウハウ交換分科会
・コア・コンピテント・チーム研究会
・プロダクトライン分科会
・人材育成(People Process)分科会
・関西分科会
・要件定義プロセス分科会
・プロセス改善戦略分科会
・IDEALモデル実践研究分科会
・ECQA連携検討分科会
・オフショア分科会
・アジャイル分科会
・プロセス改善への機械学習応用分科会

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 ◆3. 分科会会員制度について
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JASPIC活動の大きな柱である分科会に興味を持っていただける方も多
く、今回、SPI活動の輪をさらに広げていくために分科会会員制度を発
足することにしました。
各分科会は1年毎(※1)に活動計画を立て、成果を出していきます。分
科会の一覧と、各分科会の活動内容はJASPICホームページ(※2)に掲載
があります。分科会会員は年会費3万円で1分科会に参加することがで
きます。2分科会に参加する場合の年会費は6万円です。一部の分科会
は分科会会員を受付けていませんので、ご了承願います。
なお、個人会員は複数の分科会に参加することができ、さらに例会、
全体合宿などへの参加、JASPIC主催イベントへの優待参加が可能で年
会費は7万円です。

分科会会員には体験入会もございますので、分科会に興味のある方、
入会を希望される方はお気軽にJASPIC事務局にお問い合わせをお願い
いたします。

JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org

法人会員、個人会員についても引き続き募集しています。自社にソフ
トウェア開発プロセスをお持ちの企業の方は法人会員として、個人で
JASPIC活動をフルに行いたい方は個人会員としての入会をお願いしま
す。

JASPIC入会のご案内はこちらから確認いただけます。
http://www.jaspic.org/basicDocuments/Brochure.pdf

(※1) JASPICの年度は12月~11月となります。
(※2) http://www.jaspic.org/activities/sig/

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 ◆4. コラム:「Automotive SPICEの活用」
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プロセス改善といっても、範囲が広いですが、今回は、アセスメント
モデルとその活用についてお話ししたいと思います。自動車のECU
(Electronic Control Unit)のシステム開発やソフトウェア開発では、
品質の考え方として、"良いものは、良いしくみから生み出される"と
いう考え方があり、プロセス構築やプロセス改善が強く要求されます。
プロセスアセスメントとプロセス改善ではCMMIを思い浮かべる方が多
いと思いますが、今回はAutomotive SPICEについてお話ししてみます。

Automotive SPICEは、ドイツ自動車工業会が発行している車載システ
ム開発向けのプロセス改善、プロセスアセスメントを目的としたプロ
セスモデルです。2005年にドラフトバージョンが発行され、2015年に、
ISO/IEC 330XXシリーズへの対応、プラグインコンセプトの導入などシ
ステム領域を中心にプロセス構造の考え方が大きく改訂され、2017年
にはVer3.1が発行されています。

次に、Automotive SPICEの特徴を説明します。
○構成
プロセス参照モデル(プロセスID、プロセス名、プロセス目的、プロセ
ス成果)及び、プロセスアセスメントモデルとして、プロセス実施指標
(基本プラクティス(以下BP)、アウトプット作業成果物)、プロセス能
力指標としてのプロセス属性(共通プラクティス(以下GP)、共通リソー
ス)などから構成されています。
○プロセス領域
32プロセスあります。内訳は、システムエンジニアリング:5、ソフト
ウェアエンジニアリング:6、取得:7、管理:3、支援:7、再利用:1、
プロセス改善:1、供給:2となっています。
CMMIはどちらかというと、管理系や改善系に強いように感じています。
○評定方法
プロセス実施指標及びプロセス属性の組み合わせで、能力レベルを判
定(0~5)します。CMMIも同じ枠組みをもっていますが、決まったプロ
セスの組み合わせで成熟度レベルを判定する場合が多いですね。
○作業成果物
各プロセスを実施することにより、作業成果物を作成することを想定
しています。

Automotive SPICEは、主に自動車メーカによるサプライヤの選定や能
力評価に使用されることが多く、上記のように細かくプロセスが規定
されており、含まれるBPの記述内容も、CMMIに比べてより具体的にな
っています。

続いて、Automotive SPICEの活用についてお話します。上記に述べた
ように、Automotive SPICEは、プロジェクトの能力評価や改善のため
に使用しますが、多くのプロジェクトはプロセスの構築のために、BP
やGPをそのまま使用している状況です。この理由は、BPやそれに含ま
れる備考が詳細で、あたかもプロセスのリアルなアクティビティやタ
スクみたいに見えてしまうからだと思っています。アセスメントでは、
各プロセスの目的や成果の達成をBPやGPを基に確認し、最終的にレベ
ル判定を実施します。プロセス構築も同じですね。プロセスを構築す
る際には、組織の方針やプロジェクトの状況を考慮して、Automotive
SPICEに含まれるプロセス参照モデルの部分を考慮して、プロセスの
目的を効率的に達成できるように考えます。BPの記述もある程度参考
になりますが、これだけでは足らない場合が多いです。Automotive 
SPICEの背景にある、ISO/IEC 12207、ISO/IEC 15288、ISO/IEC 29148、
ISO/IEC 42010、さらには、機能安全を拡張する場合はISO 26262、シ
ステム領域を深掘りするにはSystems Engineering Handbook(INCOSE)
などの様々な規格や文献の内容を十分理解し、アクティビティやその
順序の定義をすることが望ましいと考えます。

最後に、アセッサのみなさんへのメッセージですが、プロセス改善を
上手に実施するためには、アセスメントモデルのみに精通しても限界
があります。上記の様々な規格や文献を読むことをおすすめします。

安倍 秀二(エーアンドエスコンサルティング)

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【氏名】を以下の宛先まで送付ください。
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  ありますことをご了承ください。

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    されていないもの
  ・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能

 ◆宛先
   PR-infoアットjaspic.org

執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。
皆様の活発な投稿をお待ちしております!
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 ◆5. SPI Japan 2019 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2019)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2019年10月9日(水)~11日(金)
  ■場所:京都テルサ(京都府京都市)
          http://www.kyoto-terrsa.or.jp/

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。

http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2019/

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
この冬もインフルエンザが大流行していますが、皆様は大丈夫でしょ
うか。流行りのピークは少し落ち着いたみたいですが、まだまだ油断
できない状況には変わりありません。この冬は2種類のA型が流行って
いるようで、2月後半から流行るB型も含めると3回罹ってしまう可能性
もあるとか。
インフルエンザ感染予防の基本は、手洗い・うがい・加湿・アルコー
ル消毒・マスク着用が思い浮かぶと思いますが、日々のちょっとした
行動を意識することで予防効果が増すとのことです。基本の対策で抜
けやすい点の1つに喉の乾燥が挙げられます。喉が乾燥していると感染
率が上がるため、ガムを噛んだり、小まめに緑茶を飲んだりして喉を
潤すとよいそうです。特に緑茶に含まれるカテキンには感染予防の効
果があるとのことです。またウィルスは胃酸で消滅するという性質か
ら、喉に付着したウィルスは緑茶で胃まで流してしまえばよいそうで
す。うがいは喉の奥が洗えない可能性があるため、うがい+緑茶を飲
むという方法が効果的です。他にも、マスクを外す際には不織布部分
を触らず、紐の部分を指で引っ掛けるようにして外す、ドアノブ・電
気のスイッチボタン・電車の吊革等の不特定多数の人が触るものには
ハンカチを当てて触るなど、直接指先に触れないようにするとよいそ
うです。
皆様もこれから先のインフルエンザ感染予防で試してみて下さい。

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 JASPIC メルマガ 2019年2月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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