━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ JASPIC メルマガ 2018年12月号 ◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

───────────────────────────────
 ◆目次
───────────────────────────────
 1. これから開催するイベント
 2. イベント実施報告:SPIトワイライトフォーラム  2018年11月
 3. CMMI V2.0の特徴と日本語化
 4. SPI Japan 2018を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
 5. SPI Japan 2019のご案内
 6. 会員募集

───────────────────────────────
 ◆1. これから開催するイベント
───────────────────────────────
JASPICの新年度は12月から開始となります。今年度は下記のイベント
を予定しております。

●JASPIC例会(JASPIC会員限定です)
  実施日時:2/15(金)、4/18(木)、 7/10(水)、11/12(火)、12/12(木)

●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です)
  開催日程:6月予定

●SPIトワイライトフォーラム
  開催時期:年3~4回程度予定(日時未定)

●SPI Japan 2019(京都府京都市 京都テルサ)
  開催日程:10/9(水)~11(金)

───────────────────────────────
 ◆2. イベント実施報告:SPIトワイライトフォーラム  2018年11月
───────────────────────────────
今回のトワイライトフォーラムは、「CMMI(能力成熟度モデル統合)
V2.0の概要紹介」と題して、JASPIC CMMI V2.0 翻訳研究会 乘松さん
にご講演頂きました。CMMIの新バージョンであるV2.0への関心は高く、
44名の方にご参加頂きました。
特に一般参加者が多かったのと、プロセス改善のベテランの顔ぶれが
目立ったのが特徴的でした。
V2.0は2018年3月に公開されました。
https://cmmiinstitute.com/products/cmmi/dev
2010年11月リリースのV1.3以来のメジャーアップグレードとなります。
モデルの構成要素の変更や、アジャイル開発手法への積極的な対応な
ど、モデル、評定手法、トレーニング体系が全般的に改訂されていま
す。
今回のフォーラムでは、新バージョンの概要として、現在のリリース
最新状況、モデルや評定手法の主な変化点、V2.0への移行計画、翻訳
作業について紹介されました。内容的には、聞く側の知識も要求され
る高度なものでしたが、モデルについての積極的且つ深い質疑応答が
行われ、大いに盛り上がりました。
フォーラム終了後は、10名程の参加者が残って恒例の意見交換会に突
入。ここでもV2.0の変化点や移行について、本音トークが行われ大変
充実したセッションでした。
今後もホットなテーマを取り上げていく予定です。取り上げてほしい
テーマ等ございましたらトワイライトフォーラム運営メンバにご連絡
ください。

───────────────────────────────
 ◆3. CMMI V2.0の特徴と日本語化
───────────────────────────────
本コラムでは、最近リリースされたCMMI(能力成熟度モデル統合)の
バージョン2.0の特徴についてご紹介します。

ソフトウェア開発プロセスを組織的に改善する際に参考とするモデル
として、能力成熟度の考え方に基づくモデルが多数作られてきました。
CMMは、米国カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所により
90年代から開発が進められ、日本を含む全世界で多くのユーザを獲得
しています。ソフトウェア開発のためのモデルから出発して、成果物
開発・サービス提供・調達(取得)などの分野を統合する形で拡張・
改良されて来ました。

このCMMIのメジャーアップグレード版として、2018年3月にV2.0が発表
されました。https://cmmiinstitute.com/products/cmmi/dev
12月にはサービス・供給者管理を含む範囲に拡張されています。

V2.0での変更点をいくつかご紹介します。

・ビジネスの成功のための、能力向上の強調

  従来のCMMIでは「成熟度」による改善アプローチが中心でしたが、
  V2.0では「Capability(業務遂行能力)」を向上させることで
  ビジネスの成功に貢献するアプローチが強調されています。

  モデルの中では、単純にプラクティスを実践するだけではなく、
  「Performance(実施結果の実績・業績)」を向上させることで、
  実施したプロセスの価値を高めることを意識しています。

  評定(アプレイザル・アセスメント)においても、ギャップの特定
  やレベルの判定にとどまらず、改善活動を通じた実績の向上を確認
  することで、改善活動の価値を意識させる手法になっています。

・改善アプローチを拡げるための、モデルアーキテクチャの変更

  上記のアプローチの拡充に伴い、モデルの形(アーキテクチャ)も
  変更されました。プラクティスのまとめ方を見直して、従来の共通
  プラクティスを「プラクティス領域」へと変換したり、領域内の
  プラクティス群のレベル分けが行われています。領域群についても
  能力の観点でグループ分けが行われています。

  これらにより、必要とする「能力」を軸とした改善の進め方が容易
  になり、早い段階で改善効果を得ることを意図しています。

・最新のトレンドや手法への対応

  最新のトレンドや手法に対してモデルを迅速に整合させるための
  改良も行われています。

  プラクティス領域の拡充が容易になり(異なる分野の統合が容易に
  なり)、セーフティーやセキュリティへの拡充が予定されています。

  アジャイル開発手法のような、新しい環境下でCMMIを活用すること
  を容易にするため、手法に合わせた記述を容易に追加できるように
  なりました。初期リリース版では、スクラム手法に対応した記述が
  多く含まれており、今後も他の手法に対応した記述が追加される
  予定です。

  それ以外にも、特定の業界や業務スタイル(例えばDevOps)など、
  様々な状況においてCMMIを使うための拡充が議論されています。

JASPICは、従来バージョンに引き続き、V2.0の日本語化についても
開発元であるCMMI Instituteとの協力作業を進めています。
現在のところ、2019年春のモデルリリースを予定しています。

JASPIC CMMI V2.0 翻訳研究会

───────────────────────────────
 ◆4. SPI Japan 2018を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
───────────────────────────────
■テーマ
 “「挑む」 ~ Chance Challenge Change ~”

■開催概要
  日程:2018年10月10日(水)13:00 ~ 10月12日(金)12:00 本会議
        2018年10月12日(金)13:30 ~ 10月12日(金)16:30 チュートリアル

  開催規模:246名(一般参加者・講師・スタッフの総数)
  http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2018/


今年も多くの方にソフトウェアプロセス改善カンファレンスSPI Japan
2018へご参加いただき、ありがとうございました。
今回、SPI Japanを初めて名古屋で開催しました。結果、例年よりも多
くの方の参加をいただき、本カンファレンスを無事終えることができ
ました。

プロセス改善、品質保証業務に就かれている方はもとより、開発、研
究など参加された多くの方々に、今回のテーマであるChangeに繋がる
「挑む」のヒントになったでしょうか。今回のカンファレンスを機に、
皆さんのプロセス改善が加速され、皆さんの幸せに繋げることができ
たならば嬉しいです。

神庭PM研究所 神庭弘年様の基調講演では、世の中の変化(激変)を迎え
るにあたり、どのようにチャレンジしていくか、多くの提言をいただ
きました。

一般発表は、31の改善事例がありました。参加者の方々は各々興味の
ある事例から情報収集し、これからの変化に立ち向かう準備をしてい
る様でした。

トーク&納得セッションでは、違った切り口で工夫を凝らしたワーク
ショップ形式により、盛んに討議が行われていました。

今年も、名物ワールドカフェ形式の意見交換会では、お酒も入り、真
剣な中にも和やかなひと時をお過ごしいただけたかと思います。

最終日の招待講演では、元Googleで現プロノイア・グループ代表の
ピョートル・フェリクス・グチバチ様より、ご講演いただきました。
イノベーションを起こす組織、会社とそれを支える人に徹底して着目
したお話しをいただき、講演では珍しいワークショップも取り入れた
内容で本音を引き出す体感もさせていただきました。参加された方々
は「明日、会社に行くのが楽しみ!」と思えたのではないでしょうか。

最後になりましたが、今回のカンファレンスに参加された皆様、ご協
力、ご支援いただきました方々に対し、御礼申し上げます。

次回、SPI Japan 2019をお楽しみに。京都で会いましょう!

今年の一般発表資料を、ホームページに掲載しております。
皆様のプロセス改善の一助になれば幸いです。

SPI Japan 2018
   実行委員長     緒方 勝
   副実行委員長   中森 勝
   実行委員長補佐 水田 恵子
   プログラム委員一同

───────────────────────────────
 ◆5. SPI Japan 2019 のご案内
───────────────────────────────
毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2019)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2019年10月9日(水)~11日(金)
  ■場所:京都テルサ(京都府京都市)
          http://www.kyoto-terrsa.or.jp/

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。

───────────────────────────────
 ◆6. 会員募集
───────────────────────────────
JASPICは、現在、17社の法人会員および個人の会員によって構成され
ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという
法人会員、個人会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。

  ■入会について
    http://www.jaspic.org/organization/join_us/
  ■会員企業と運営体制
    http://www.jaspic.org/organization/members/

───────────────────────────────
 ◆編集後記
───────────────────────────────
メルマガ編集担当のA.Kです。
もうすぐクリスマスですね。クリスマスといえばプレゼント!
サンタさんにお願いするプレゼントを家族で相談していたところ、電
子決済のキャンペーンが開始。家族のサンタ役としては、嬉しいお知
らせでしたが、残念ながら間に合いませんでした。実際には、終了日
と噂された日に家電量販店をうろついていましたが、買うものが確定
していなかったため、購入せずに帰宅しました。
結果、サンタへのリクエストは別のものになったため、急いで買わな
くてよかったのですが、今になって自分のものを何か買うんだった!
と後悔しています(笑)
子供の頃にサンタからもらったものを思い返すと、期待通りだったも
のとガッカリだったものと色々思い出します。一番面白かったのが、
友達がサンタからもらった「バナナ」でした。
前日にテーブルの上にあったものだそうです。枕元に移動しただけ。。
あわてんぼうのサンタさん。プレゼントを忘れたのでしょうね。皆さ
んはどんな思い出がありますか?最近は、サンタをGPSで追跡できるの
で、是非追跡してみてください。

今年1年メルマガにお付き合いいただきありがとうございました。
すてきな年末年始をお過ごしください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 JASPIC メルマガ 2018年12月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━