━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ JASPIC メルマガ 2018年6月号 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。 * SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善 ─────────────────────────────── ◆目次 ─────────────────────────────── 1. これから開催するイベント 2. イベント実施報告: SPIトワイライトフォーラム 2018年5月 3. コラム:遠藤 潔(JASPIC運営委員長/日立ソリューションズ) 「プロセス改善とコンサルタント」 4. SPI Japan 2018 のご案内 ─────────────────────────────── ◆1. これから開催するイベント ─────────────────────────────── ●JASPIC例会(JASPIC会員限定です) 日 時:2018年7月11日(水) 内 容:1.合宿報告 2.SPI Japan 2018のご案内 3.出張報告 3-1.台湾TSPICイベント参加報告 3-2.CMMIカンファレンス報告 4.CMM-V2.0概要紹介 5.本日の発表内容をもとにしたグループ議論 ─────────────────────────────── ◆2. イベント実施報告:SPIトワイライトフォーラム 2018年5月 ─────────────────────────────── 今回のトワイライトフォーラムは、人工知能のソフトウェア品質への 応用をテーマにとりあげ、Quality Inspection等で著名な日本IBM(株) 細川 宣啓さんに講演頂きました。 一般参加20名を含む計44名もの方にご参加頂き、熱いセッションにな りました。 前半は主に、「AI(機械学習)の品質」についての現状の課題が話され ました。AIの品質メトリクスとは何か(機能性の品質特性は一部にすぎ ず、それ以外はまだ明確に確立されていない)、ブラックボックスであ る、トレースバックが難しい、PoCをやってみるがそこから抜け出せな い(PoC地獄、PoC貧乏)などの興味深い話がありました。 後半は、AIをQuality Inspectionに活用する内容でした。 Quality Inspectionでは、QIツールを使って測定したメトリクスデー タ(コードの複雑度等)やバグデータ等の関係から得たナレッジに基づ いて、ソフトウェアのメトリクスデータからリスク箇所を特定します。 このナレッジを専門性としてAIを作り、活用した例が示されました。 AIを活用することによってソフトウェア品質向上やプロセス改善に繋 げられると考えている方には多くの示唆が得られた発表だったと思い ます。 フォーラム終了後は、20名近い参加者が残って恒例の懇親会突入。更 なる議論で盛り上がりました。今後もホットなテーマを取り上げてい く予定です。是非今後のテーマもお見逃しなくご参加ください。 ─────────────────────────────── ◆3. コラム:「プロセス改善とコンサルタント」 ─────────────────────────────── この度、JASPIC運営委員長をやらせていただくことになりました遠藤 です。よろしくお願いいたします。 このコラムを読んでいる皆さんは、JASPICの活動に何らかの関わりを お持ちだと思います。JASPICの会員企業に所属されている/いないに関 わらず、ソフトウェア/システム開発とそれに付随する業務のプロセス 改善に大なり小なり取り組まれているのではないでしょうか。 JASPICが主催する年に一度のソフトウェアプロセス改善カンファレン ス(SPI Japan)参加者の担当業務で最も多いのが、全社や自部門のプロ セス改善活動を推進する業務、次いで全社や自部門の品質を保証する 業務で、ソフトウェア開発者の割合より多いと記憶しています。 私自身は、自社がCMMIに積極的に取り組み始め、社内アプレイザとし て他部門の評定(アプレイザル)に参加した2002年から、プロセス改善 に大きく関わるようになりました。もちろん、それ以前もソフトウェ ア開発者として品質や生産性の改善委員会には出席していたのですが、 恥ずかしながら課外活動の意識が抜けず、プロセスに関する認識も低 いままでした。それが、今では他社様のプロセス改善活動を支援する コンサルテーションを業務としているのですから、人生不思議なもの です。 ところで、コンサルタントと言うと、皆さんはどのようなイメージを お持ちでしょうか? 口は出すが責任は取らない感じがして、私自身は正直良いイメージを 持っていませんでした。そこで、プロセス改善を支援するグループを 立ち上げたときに、メンバ教育のために改めてコンサルタントの定義 を調べてみました。 “コンサルタント”とは? 一定の事柄について、相談・助言・指導を行う専門家 例)経営コンサルタント、結婚コンサルタント・・・ 出典:広辞苑 Consultant 専門的意見を与える相談相手、顧問、相談役、顧問医、相談者・・・ 出典:リーダース英和 コンサルタントは、相談を持ち掛ける人と受ける人の関係で成り立つ ことが分かりました。 要するに、分野もレベルも“ピン”“キリ”ということです。 個人的なアドバイスは兎も角として、自分の専門領域に関することで あれば誰でもコンサルタントになれるわけです。 では、プロセス改善のコンサルタントはどうでしょうか? ツール導入とかの限定された状況を除けば、いやそれも導入だけでは なくて、活用して期待した効果を上げるのは難しいのですが、一般に 品質や生産性の向上を狙って行うプロセス改善は、難しいものです。 我々が対象としているソフトウェアやシステムの開発活動は、 ・工業製品の製造と違って、厳密には繰り返さない ・設計という行為により、創造性が求められ、解も一つではない ・“プロジェクト”という有期活動である ・個性を持つ複数の“人間”が協働して実施する活動である ということもあり、そのプロセス改善活動のコンサルタントには高度 なスキルや経験・知識が要求されます。 ここで最初に戻ります。 読者の皆さんの多くが担当されている業務が、プロセス改善活動を推 進する業務や品質を保証する業務だとすると、皆さんは、正に開発者 に対する“プロセス改善のコンサルタント”と言うことになります。 それも、かなり上級のコンサルタントです。 他のコンサルタントたちの経験や知識を吸収し、ご自身のスキルを磨 くためにも、JASPICを上手にご活用ください。 そして、共に改善に取り組む人の輪をさらに拡げていきましょう。 遠藤 潔(JASPIC運営委員長/日立ソリューションズ) ─────────────────────────────── ◆4. SPI Japan 2018 のご案内 ─────────────────────────────── 毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2018)の開催日と開催場所 は以下の通りです。 ■日程:2018年10月10日(水)~12日(金) ■場所:ウインクあいち(愛知県名古屋市) http://www.winc-aichi.jp/ 皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス カッションを予定しております。7月末から参加者の募集を開始いたし ます。詳しくは以下のWebページでお知らせします。 http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2018/ ─────────────────────────────── ◆編集後記 ─────────────────────────────── メルマガ編集担当のA.Kです。 今年も梅雨の季節がやって来ましたね。毎年のことですが、雨の日が 続くとやはり憂鬱になります。 雨といえば、子どもの頃にてるてる坊主を作ったことを思い出します。 当時は何も考えずに作って窓際に吊るしていたような気がしますが、 調べてみると色々と間違っていたことが分かりました。 まず、てるてる坊主に顔を描いて吊るすのは間違いなのだそうです。 当時はかわいい顔を描くことが楽しみで、描いてから吊るしていまし たが、正しいお作法は晴れてから顔を描き入れ、お神酒を供えて川に 流すということだそう。 また、吊るす位置も大切なようです。太陽は南の空に昇ってくること から、南側のベランダや軒下に吊るすのが良いそうです。お日さまか ら見えるところというのがポイントですね。 最近は天気予報の精度も上がり、てるてる坊主のことは忘れかけてい ましたが、正しいお作法を理解した上で、てるてる坊主に晴れを願っ てみるのもいいかもしれませんね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JASPIC メルマガ 2018年6月号 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/ お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━