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 ◆ JASPIC メルマガ 2018年2月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. 分科会の活動紹介
 3. コラム:藤崎 祐美子 Test Engineer's Forum 北海道 (TEF道)
    「改善のギアが力強く回りはじめた事例からの学び
       ~相手を信じてぶつかり、こころを動かす~」
 4. SPI Japan 2018のご案内

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 ◆1. これから開催するイベント
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●SPIトワイライトフォーラム
  「派生開発におけるベースシステムからコア資産への進化」
  http://www.jaspic.org/events/twilight/2018-03/

  発表者:JASPIC ソフトウェアプロダクトライン分科会
          筒井 賢(オムロンソフトウェア)
          林 好一(SRA)
         遠藤 潔(日立ソリューションズ)
  主  催:日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
  日  時:2018年3月22日(木) 18:30-20:30
  場  所:港勤労福祉会館(田町) 第一洋室
  http://www.city.minato.tokyo.jp/shisetsu/shokokaikan/kinrofukushi/01.html

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 ◆2. 分科会の活動紹介
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JASPICでは、あるテーマに対して、興味を持つメンバが集まり、一年
間にわたって議論する場として分科会を作り、その中で自分たちで計
画をたて、議論を深めるという活動を実施しています。この活動で作
成した成果物は、JASPIC会員企業のメンバが活用できるように提供さ
れます。また、その成果は、SPI Japan などでJASPIC会員企業以外に
オープンに公開していきます。

2018年度(2017年12月~2018年11月)は、次の15の分科会です。

・SPI推進課題分科会
・ソフトウェアプロセス改善知識網分科会
・Statistical Process Control分科会
・SPI現場ノウハウ交換分科会
・コア・コンピテント・チーム研究会
・プロダクトライン分科会
・人材育成(People Process)分科会
・関西分科会
・要件定義プロセス分科会
・プロセス改善戦略分科会
・IDEALモデル実践研究分科会
・ECQA連携検討分科会
・オフショア分科会
・アジャイル分科会
・プロセス改善への機械学習応用分科会

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 ◆3. コラム:「改善のギアが力強く回りはじめた事例からの学び
                ~相手を信じてぶつかり、こころを動かす~」
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このコラムを読まれている方の中には、改善を始めてみたけどうまく
いかずに悩んでる方や、これから自ら飛び込もうと密かに決心したば
かりの方もいらっしゃると思います。5、6年前くらいの私もそうでし
た。執筆のお話をいただいた頃にはプロダクトもプロセスも大きく変
わり、組織も成長したのを皆で実感できるようになっていました。
それらの活動は大変でしたが学べたことは大きく、進め方に関心を持
たれることが増えた時期でした。そうした背景もあり今回のコラムで
は、過去の自分と同じような境遇にある方へ、エールを送るつもりで
書いてみようと思います。
 
数年間の活動を振り返ってみて最も大切な教訓だったのは、
「プロセスと技術の両輪は、こころを動かす燃料がなければ進まない」
ということでした。
 
私自身は、いくつかの開発プロジェクトやサービスを提供する仕事な
どを経験したあと、独学や社外で身につけたものを社内で広めていく
サイクルをいくつかの分野で経験しました。ソフトウェアテスト、レ
ビュー、製品マニュアル作成(テクニカルライティング)、その翻訳な
どです。

ここでこれらの分野を眺めてみて、どのような感想を持たれるでしょ
うか。いわゆる「開発」の外側にある分野、といった印象ではないで
しょうか。実際、多くの開発者にはなかなか興味を持ってもらえませ
ん。どちらかというと煙たがられる領域です。そこを改善しようなん
て言い出そうものならどうなるか…。読者のみなさんなら想像に難く
ないと思います。日本ではあまり開発現場に浸透していないことが多
い分野のようで、どのように進めていくかも手探り状態でした。

余談ですが、なんでまたこんな分野ばかり手を出してしまったのかと
思うこともありましたが、共通している側面が多いため、必然だった
のかもしれません。
 
ご想像のとおり、自分ではその必要性や副次的な効果、その先に目指
すところなどが見えていても、はじめはなかなか理解を得られず、ど
うやったらよいのかと思い悩む日々でした。それでも黙々と自分にで
きることをやっていくうちに、理解やサポートを受けられるようにな
っていきました。ただ、意見の衝突や抵抗勢力と向き合う時期はどう
してもやってきます。この時期はなかなか大変なので、そこで引き返
してしまいたくなるのですが、いくつか経験するうちにとても大切な
時期だと考えるようになりました。
 
なぜかというと、この時期には自分が知らなかった背景や事情、ホン
ネなどがたくさん見えてくることが多いからです。「実はこういう理
由でそれをやるのは難しい」「○○の立場からすると、ここはちょっ
と違うと思う」など。そういう意見に耳を傾けつつ、どうすればよい
のかを検討していくと、お互いの軸のブレを修正していくことができ
ました。同じ方向を向いていると思っていてもわずかなブレがあって、
それが実は大きな違いや溝になることもありました。
 
そうしたやりとりを続ける中で、自分は敵ではなく味方で同じ方向を
向いて一緒に進もうとしている、ということも理解してもらえように
なっていきます。後半や終わってみると良き協力者になってくれるこ
とも多いです。それぞれが困っていたことを出し合うと、実はこちら
で解決できる技術を持っていたり相手が動いてくれたりして、急に数
歩前へ進むことがあります。こういう協働作業があると一体感も生ま
れていきます。そこまでいかなかったとしても、できる範囲で協力し
ている相手も協力してくれるようになるように思います。
 
そうこうしているうちに自分たちで効果を体感できるようになってい
きます。改善したことをグラフなどを使ってフィードバックしていく
と、自発的にさらに上を目指し始める現象が起きました。中途半端な
ことは技術者のプライドが許さないのか、他との競争心が働くのか。
ここまで来ると、こちらが何かしなくても改善のギアはぐいぐい回り
始めます。それまでほぼ同じようなプロセスと技術で取り組んでもび
くともしなかったのが、突然ギアチェンジして勢いよく回り始めたの
を見たときは驚きました。同時に、本当の意味で寄り添ってやる気を
引き出せていなかったんだな、と反省しました。
 
改善を推進する立場は、ときにはケンカしたり嫌な役回りを買って出
ないといけないこともあります。その時期を乗り越えられる気がしな
い、という声ももちろん多いです。それでも、勇気と信念をもって進
んでみてほしいなと思います。押し付けや「あいつらが悪い」という
姿勢ではうまくいかないですが、同じ方向を向いている味方として寄
り添えば、気持ちはきっと伝わります。あとで振り返ってみればお互
い感謝しているという経験は、とても強い武器になります。

最後に、なぜそのような大きな時期を乗り越えられるようになったか
を聞かれることがあります。それは、すでに同じような道を通ってき
た先人たちから激励の言葉をいただいたからです。

このコラムが次の誰かへバトンタッチできたら幸いです。
 
藤崎 祐美子
Test Engineer's Forum 北海道 (TEF道)
https://ameblo.jp/tef-do/


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 ◆4. SPI Japan 2018 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2018)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2018年10月10日(水)~12日(金)
  ■場所:ウインクあいち(愛知県名古屋市)
          http://www.winc-aichi.jp/

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は下記URLにて、追ってご案内
いたします。

http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2018/

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
寒い日が続いておりますが、体調管理はできていますか?
冬によく食べるものと言えば、お鍋。太りやすい冬に、野菜たっぷり
低カロリーで、更に作る手間がかからないお鍋は大変助かります。
我が家のお鍋は、キノコ類をたくさん入れますが、調理の際、気にな
るのがシイタケの煮え具合です。以前、焼肉をした際に食べたシイタ
ケで、家族がシイタケ病(シイタケ皮膚炎)になってしまい、数日間全
身痒くなり、大変な思いをしていました。原因は不明のようですが、
アルコールと生っぽいシイタケでなることが多いとのことですので、
アルコール好きの方はご注意ください。
2月2日のグラウンドホッグデーで、冬はあと6週間とのお告げがあった
とのニュースがありました。3月16日に寒さが終わることを信じて、も
う少しの辛抱。美味しいお鍋で残りの期間を乗り切りたいと思います。

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 JASPIC メルマガ 2018年2月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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