━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ JASPIC メルマガ 2022年12月号 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。 * SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善 ─────────────────────────────── ◆目次 ─────────────────────────────── 1. これから開催するイベント 2. 分科会の紹介:関西分科会 3. コラム:菅原 広行 「プロダクトマネージャが求められる時代」 4. SPI Japan 2022を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~ 5. SPI Japan 2023のご案内 6. 会員募集 ─────────────────────────────── ◆1. これから開催するイベント ─────────────────────────────── JASPICの新年度は12月から開始となります。今年度は下記のイベント を予定しております。 ●JASPIC例会(JASPIC会員限定です) 開催日程:2/17(金)、4/11(火)、 7/13(木)、11/7(火)、12/13(水) ●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です) 開催日程:6月予定 ●SPIトワイライトフォーラム 開催時期:未定 ●SPI Japan 2023 開催日程:10/11(水)~13(金) 開催場所:朱鷺メッセ(新潟県新潟市) ※COVID-19などの状況によってオンライン開催なども検討します。 ─────────────────────────────── ◆2. 分科会の紹介:関西分科会 ─────────────────────────────── JASPICでは、あるテーマに対して興味を持つメンバが集まり、 一年間にわたって議論する場として分科会があります。 その中から今回は関西分科会の紹介をさせていただきます。 *オンライン化に伴い「SPI理想可視化分科会」と呼称する 関西分科会は、ソフトウェアプロセス改善の悩み、対話を関 西で実施したい!という目的で設立した分科会です。今年度 から12名の会員がいます。メンバーの悩みややりたいことか らテーマを選定、そのテーマについての知見を対話します。 ソフト開発やプロセス改善の理想は何か?をメンバで話しソ フトのプロセス改善アイデアを持ち帰り、スキル向上するこ とを活動目的としています。去年度はSPIに関するもやもや を集めて対話する、品質保証の品と質、アジャイルに関する ゲンジツ的な悩み相談、アジャイルのいい事悪い事などをメ ンバで対話してきました。メンバの多様な視点に触れ、いい 気付きになりました。今年度も、いい気づきを得られるよう に多様性を尊重しつつ活動を続けていきたいと考えています !! *今年度のテーマは、SPIの近未来を予測してみる。です。 日本のプロセス改善と海外のプロセス改善の現状を調べ、日 本のプロセス改善の方向を未来予測してみたり、他の分科会 を見て、SPIの方向性を予想しマッピングをします。今年度 も、10回程度の定例会を予定しオンラインとリアルのハイブ リットで開催します。関西在住でなくてOK!関西にゆかりの ある方、関西に関係ないがSPIの未来に興味があり悩みをあ げていただける方は是非関西分科会にご参加を!SPI人財の よりよい未来、明るい未来に向かって、楽しく活動できるよ う一緒に頑張っていきましょう! !注!ある仕掛けに気づいた方は、ぜひ関西分科会に! ─────────────────────────────── ◆3. コラム:「プロダクトマネージャが求められる時代」 ─────────────────────────────── あるソリューションビジネスの立ち上げに関わっており、プロダクト マーケットフィットの達成を目指して頑張っている。 この事業立ち上げにあたっては、会社の承認を得て、予算を獲得する 必要があるから、ビジネスケースを練り上げ、ロードマップを作成す る。ビジネスケースでは、どれだけの費用と時間がかかり、どれだけ の利益が得られるのかを語るが、実のところ、ソリューションの出来 にかかっており、鉛筆なめなめレベルの確度でしかなかったりする。 ここで運良く会社の承認が得られたとしよう。そのロードマップから、 ユーザストーリーや要求仕様書が作成され、開発チームにインプット される。開発チームは、与えられた要求を基にアジャイル開発をスタ ートする。クラウドサービス開発チームはスクラムを実践し数週間の スプリントをまわす。デバイス開発チームはハードウェア開発と合わ せてウォーターフォール型で進めるかもしれない。いずれにしても、 アジャイル開発が関わってくるのはこの段階からという企業も少なく ないのではないか。しかし、時間と人をかけて開発し、いざ顧客実証 すると、想定した程、顧客は価値を感じてくれない。 私が実際に目にしたプロジェクトの事例です。みなさんのところでも こういった事例はないでしょうか。 一見アジャイルを適用しているのに、やはりリスクが最後にきている。 やってみないとわからないケースでも、ビジネスケースを正として、 成功前提で進められる。開発チームは、最初に決められた要求の実装 者にしかなり得ない…。 今回のコラムでは、こういった状況に対して、ヒントを与えてくれる かもしれない1冊を紹介します。 「INSPIRED」(マーティー・ケーガン著)です。 2019年初版ですので、JASPICのメルマガ読者は、既に読まれていらっ しゃる方も多いのではと思います。 この書籍では、最初に、成熟したIT企業の製品開発に共通する以下の 3つの原則が述べられています。 (1)リスクには最後ではなく最初に取り組むこと リスクには、顧客が購入するかの「価値のリスク」、ユーザが使い 方を分かるかの「ユーザビリティのリスク」、必要なものを作れるか どうかの「実現可能性のリスク」、ソリューションが販売・マーケ ティング・財務・法律等のビジネスの様々な領域で問題が無いかとい う「事業実現性のリスク」が含まれます。 (2)製品の定義付けとデザインは、順を追ってではなく、協調させなが ら同時に実行されること 要求分析、設計、実装といった流れで開発する場合、それは先行す る工程の実施者の制約や決定に従って、仕事をすることになります。 今日の優れた開発チームではこれらの担当者が持ちつ持たれつの関係 で協調して仕事をし、ソリューションを創出します。 (3)機能を実装するのではなく、問題を解決すること 従来の製品開発は、アウトプットにこだわっていました。優れた 開発チームは、ソリューションの実装だけでなく、それが根底にある 問題を解決することに重きをおきます。 これらを成功させるうえではプロダクトマネジメントが重要となりま すが、本書は、優れたプロダクトマネージャになるためのエッセンス、 ヒントが詰まっていますので、特に昨今のITのプロダクトマネジメン トに課題を感じている方には気づきを与えてくれるかもしれません。 私は社内では品質保証の役割を担っていますので、品質保証組織の関 わりが気になるところです。アジャイルQAにあるOne Teamの考えは、 協調して仕事をし、ソリューションを考え出す(というよりは、「リ スクを最適化する」でしょうか)につながるのではと思いますが、こ ちらはまた別の機会にお話できればと思います。 菅原 広行 ************************************************************** 本欄のコラムを執筆していただける方、大募集します! ~SPI活動を通じて感じたこと、気づいたことをみなさんと共有 してみませんか?~ 執筆希望の方は下記の執筆要領をご確認の上【タイトル】【本文】 【氏名】を以下の宛先まで送付ください。 ※内容については必要に応じて体裁調整などの修正を行う場合が ありますことをご了承ください。 ◆執筆要領 ・1400文字前後(1行あたり全角31文字×45行程度)を目安 ・フォーマットは自由(wordやテキスト、メール本文でOK) ・著作権上の問題をクリアし、他ブログやサイトなどに掲載 されていないもの ・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能 ◆宛先 PR-infoアットjaspic.org 執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。 皆様の活発な投稿をお待ちしております! 執筆して頂いた方には、JASPICロゴマーク入りの「測量野帳」をプレ ゼントいたします。 https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/fieldnote/lineup/ ************************************************************** ─────────────────────────────── ◆4. SPI Japan 2022を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~ ─────────────────────────────── 10月5日から7日まで、SPI Japan 2022 ソフトウェアプロセス改善カン ファレンスを開催しました。今年で3回目のオンライン開催となりまし たが、たくさんの方々にご参加いただき、本当にありがとうございま した。 今年のテーマは、 「つづける ~カイゼンへの情熱を胸に未来へ踏み出そう!~」 でした。 ・基調講演ではゴールシステムコンサルティング株式会社の村上悟様 より、トヨタを事例に現場改善とTOCの実践的な知識についてご講演 いただき、基本に戻って「カイゼン」とは何かを考える良い機会とな りました。また、チャットによる質疑応答も盛り上がり大変好評でし た。 ・みんなでディスカッション、コミュニケーション広場では、昨年に 続けてoVice環境を利用して、議論や意見交換を行いました。2回目と 言うことや接続確認の事前案内、Day 0(無料プレイベント)などで ツールへの慣れも出て議論に集中できた方も多かったと思います。 「生々しい実情や取組みが聞けた」、「他社の方と事例を会話できて 有意義」との感想があり、オンラインでもリアル開催と同様に交流で きていることを実感しました。 ・一般発表では昨年も好評だった発表者交流会を継続し、今年も発表 者と深く会話できる場を設けました。発表者からは「たくさんの方に 来ていただいて意見交換ができた」、聴講者からは「その場で更なる 改善を議論できて充実した」など、期待以上の評価をいただきました。 ・トーク&納得セッションでは、JASPIC分科会のワークショップを含め 5つのセッションを並行開催し、多くの方々に参加いただき、それぞれ のテーマで「納得感」を持ち帰りいただけたと思います。 分科会へのお問い合わせや参加希望は、事務局までお願いします。 ・招待講演、ミニパネルディスカッションではメディアアーティスト の落合陽一様にご自身の研究内容とデジタル技術がどのように変化し てプロセス改善に関わるのかを"新しい視点"でご講演いただきました。 また、ミニパネルディスカッションにより、パネラーによる解釈が加 わったことで今後の活動のヒントに繋がったのではないでしょうか。 SPI Japan 2022はオンライン開催であってもツールの有効活用による 現地開催並みの参加者間交流の実現、SNSによる情報発信、Day 0開催 や見逃し配信などにチャレンジしました。テーマに掲げたとおり、参 加されたみなさまが改善を「つづける」ためのヒントを得て、それぞ れの現場で情熱を持って改善に取組むことに少しでも貢献できたのな らばスタッフ一同大変うれしく思います。 また、基調講演や一般発表の発表資料は、以下のリンクから参照可能 です。参加された方も、参加できなかった方も変化する環境に適応す るために知識と経験を大事にし、未来に向けて積極的に学び続けて行 きましょう。 https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2022/ 最後になりますが、今回のカンファレンスに参加された皆様、ご協力、 ご支援いただきました方々に対し、御礼申し上げます。 来年は現地開催により、同じ空間で想いを共有できることを楽しみに しています。SPI Japan 2023 でお会いしましょう。 SPI Japan 2022 実行委員長 武田 治紀 副実行委員長 池田 浩明 プログラム委員一同 ─────────────────────────────── ◆5. SPI Japan 2023 のご案内 ─────────────────────────────── 毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2023)の開催についてお知 らせいたします。 ■日程:2023年10月11日(水)~13日(金) ■場所:朱鷺メッセ(新潟県新潟市)(オンライン併催も検討中) 皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディスカッ ションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。 https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2023/ ─────────────────────────────── ◆6. 会員募集 ─────────────────────────────── JASPICは、現在、17社の法人会員および個人の会員によって構成され ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという 法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。 詳しくは、次のサイトを参照してください。 ■入会について https://www.jaspic.org/organization/join_us/ ■会員と運営体制 https://www.jaspic.org/organization/members/ ─────────────────────────────── ◆編集後記 ─────────────────────────────── メルマガ編集担当のA.Kです。 12月も20日を過ぎ、だいぶ寒くなってきました。JASPICは12月が年度 始めです。キックオフの日は、日中に定期総会、第1回例会を行い、 夜に懇親会というのが流れです。(キックオフってサッカー用語でしょ うが、普通に使いますよね。アルゼンチン、おめでとうございます!) コロナ前は対面での会合・懇親会でしたが、ここ2年はオンライン開催。 今年も日中はオンラインでしたが、懇親会はハイブリッド開催にチャ レンジしてみました。ハイブリッドというのは、サテライト会場に少 人数が集まって、そこから全体のオンライン懇親会に参加するという ものです。ネットが使える場所を借りて、食べ物を持ち込みます。今 回は東京と大阪にサテライト会場があり、私は東京会場から参加して みました。久しぶりに対面でJASPICのメンバーと会うことができ、と ても盛り上がりました。会場内で盛り上がり過ぎて、オンライン側と の会話が少なくなってしまったのは課題ですね。これからwithコロナ が本格化すると思いますが、会合はオンラインと対面のハイブリッド が主流になるかもしれません。ハイブリッド会合のやり方もいろいろ 試してみる必要がありそうです。 買い出しで"カヌレ"をこっそり買い物カゴに入れたのは、ここだけの 話です。 今年も一年メルマガにお付き合いいただきありがとうございました。 すてきな年末年始をお過ごしください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JASPIC メルマガ 2022年12月号 発行:日本SPIコンソーシアム https://www.jaspic.org/ お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━