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 ◆ JASPIC メルマガ 2022年2月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. 新理事長ご挨拶:「JASPIC 3代目理事長就任にあたって」
 2. 2022年度分科会の紹介
 3. 分科会の紹介:SPI現場ノウハウ交換分科会
 4. SPI Japan 2022のご案内
 5. 会員募集

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 ◆1. 新理事長ご挨拶:「JASPIC 3代目理事長就任にあたって」
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2021年12月の総会で理事長に任命頂いた端山です。

2000年10月に東京ステーションホテルの厳かな会議室で開催された
JASPIC設立総会にも参加していましたが、研究員としての活動レベル
が低かったのでご存じない方も多いかと思います。この10年ほどは理
事としてJASPICの中長期的な方針の議論に参加してきました。

長年情報システム開発のプロセス改善に取り組んできたので、日常の
プロセスも気になります。例えば、病院の待合室にいるときや空港で
並んでいるときに、このプロセスは最適か?と疑問が湧いてきます。
また、献血によく行くのですが、献血センターによって対応が異なる
のが不思議でした。さらに、会社内にある複数の社員食堂は、同じ構
造の空間なのに、運営者によってレジ、ティーサーバー、調味料や箸
などの配置が異なり、食器の返却方法も異なります。同じ機能を果た
すなら、最適化していくと同じプロセスにたどり着くかと思いますが、
実際には異なるのです。

「汎用的に最適なプロセスは存在しない」というのが私の結論です。
業務内容、設備と装置、利用者の性質など、ある限定された条件に合
わせてプロセスを最適化していくと、個別の進化を遂げるからだと思
います。この2年間、感染者対応やワクチン接種など、世界中で様々な
プロセスを定義し、試行錯誤を経て改善する活動が行われたはずです。
報道によれは国ごとに対応はまちまちです。日本でも国が方針を示す
たびに、自治体や国民から反発の声が上がります。つまり、みんな事
情があるのです。統一や標準化は必ずしも効率的ではないようです。

社会環境、利用できる技術、商品の特徴、顧客の嗜好などに依存して
プロセスは変わらざるを得ない宿命にあります。ある状況下で苦労し
て決めたプロセスが、環境変化によって無用になることもあります。
定常状態では効果的なことが、事件・事故の際に問題を深刻化させる
こともあります。さらには、あるべきプロセスを無視して突貫工事で
開発した情報システムが、期待はずれの無用の長物になることもあり
ます。状況に適合したプロセスを定義し効果的に運用していくには、
過去の経験から汎化し標準化された知識に基づいて、将来を見通して
具体的なプロセスを定義し改善していく適応力が必要です。

銀塩フィルムがなくなり、CDやDVDが廃れてオンライン配信が広まった
ように、ガソリンエンジンも縮小していきそうで、社会は変化し続け
ます。デジタル技術が多くの事業の成否を左右するようになり、ソフ
トウェア開発の現場も大きく変わりつつあります。JASPICを取り巻く
環境も会員のニーズも20年を経て様変わりし、さらに変化し続けてい
きます。

プロセス改善は、ソフトウェア開発に留まらず様々なビジネスに有用
で、社会の発展と人類の幸福に貢献できる技術です。プロセス改善は
誰にでもできますが、多面的な能力を求められる深遠な専門領域でも
あります。集団の力を成果に結実させるには、プロセス改善の知識と
経験を持った人達が適切に配置され、各部署で高い技量を発揮して状
況に合ったプロセスを定義し改善していく必要があります。プロセス
改善の知識を蓄積し技量を研ぎ澄まし、より多くの人がその効果を享
受できるように、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。

端山毅(はやまたけし)

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 ◆2. 2022年度分科会の紹介
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JASPICでは、あるテーマに対して、興味を持つメンバが集まり、一年
間にわたって議論する場として分科会を作り、その中で自分たちで計
画をたて、議論を深めるという活動を実施しています。この活動で作
成した成果物は、JASPIC会員企業のメンバが活用できるように提供さ
れます。また、その成果は、SPI Japan などでJASPIC会員企業以外に
オープンに公開していきます。

2022年度(2021年12月~2022年11月)は、次の13の分科会です。

・SPI推進課題分科会
・SPI事例研究分科会
・ソフトウェアプロセスデータ実践分科会(コミュニティ)
・SPI現場ノウハウ交換分科会
・コア・コンピテント・チーム研究会
・プロダクトライン分科会
・人材育成分科会
・関西分科会(SPI理想可視化分科会)
・要件定義プロセス分科会
・プロセス改善戦略分科会
・IDEALモデル実践研究分科会
・オフショア分科会
・アジャイル分科会

分科会にのみ参加することができる分科会会員制度もあります。体験
入会もございますので、分科会に興味のある方、入会を希望される方
はお気軽にJASPIC事務局にお問い合わせをお願いいたします。

JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org

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 ◆3. 分科会の紹介:SPI現場ノウハウ交換分科会
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SPI現場ノウハウ交換分科会(略称:ノウハウ分科会)は20年以上の歴
史を誇る老舗の分科会です。

【活動の目的】
CMMI、ISO規格等のモデルや標準に基づくプロセス改善全般の実践的活
用事例等を研究します。

【過去の研究】
当分科会の活動成果(プロセス改善活動のノウハウ共有)を『SPI現場
ノウハウ活用ハンドブック』としてまとめています。

【現在の研究】
ISO15288:2015/JIS X 0170:2020をベースに、これまでに作成されたハ
ンドブックを叩き台にして実践的解釈と研究およびハンドブック改善
を行います。
具体的には、CMMI2.0やISO規格、PMBOK第7版等のフレームワークのプ
ラクティスを読み解き、ハンドブックと対比をすることでプロセス改
善活動の理解を深めていきます。
今年度は手始めにPMBOK第7版を読み解き、最新のデファクトスタン
ダードや国際規格の動向を調査します。

【最後に】
各社のSPI活動の実態を知ることができる貴重な機会が得られます。
一緒に考えていただける方は是非メンバーとしてのご参加をご検討く
ださい。

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 ◆4. SPI Japan 2022 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2022)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2022年10月5日(水)~7日(金)
  ■場所:タワーホール船堀(東京都江戸川区)
          https://www.towerhall.jp/
     ※COVID-19などの状況によってオンライン開催なども検討
     します。

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。

http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2022/

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 ◆5. 会員募集
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JASPICは、現在、16社の法人会員および個人の会員によって構成され
ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという
法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。

  ■入会について
    http://www.jaspic.org/organization/join_us/
  ■会員と運営体制
    http://www.jaspic.org/organization/members/

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
北京冬季オリンピックが終わったばかりですが、皆さんはテレビ観戦
をしたでしょうか。東京オリンピックに続いて、アジア開催だったの
で、競技時刻が深夜にならず、観戦しやすかったですね。日本人がメ
ダルを取るとやっぱり嬉しくなり、メダルが増える毎に観戦時間が増
えていきましたが、寝不足にならず良かったです。オリンピック選手
の出身地を知ると冬の食べ物や日本酒の美味しいところばかりだなぁ
といつもの食いしん坊発想になってしまいました。以前はおでんの話
をしましたが、ウニや毛ガニも実は大好物。ふるさと納税の返礼品と
していることも多いので、選手の地元を応援しつつ、自分も楽しめま
すね。コロナ禍の収束までもう少し自宅グルメを楽しもうと思います。

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 JASPIC メルマガ 2022年2月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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