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 ◆ JASPIC メルマガ 2018年4月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. CMMI v2.0に関するお知らせ
 3. イベント実施報告: SPIトワイライトフォーラム 2018年3月
 4. コラム:池田 暁(ASTER)
           「盛り上がりを増すソフトウェアテストプロセスの
             改善技術分野」
 5. SPI Japan 2018 発表募集のご案内

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 ◆1. これから開催するイベント
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●SPIトワイライトフォーラム
  「人工知能の品質保証」
  http://www.jaspic.org/events/twilight/2018-05/

  発表者:細川 宣啓(日本アイビーエム株式会社)
  主  催:日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
  日  時:2018年5月22日(火) 18:30-20:30
  場  所:港勤労福祉会館(田町) 第一洋室
  http://www.city.minato.tokyo.jp/shisetsu/shokokaikan/kinrofukushi/01.html

●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です)
  日  時:2018年6月1日(金)13:00 ~ 6月2日(土)15:00
  場  所:静岡県掛川市
  内  容:1. 議論&納得セッション
        :2. 講演
             宇都宮大学 尾崎教授、JASPIC 赤坂理事長
             など

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 ◆2. CMMI v2.0に関するお知らせ
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CMMI(Capability Maturity Model Integration)のv2.0がリリースされ
ました。

・3/28にCMMI v2.0(英文)がリリースされました。
  https://cmmiinstitute.com/cmmi/dev

  モデル、評定手法、トレーニングがv2.0にアップグレードされています。
  なお、3/28のリリースは、CMMI-DEV(開発のためのCMMI)部分だけで、
  その他の分野(SVC、ACQ)は含まれていません。
 
・新しいモデルは、ウェブ上で参照可能です。

  なお、v1.3ではモデルがPDF形式で無償配布されていましたが、
  V2.0からは原則として個人単位の有償ライセンスとなっています。

・詳細は、次回のメルマガにてお知らせいたします。

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 ◆3. イベント実施報告: SPIトワイライトフォーラム 2018年3月
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今年度最初のSPIトワイライトフォーラムは、JASPICからの発信テーマ
として、ソフトウェアプロダクトライン分科会の筒井さん、林さん、
遠藤さんに「派生開発におけるベースシステムからコア資産への進化」
というタイトルで発表頂きました。

派生開発によって得られた資産を、複数システム(製品)で繰り返し
再利用するためのソフトウェア資産(コア資産)に進化させるために
はどうしたら良いか、という課題に対し、具体的な例をもとに進化の
ストーリーが示されました。

① 派生開発時に「どこに」「なにを」「どうした(追加/変更/削除)」
を捉えること
② 派生開発を繰り返す都度、そのコード差分と要求仕様の差分をため
ていくこと
③ ②をフィーチャーモデルで論理的な違いとして捉え直すこと

これらを繰り返すことによって、コア資産が充実していくことが述べ
られました。

当日の発表スライドは、次のURLで参照できます。プロダクトライン
に取り組もうとされる方には大変参考になる資料ですので、是非参照
してください。

http://www.jaspic.org/wordpress/wp-content/uploads/JASPIC_SPI-TwilightForum_20180322.pdf

フォーラム終了後は、恒例の懇親会で更に盛り上がりました!

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 ◆4. コラム:「盛り上がりを増すソフトウェアテストプロセスの
                改善技術分野」
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プロセス改善は開発プロセスやコミュニケーション等広範囲にわたり
ますがここ数年海外だけでなく国内でもソフトウェアテストのプロセ
スについて、プロセス改善の議論が盛り上がっています。今年3月に
開催されたテストのシンポジウムである JaSST'18 Tokyo でもテスト
プロセス改善入門者向けのセッションや、テストプロセス改善技術の
一つである TPI NEXT についての論文発表やワークショップが実施さ
れました。本コラムではこのテストプロセス改善に関する技術を簡単
にご紹介したいと思います。

テストプロセス改善技術(テストプロセス改善モデル)と呼ばれる技術
は現在のところ海外を中心に発展しており、現在有力なものとして
TMMi、TPI NEXT、ISO/IEC33063の三つが挙げられます。

TMMi(Testing Maturity Model integration)は TMMi Foundation に
よってメンテナンスされています。CMMI のテストプロセス部分を補
完するもので、モデル構造等は CMMI のそれをイメージしていただけ
ればよいでしょう。成熟度レベルはレベル1からレベル5で、15個のプ
ロセスエリアを持ち、組織の成熟度をマッピングすることができます。
TMMi の文書は無料公開されていますので参照すると良いでしょう。

TPI NEXT はオランダの SOGETI社によってメンテナンスされています。
前身となる TPI も含めて日本語版書籍が販売されているので情報は
入手しやすいでしょう。16個のキーエリアに対して4レベルの成熟度
をマッピングすることができます。クラスタという特徴的な仕組みを
持ち、これによって改善のロードマップが示されたりカスタマイズし
たりすることができ、自己改善に役立てることができます。

ISO/IEC33063 は ISO および IEC により策定された国際規格です。テ
ストプロセスに関する国際規格である ISO/IEC/IEEE29119 の Part 4
として策定されています。13個のプロセスに対して、レベル0からレベ
ル5の成熟度をマッピングすることができます。ISO/IEC/IEEE29119 を
採用しているプロジェクトにおいてはそのプロセス成熟度を測りプロ
セス改善を進めていくのに役に立つでしょう。

これらの技術はそれぞれ特徴がありますが、共通しているのはアセス
メントを行って自分たちの組織のテストプロセスの状況を可視化・把
握し、強み・弱みを明らかにすることです。弱みは改善し、強みをさ
らに延ばすことで、テストプロセスが改善し、プロジェクトの QCD の
改善に貢献していきます。

私が所属している ASTER では、テストプロセス改善研究会を作り、技
術について議論を深めたり、ガイドをの作成やシンポジウムでの発表、
メンバー各自による事例作りにも取り組んでいます。

これまであまりなじみがなかったという方も、この機会に是非テスト
プロセスについても情報収集やご自身での適用にチャレンジしていた
だけますと幸いです。

池田 暁(ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER))

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 ◆5. SPI Japan 2018 発表募集のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2018)本会議の発表募集を
開始しました!

  ■日程:2018年10月10日(水)~12日(金)
  ■場所:ウインクあいち(愛知県名古屋市)
          http://www.winc-aichi.jp/


今年のテーマは

「挑む」  ~  Chance  Challenge  Change ~

です。

SPI Japanで挑戦(Challenge)し、さらに飛躍し自ら変わる(Change)
機会(Chance)にしていただきたい。
そのような想いを込めて本テーマを設定いたしました。

名古屋で皆様の熱い想いを届けてみませんか?

SPI Japanは発表者と参加者(そして我々も)がお互いを高め合える場所
です。改善に関わる参加者の方々全員でWin-Winの関係を作りましょう。
それがきっと、皆様や現場に還元されると信じています。

当カンファレンスでは、皆様の発表を心よりお待ちしております。
締め切りは5月31日(木)を予定しています。
詳しくは、SPI Japan 2018のホームページをご覧ください。 

http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2018/

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。

新年度が始まりましたが、早くもゴールデンウィークが目前に迫って
いますね。

先日、私は一足先に友人とアメリカのサンフランシスコに行ってきま
した。

サンフランシスコは太陽の下、晴天が多いイメージですよね。
ところが今の時期は雨季で雨の日が多いのです。空港に着陸した際、
土砂降りの雨でびっくりしました。

その晩の天気予報では滞在期間中全て雨予報でがっかりしたのですが、
3日目の昼からようやく太陽が覗きはじめ、サンフランシスコらしい風
景を楽しむことができました。

やはり気になる(笑)現地の食ですが噂に違わず、シーフードがとても
美味しかったです。クラブ(カニ)のサンドイッチや、オイスター、ク
ラムチャウダーなど、百聞は一見いえ、一食にしかず、です。それぞ
れ、フィッシャーマンズワーフやフェリービルディングで濃厚な味を
満喫しました。

また、ブルーボトルコーヒーやダンデライオンのチョコレートなど、
最近日本でもおなじみになってきたお店の本店もあります。特にダン
デライオンのチョコレートは産地やカカオの配合率など様々なチョコ
レートのサンプルがあり、香りを楽しんだり実際に試食しながら買い
物ができますので好みにあったお土産が選べます。

グルメの話ばかりになってしましたが、ケーブルカーで急坂を上りきっ
た時の海の光景は本当にきれいでした。いつか再訪したいと思います。

なお、滞在5日中天気予報が当たった日は1日だけでした。日本の天気
予報のありがたみを感じた旅でした。

ゴールデンウィークは朝晩の気温の変化がまだまだ大きい季節ですの
でお体にお気をつけてリフレッシュくださいね。
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 JASPIC メルマガ 2018年4月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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