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 ◆ JASPIC メルマガ 2016年12月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. イベント実施報告:SPIトワイライトフォーラム  2016年11月
 3. コラム:大場 みち子(公立はこだて未来大学)
           「映画鑑賞のプロセス改善」
 4. SPI Japan 2016を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
 5. SPI Japan 2017のご案内

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 ◆1. これから開催するイベント
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JASPICの新年度は12月から開始となります。今年度は下記のイベント
を予定しております。

●JASPIC例会(JASPIC会員限定です)
  実施日時:2/10(金)、4/13(木)、 7/12(水)、11/7(火)、12/12(火)

●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です)
  開催時期:6月中旬頃を予定

●SPIトワイライトフォーラム
  開催時期:年3~4回程度予定(日時未定)

●SPI Japan 2017(東京都江戸川区 タワーホール船堀)
  開催日程:10/11(水)~13(金)

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 ◆2. イベント実施報告:SPIトワイライトフォーラム  2016年11月
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今回のテーマは「アジャイル体験」でした。講演者は、富士通マーケ
ティングの松浦豪一さんです。今回は、JASPIC会員企業向けに開催
し、関西に拠点を置く会社や部門から15名が参加しました。アジャイ
ル開発を進めるために実施する教育においては、次の6つのポイント
を実践し、理解することが大切です。

1. 優先順位で開発する
2. 繰返開発でデグレードをさせない対策を考える
3. 利用者視点で開発する
4. 計画を変更する
5. すべては予測できない
6. プラクティスを体験することで理解度を深める

「アジャイル体験」では、“ユーザストーリに従いドミノと折り紙を
使った公園作り”をとおして、上記1、4、5、及び6の一部が体験でき
る内容になっていました。例えば、「1. 優先順位で開発する」では、
「すべての開発項目を終わらせるまでやるという習慣になっており、
価値の高いもの早くリリースするという考えがない。失敗することで
アジャイル開発になっていないことを体験する。」ことができました。

今回のトワイライトフォーラムは、5時間という長丁場でしたが、グ
ループでスプリントを複数回実施しながら、上記のポイントを体験で
きるようになっており、あっという間に過ぎてしまいました。アジャ
イル開発を実践するには、マインドセット(凝り固まった考え方)を
変える事が必要ですが、受講者にその必要性を認識してもらえる構成
になっていたと思います。スプリント終了後は、アジャイル開発全般
に関する質問をベースに、全員で議論しました。イベント終了後は、
京都の街に繰り出し、恒例の懇親会で大いに楽しみました!

当日の概要は、次のURLから参照できます。
http://www.jaspic.org/events/twilight/2016-11/

また、本テーマに関する情報は、次の論文に詳述されています:

論文名:アジャイル開発プロジェクトマネジメントに対応する人材
        育成 -改善によって成長を期待するマネジメント-
著者  :松浦 豪一(株式会社富士通マーケティング)
発行  :情報処理学会デジタルプラクティス
        Vol.7 No.3 (July 2016)
URL   :http://www.ipsj.or.jp/dp/contents/dp-mokuji.html

アジャイル開発の教育を行う際に留意すべきことがコンパクトにまと
められていると思いますので、ぜひ参考にしてください。

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 ◆3. コラム:「映画鑑賞のプロセス改善」
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日本SPIコンソーシアムはソフトウェア開発プロセスの改善活動がテ
ーマですので、映画鑑賞のプロセス改善をお題にしてみます。

さて、みなさんは映画に原作があったら、どちらを先に見ますか?
私はどちらかというと映画を見て、興味が湧いた結果原作を読むこと
が多いように思います。
今回は、原作を先に読んで映画を見るポイントを決めてから映画を鑑
賞する、見終わってからその内容をまとめるという映画鑑賞のプロセ
ス改善をご紹介します。
実施したのは7年前に遡ります。タイトルは「天使と悪魔」(ダン・
ブラウン)です。「天使と悪魔」は原作も映画もエンターテイメント
性抜群で、大変お薦めです。アマゾンのプライム会員の方は無料で見
ることができます。まだ見ていない人はネタバレにご注意下さい。

まず、原作を読んで映画鑑賞をする際の事前チェックポイントを設定
します。

私の個人的な興味として、映画を観る前のポイントはつぎの4点でした。
 1.私の大好きな海外TVドラマ「スタートレック」の話題がでるか?
 2.教皇執務室のテレビはヒタチ製か?
 3.どんでん返しは◯回か?
 4.原作との違いは?

1.私の大好きな海外TVドラマ「スタートレック」の話題がでるか?
「No.」
スイスのセルン(欧州原子核研究機構)で製造に成功し、盗まれてヴ
ァチカンに持ち込まれたものは反物質(Antimatter)。これは、スター
トレックではお馴染みですが、映画では普通の説明だけでした。USS
エンタープライズ号の燃料に利用されていて、ワープエンジンや光子
魚雷にも利用されます。

2.教皇執務室のテレビはヒタチ製か?
たぶん、「No.」
教皇執務室にはブラウン管のテレビがありましたが、メーカー名まで
わかりませんでした。原作中巻p230の冒頭では、つぎのように書かれ
ているので、期待していたのですが残念でした。
「教皇執務室のテレビは特大のヒタチ製で、机のむかいがわの壁に埋
め込まれた収納棚の一角にある。」
なお、各巻冒頭の著者注記には、「ローマの美術品、墓所、地下道、
建物に関する記述は、その位置関係の詳細も含めて、すべて事実に基
づくものである。」と。
ということは、ヴァチカンはHITACHIユーザ(たっだ?)ということ
でしょうか。現在はどうなんでしょう。

3.どんでん返しは◯回か?
ラストの大きなどんでん返しは2回でした。原作では3回です。
2つ目のどんでん返しは原作ではラングドンがからみ、スリリングと
いうより神懸かり的で映画のストーリに入れるにはスタントマンやCG
に頼らざるを得なし、コスト的な問題ですかね。
3つ目のどんでん返しを追加するにはカメレンゴの幼少時代のエピソ
ードを入れなければいけないので、カットしたのでしょう。原作の方
が驚きと感動が大きいのは言うまでもありません。私はいずれもなん
となく予想できてしまいましたが十分、エキサイティングでした。

4.原作との違いは?
これはたくさんあってすべてを書ききれません。ネタバレ満載ですが、
一部だけご紹介します。
限られた時間の中で物語を完結させ、感動を与えるには、単純化させ
ざるを得ないということをひしひしと感じました。
・ラングドン博士への依頼はヴァチカンからでしたが、原作ではセル
  ン所長から。
・反物質の製造の取りまとめのセルン科学者レオナルド・ヴェトラの
  凄惨な殺害状況を養女のヴィットリア・ヴェトラが発見しています
  が、原作ではセルン所長で、養女に至る経緯や反物質と宗教との関
  係などもほとんど語られていません。
・教皇候補者の枢機卿4名が誘拐され、1時間にひとりづつ殺して行く
  のは同じですが、殺される人数が違います。
・原作では、途中、ヴィットリア・ヴェトラが暗殺者に誘拐されます
  が映画ではカットされています。このエピソードの他、原作ではウ
  ィットリアとラングドンの絡みがたっぷりあり、ふたりの間に愛が
  芽生えますが、映画ではその種のテイストはほとんど感じられませ
  ん。ちょっぴり、残念。
・ヴァチカンの書庫に閉じこめられた際の状況と打開策が異なります。

映画鑑賞のプロセス改善の一例を紹介しました。
みなさんも、この映画鑑賞プロセスを試してみませんか?
これまでとひと味違う映画鑑賞の世界を垣間見ることができるはずです。

大場みち子(公立はこだて未来大学)

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 ◆4. SPI Japan 2016を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
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■テーマ
 「はじめる!」~その力がここにある!~

■開催概要
  日程:2016年10月12日(水)13:00 ~ 本会議
              10月14日(金)12:00
        2016年10月14日(金)13:30 ~ チュートリアル
  場所:富山国際会議場(富山県富山市) 
        https://www.ticc.co.jp/
  主催:日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
  後援:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
        富山市
        ソフトウェア技術者協会(SEA)
        日本SPICEネットワーク
        一般財団法人 日本科学技術連盟(JUSE)
        一般社団法人 PMI日本支部 
        派生開発推進協議会(AFFORDD)
        Agile Japan

  開催規模:200名(一般参加者・講師・スタッフの総数)
  http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2016/


多くの皆様にご参加いただき、10月12日から14日の3日間、SPI Japan
2016を無事に終えることができましたこと、改めまして心より感謝申
し上げます。誠にありがとうございました。

北陸新幹線が開通してますますアクセスのよくなった北陸・富山の地
で、初日からの本会議は、基調講演、アジャイル開発行動展示、一般
発表、トーク&納得セッション、パネルディスカッション、意見交換
会を、そして最終日のチュートリアルでは実践形式のワークショップ
が行われました。どのセッションも、とても役立つ内容だった、楽し
かった、来年も参加したいといった、ご意見を多くいただきました。
とても嬉しく思っています。

今年は、SPI Japan初の試みとして、初日と2日目に、会場で実際に
アジャイル開発を行い、その現場をご覧いただくことで、参加いただ
いた皆様に、アジャイル開発を通じて、リアルタイムな改善を体感し
ていただく、「アジャイル開発行動展示」を実施しました。参加いた
だいた皆様からは、日ごろ疑問に思っていたことが解消できた、とて
も有意義であったとのご意見を多くいただきました。
ご参加いただいた皆様、ご協力・ご支援いただいた皆さま、本当にあ
りがとうございました。

皆様にとって、本年のSPI Japanの活気を何かの折に思い出して頂き、
その中からあらたな活動を「はじめる」そのための原動力へとつなげ
ていただければ、とても嬉しく思います。

今年度の一般発表資料は、ホームページに掲載しております。また、
「意見交換会」で報告しましたアジャイル開発行動展示のまとめ資料
もホームページに掲載しておりますので、皆様の改善活動にお役立て
いただければ幸いです。

SPI Japan 2016
  実行委員長    千田 哲義
  副実行委員長  水田 恵子
  副実行委員長  権正 治好
  プログラム委員一同

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 ◆5. SPI Japan 2017 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2017)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2017年10月11日(水)~13日(金)
  ■場所:タワーホール船堀(東京都江戸川区)
          http://www.towerhall.jp/

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
寒い日が続き、鍋が美味しい季節になってきました。野菜もたくさん
食べられて体の芯から温まる、家族や友人同士で囲む鍋もお一人様鍋
もいいですよね。皆さんのお気に入りの鍋料理はなんでしょうか。
私はここ数年、とある有名店のお取り寄せのもつ鍋にはまっています。
人気店だと予約を取るのも大変ですが、お取り寄せなら手軽にお店の
味を楽しめるのでオススメです。
もつ鍋といえばコラーゲンが豊富なイメージがありますよね。翌朝の
プルプル美肌を期待してしまいますが、コラーゲンを食べても直接体
に吸収されるわけではないそうです。体内に入ったコラーゲンはアミ
ノ酸へと分解されてしまうそうで。残念…と思いきや、ビタミンCを
一緒に摂ることで、コラーゲンへと再合成されるアミノ酸もあるとの
こと。もつ鍋の具材であるキャベツ・ニラ・もやし・にんにくなどの
野菜にはビタミンCが豊富に含まれているので、もつと一緒に食べる
ことで美肌効果が期待できます。ということで今冬ももつ鍋をたくさ
ん食べたいと思います!

今年1年メルマガにお付き合いいただきありがとうございました。
すてきな年末年始をお過ごしください。

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 JASPIC メルマガ 2016年12月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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