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 ◆ JASPIC メルマガ 2015年12月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. これから開催するイベント
 2. イベント実施報告: TSPINとの交流会(2015年10月)
 3. コラム:八木将計(日立製作所)
           「変化に対する抵抗の6階層とプロセス改善」
 4. SPI Japan 2015を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
 5. SPI Japan 2016のご案内

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 ◆1. これから開催するイベント
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JASPICの新年度は12月から開始となります。今年度は下記のイベント
を予定しております。

●JASPIC例会(JASPIC会員限定です)
  実施日時:2/16(火)、4/13(水)、 7/14(木)、11/11(金)、12/ 9(金)

●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です)
  開催時期:5月末頃を予定

●SPIトワイライトフォーラム
  開催時期:年6回予定(日時未定)
            ※うち2回は東京以外で開催予定

●SPI Japan 2016(富山市 富山国際会議場)
  開催日程:10/12(水)~14(金)


下記イベントの開催報告がJASPIC Web ページに掲載されています。
是非ご一読ください。

●SPIトワイライトフォーラム
  「GSNを用いて設計品質を可視化してみよう」
  http://www.jaspic.org/events/twilight/2016-2/

  発表者:宇都宮 浩之、小林 展英(株式会社デンソークリエイト)
  主  催:日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
  日  時:2016年2月5日(金) 18:30-20:30
  場  所:港勤労福祉会館(田町)第一洋室
  http://www.city.minato.tokyo.jp/sangyousinkou/sangyo/chushokigyo/fukushi.html

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 ◆2. イベント実施報告: TSPINとの交流会(2015年10月)
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今年の10月に姫路で開催した SPI Japan 2015 の会期中に、TSPIN
(Taiwan Software Process Improvement Network)とJASPICの交流会
を開催しました。

これは、今年の4月頃、TSPINからJASPICに、SPI Japan に参加したい
という問い合わせをきっかけとして実現したものです。TSPINからは、
Secretary である Lo, Yin-Chia さんが来日しました。JASPIC側から
は、ネット会議からの参加者も含め、合計14名が参加しました。

交流会では、JASPICと日本におけるSPI活動の状況を説明したあと、
Lo, Yin-Chia さんから、次の2つの発表がありました。

(1) Introduction to TSPIN
(2) A Study on Adopting the Agile Software Development for
    the Project Management of CMMI ML2 Certified Small
    Software Enterprises

発表内容とその後の議論をとおして、台湾での活動状況を知ることが
できました。TSPIN のメンバは、台北、台中、高雄から構成されてい
て、毎月2回程度の頻度でミーティングを開催しているそうです。
台中で開催することが多く、台北、高雄のメンバはネット会議で参加
しているとのことでした。定期的なミーティングでのトピックはCMMI
だそうですが、最近では、Agile の話題もよく挙がっているそうです。

来年の4/22(金)-23(土)に、TSPIN 2016 annual meeting が台中で開
催される予定です。JASPICからも数名のメンバで参加する予定です。
もしTSPINの活動に興味があり、台中に行ってみたいという方は大歓
迎です! 興味のある方は、事務局までお問い合わせください。

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 ◆3. コラム:「変化に対する抵抗の6階層とプロセス改善」
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皆さま,プロセス改善で開発現場に「抵抗」されたりすることってあ
ったりしませんか?

私達が普段取り組んでいるプロセス改善活動は『改』善とあるとおり,
何らかの「変化」を伴います.そのような何らかの「変化」に対する
人の心理には,以下に示す6つの階層があるといわれています.

【第1階層】問題の存在を認めない
「問題」の捉え方の違いに起因する抵抗.そもそも「問題」とは思っ
ていないものを他者から指摘されても素直に認めることはできない.
「問題ではない」という意識は強く根深い場合が多く,抵抗の最初の
階層として位置付けられる.関係者間で別々の問題認識をしている場
合,解決そのものも実行困難である.

【第2階層】解決策の方向性に合意しない
問題の存在について合意を得た次に発生する抵抗は,解決の方向につ
いての意見の相違に起因するものである.特に複数の部門が関係する
問題では各人の所属部門の利益を優先し,解決策の方向性に抵抗を示
すことが多々発生する.

【第3階層】解決策が問題を解決するとは思わない
提案されている解決策が本当に問題を解決できるかという疑問に起因
する抵抗である.「ウチは特別だからその方法では解決できない」と
いった類いの抵抗もここに含まれる.

【第4階層】解決策を実行すると副作用が生じる
解決策の実行によって発生すると予想できる副作用も抵抗の大きな理
由となる.例えば,「実行すると効率が下る」「実行すると工数が増
える」といったものである.

【第5階層】解決策の実行を妨げる障害がある
副作用がないことがわかると,次に実行を阻害する障害の懸念が発生
する.「技術力がない」「社内ルールがあってできない」といったも
のである.

【第6階層】未知のことへの恐怖感がある
人が持つ本能的な「変化」への恐怖心に起因する抵抗である.例えば,
「実行すると何が起こるかわからないからやらない」といったもので
ある.

これらの階層には関係性があります.例えば,解決策に合意していな
い人に「この解決策は悪影響がないのですよ」と話をしても響かない
と思います.
したがって,この抵抗の6階層に対応して,下記のような順番(合意の
6ステップ)で提案をすると改善への合意を得やすくなります.

  ステップ1:問題に合意する
  ステップ2:解決策の方向性に合意する
  ステップ3:解決策で問題が解決されることに合意する
  ステップ4:解決策により重大な副作用がないことに合意する
  ステップ5:解決策の実行を妨げる障害を克服する方法に合意する
  ステップ6:未知のことへの恐怖感を克服する

私がこの合意の6ステップを用いた経験からのTIPSとして以下のよう
なことがあります.
・たとえ解決策がわかっていたとしても,ステップ1の問題の合意か
  ら始めること.ステップ1が一番難しいこと多い.
・相手の抵抗の階層がどこかを見極めて,合意を得ていくと効果的.
・ステップ1の問題に合意していないが,副作用(ステップ4)や障害
  (ステップ5)を言う人がいるので注意.
  例えば「それをやると工数が増える」などと言うが本当にそう思っ
  ているわけではなく,問題に合意しておらず,単純に門前払いをし
  たいだけの場合がある.本当にステップ4等で引掛っている場合,
  「どうしてもやりたいけどコレだけが懸念」 となっているため,
  その副作用を取り除くのに協力的になっている.

ちょっと小難しい話になりましたが,「相手が何に抵抗しているかに
合せてプロセス改善しましょう」というお話でした.
なお,私がSPI Japan 2014で発表した「マフィアオファー」という手
法が,この変化に対する抵抗の6階層(合意の6ステップ)に則した提案
方法になってますので,ご興味のある方は参照していただけたらと思
います.

八木将計(日立製作所)

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 ◆4. SPI Japan 2015を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
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■テーマ
 「発見!」  ~出会ってワクワク!  さぁ、次のステージへ!~

■開催概要
  日程:2015年10月21日(水)13:00 ~ 本会議
              10月23日(金)12:00
        2015年10月23日(金)13:30 ~ チュートリアル
  場所:姫路商工会議所(兵庫県姫路市) 
        https://www.himeji-cci.or.jp/accessmap
  主催:日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
  後援:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
        ソフトウェア技術者協会(SEA)
        日本SPICEネットワーク
        一般財団法人 日本科学技術連盟(JUSE)
        派生開発推進協議会(AFFORDD)

  開催規模:195名(一般参加者・講師・スタッフの総数)
  http://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2015/


多くの皆様にご参加いただき、10月21日から23日の3日間、SPI Japan
2015を無事に終えることができましたこと、改めまして感謝申し上げ
ます。誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

今年3月にグランドオープンいたしました真っ白で眩い姫路城に見守
られて、本カンファレンスのテーマでありました『発見・ワクワク』
を皆様と共有しながら、本会議として、基調講演、一般発表、トーク
&納得セッション、パネルディスカッション、意見交換会を、そして
最終日のチュートリアルでは演習中心のとても熱いセッションが行わ
れました。ワクワクした、来て良かった、来年は発表するよ、などと
直接にも、アンケートでもご意見・フィードバックを頂いて、とても
嬉しく思っております。

皆様にとりまして、この『発見・ワクワク』が『次のステージへ』と
つながって、新しい年に、活動につながっていければ、とても嬉しく
思います。

今回の一般発表資料は、ホームページに掲載しておりますので、皆様
の改善活動にお役立ていただければ幸いです。

さあ、今年も年の瀬を迎え、慌ただしくなってまいりました。どうか
お身体を大切に、新しい年・『次のステージ』に向けて、ワクワク・
元気にと祈念致しまして、最後のご挨拶とさせて頂きます。

SPI Japan 2015
  実行委員長    水田 恵子
  副実行委員長  中山 高宏
  副実行委員長  林 好一
  プログラム委員一同

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 ◆5. SPI Japan 2016 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2016)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2016年10月12日(水)~14日(金)
  ■場所:富山国際会議場(富山県富山市)
          http://www.ticc.co.jp/

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
2015年も幕を閉じようとしています。私の年末年始休暇は去年より少
し短いです。みなさんはいかがでしょうか。今年は暖冬という予報で
すが、やはり寒いですよね。エアコン、セラミックヒーター、ホット
カーペットなど暖房器具が活躍する季節ですが、私が好きなのはコタ
ツです。コタツでぬくぬくしながら、ちょっと冷たいみかんを食べる
ということに幸せを感じてしまいます。みかんには、みなさんご存知
のように、ビタミンCが多く含まれてますよね。ビタミンCには、免疫
力を高める効果があるので、風邪の予防にも効果があると言われてい
ます。みかんの皮をむいた後の白いスジや袋には「ヘスペリジン」と
いうビタミンCを安定化させる成分が多く含まれているので、皮をむい
たらスジは取らずにそのまま食べるのがいいみたいです。やはりこた
つみかんは良いですね。

今年1年メルマガにお付き合いいただきありがとうございました。
すてきな年末年始をお過ごしください。

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 JASPIC メルマガ 2015年12月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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