━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ JASPIC メルマガ 2025年4月号 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。 * SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善 ─────────────────────────────── ◆目次 ─────────────────────────────── 1. これから開催するイベント 2. 分科会の紹介:セキュリティ分科会 3. コラム:白井 保隆(JASPIC理事/株式会社東芝) 「悩みが尽きない改善。共にその先を目指しませんか。」 4. SPI Japan 2025 発表募集のご案内 5.会員募集 6. コラム執筆募集 ─────────────────────────────── ◆1. これから開催するイベント ─────────────────────────────── ●SPI Japan 2025 発表応募支援イベント 発表応募(特に発表概要作成)の支援のためのイベントを実施します。 イベント参加者への特典として、本イベントに参加(見逃し配信を含 む)の上で応募いただいた方には、早期割引と同額の割引特典が適用 されます。 対象:初めて応募される方、発表応募を検討されている方 日時:2025年5月15日(木) 17:30-18:30(+事後相談可能) ※この日時に参加できない場合でもお申し込みください。 別途「見逃し配信」を予定しています。 申し込みの締切日:2025年5月14日(水) https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2025/ ●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です) 日 時:2025年6月20日(金)13:00 ~ 6月21日(土)15:00 場 所:大阪府吹田市 内 容:1. 基調講演 (ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社 梁瀬 洋平様) :2. オープン分科会 :3. ネットワーキング、懇親会 など ─────────────────────────────── ◆2. 分科会の紹介:セキュリティ分科会 ─────────────────────────────── JASPICでは、あるテーマに対して興味を持つメンバが集まり、一年間 にわたって議論する場として16の分科会が活動しています。その中か ら今回は2024年度に新しく発足したセキュリティ分科会の紹介をさせ ていただきます。 セキュリティ分科会(略称:SEC分科会)は、2023年12月にJASPICの研究 員や個人会員であれば誰でも参加可能なセキュリティ勉強会として活 動を立ち上げ、その後2024年4月に勉強会参加者有志が集まって分科会 としても活動を開始しました。20年前後の活動履歴を持つ分科会が多 いJASPICの中では新しい分科会の一つで、2025年4月現在12名の分科会 員が活動しています。特徴としましては、月1回定時後に2時間程度Web 会議をしますが、その前半を自由参加の勉強会に、後半を分科会に当 てるというハイブリッド構造が挙げられます。 【活動の目的】 昨今の製品/サービスへのセキュリティ要求の高まりを受け、自動車や 医療を始めとしてネットワークに繋がる電子機器全般の開発・運用・ 保守プロセスへの適用を狙った法規/標準が多数制定され、対象物を開 発/提供する企業は、それらへの対応としてのプロセス改善を加速させ ています。この状況を受け、まずJASPIC会員企業内でのニーズに応え るべく、前記プロセス改善実践者の育成支援を目的としてセキュリティ 勉強会を立ち上げ、知識獲得を支援すると共に研究員のニーズを広く 収集してきました。当時EUで立法のための最終投票が行われていたCRA (Cyber Resilience Act)は、広くネットワークに接続される電子機器 全般を対象に猶予期間2~3年で製品へのセキュリティ機能の組み込み や販売後までの脆弱性対応義務などを課すための認証制度を含む内容 となっており、日本を含む世界中の関連企業にとって今後極めて影響 の大きなものとなります。そこで、まずCRAの詳細内容を調査検討して 必要なプロセス改善内容を特定すると共に、今後のセキュリティ法規/ 標準の動向を見据えて、あるべきプロセス改善の姿とそれに必要な知 識やスキルの獲得方法を研究する場としてセキュリティ分科会を立ち 上げました。 【これまでの活動】 勉強会: ・セキュアな開発・運用・保守プロセスの概要解説 ・経験者による自社での製品セキュリティに関する取り組みの紹介 ・医療系IEC 81001-5-1対応の相談会 ・PSIRTフレームワークの解説 ・初級者による疑問点をネタにしたセキュリティ関連の基礎用語の 解説会 ・折々のセキュリティ最新動向の紹介(CRA、IoT製品に対するセキュ リティ適合性評価ラベリングJC-STAR制度、情報セキュリティ10大 脅威、SBOM導入の手引き、トレンドマイクロのサイバーリスクレ ポート、など) 分科会: ・CRA法規詳細内容や2024/12/11発効経緯などの議論 ・PSIRTフレームワークの成熟度評価に関する議論 ・SPI Japan 2024のトーク&納得セッションにて、参加者との交流/ 体験イベントを開催 など 【2025年の活動予定】 以下の活動を行う予定ですが、要望に応じて柔軟に追加も可能です。 ・CRA対応のための具体的なプロセス改善活動内容に関する議論 現在は、運用プロセス実装カタログ作成のために、自動車・医療・ 産業制御機器の先行規格要求事項をCRA要件にマッピング中 ・セキュアなプロセスの整備や対策技法などのテクニカルな内容議論 ・当分科会参加者のCRA以外の関心事に対する議論や調査/分析など ・セキュリティ勉強会との連携活動(勉強ネタや資料提供、相談会) 【最後に】 製品セキュリティ対応には技術だけでなくプロセス面を含めた総合的 なスキルが必要で、セキュリティ人材育成が各社の課題となっていま す。その意味では、JASPICに所属されている方や興味をお持ちの皆さ まはプロセス改善のプロとして、セキュリティ人材の育成面で自社や 他社に貢献できる可能性を持っておられると思います。セキュリティ 知識の現状の有無に関わらず、ぜひ、当セキュリティ勉強会/分科会に ご参加いただいて、他者の育成やご自身のスキルアップに繋げて頂け れば幸いです。 ─────────────────────────────── ◆3. コラム:悩みが尽きない改善。共にその先を目指しませんか。 ─────────────────────────────── この記事を見てくださっているみなさんは「プロセス」や「改善」に 興味を持たれているでしょうか。もしそうでしたら、どのようなお立 場で会社・組織に関わってらっしゃるでしょうか。ソフトウェア開発 のQCDをさらに改善したいがどうすれば良いか悩んでらっしゃるプロジェ クトリーダー、会社・組織全体として品質コストの削減をしたい経営 幹部・技術幹部の方、会社・組織とプロジェクトの間に入り改善に貢 献する施策の普及展開に苦労されているスタッフの方など、様々な立 場の方がいらっしゃると思います。日々のお仕事、お疲れ様でござい ます。 ご紹介が遅れましたが、2024年12月にJASPIC理事に就任いたしました、 白井と申します。私は株式会社東芝の中で改善を推進するコーポレー トSEPGメンバという役割で多くの時間を過ごしつつ、社内の異なる役 割で改善活動の推進に携わってきました。時には製品開発に入り込ん での設計・プロセス改善、時には技術経営スタッフとしての全社レベ ルの改善活動の企画など。 東芝というグループ会社はみなさんご存知の通り、2025年に創立150年 を迎えるという、長年の歴史の中で数多の資産を築き、活用し続けて いる、多くの事業部で構成されているコングロマリット企業です。そ のため、同じグループ会社の中でも、プロジェクト・組織・会社の大 きさや、文化・風土、手がける製品・サービスの種類など多くの違い が存在します。そういった様々なプロジェクト・組織にて、QCサーク ルや、3階層SEPG体制によるSPI活動など、数多くの改善活動を進めて おります。多くの違いがあるプロジェクト・組織の改善活動を推進す るためには、プロジェクト内のメンバだけではなく、社内の知恵をプ ロジェクトや組織向けに咀嚼、変換するスタッフの働きも重要です。 生成AIやクラウドといった新技術の製品・サービスへの適用はもちろ んのこと、その手前にあたる「プロジェクトや事業として解決すべき 課題は何か?」、「何をどれほど改善するべきか?」といった改善の 方向づけに対してもスタッフが積極的な支援を行っています。 大規模な組織・会社であればあるほど、組織の目指す改善の方向は同 じにも関わらず、組織内の役割の間で方向性を合わせることが難しい ことが多々あります。特に、経営とプロジェクトの間においては、総 論賛成・各論反対という構図に陥りがちです。今のところの会社人生 を振り返るに、数多くの利害関係者との議論・対話を通して、前述し たような課題への突破口を見出すことを生業としてきたのかなと感じ ています。みなさんが参加されてらっしゃる会社・組織ではどうでしょ うか。同じようなことが発生しているでしょうか。 日本SPIコンソーシアム(JASPIC)は、日本国内のソフトウェアプロセ ス改善の分野で重要な役割を果たしています。「プロセス」や「改善」 に関心を持たれている方、「改善に活用できる技術」から「技術の手 前」まで、様々な課題を含め悩みを抱えている方に広く参画いただき、 抱えてらっしゃる悩みをJASPICメンバ全員で共に悩み・解決していき たいと思っております。そのような一つ一つの取り組みが、今後のJA SPICの発展につながり、ひいては日本のソフトウェア産業の競争力を 高めることにつながると考えております。JASPICを通して、プロセス 改善の輪を広げていきましょう。 白井 保隆(JASPIC理事/株式会社東芝) ─────────────────────────────── ◆4. SPI Japan 2025 発表募集のご案内 ─────────────────────────────── 毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2025)の発表募集を開始しま した! ■日程:2025年10月22日(水) ~ 10月24日(金) ■場所:岡山コンベンションセンター (ママカリフォーラム)(岡山県岡山市) SPI Japan 2025のテーマは、 「つなぐ」 ~価値創造に貢献する 「シン・ソフトウェアプロセス改善」~ です。 自然災害の増加、不安定な世界情勢、テクノロジーの著しい進展など、 激動の環境変化の中、「社会課題解決」、「企業の競争力向上」がよ り一層求められています。 JASPICは、「SPI活動の促進を通じて、人や組織が望む価値を創造でき る社会の実現に貢献する。」をミッションとしています。その実現に は、イノベーション(変革)が、「新結合(つなぐ)」で生まれるこ とから、以下をつなぐことがヒントになると考え、このテーマを設定 しました。 ・SPIマニフェストの3つの価値(人、ビジネス、変革)をつなぐ ・「強み」と新たな機会(テクノロジーの進化、多様なチーム等)や 脅威をつなぐ ・先人から受け継ぎ、組織や自分自身をアップデートし、次の世代へ とつなぐ SPI Japan は、多様な視点と経験や知見にあふれています。みなさま の取り組みとつなぐことで、“夢”を実現へと近づける場です。「未 来は目指し、創るもの」「日本を元気にする!」ために、自ら学び、 成長し、仕掛けていく一歩がここにあります。 SPI Japan 2025は、発表者、参加者だけでなく、運営スタッフも含め て、お互いを理解し高め合い、楽しむ場です。楽しめば、最高の成果 につながります。岡山で一緒に楽しみましょう!みなさまのご参加を 心よりお待ちしております。 締め切りは2025年5月30日(金)を予定しています。また、今年も早期応 募割引期間内に応募された場合、参加費用をさらに割引く早期応募割 引も適用させていただきます。こちらの締め切りは2025年5月12日(月) となります。 詳しくは、SPI Japan 2025のホームページをご覧ください。 https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2025/ ─────────────────────────────── ◆5. 会員募集 ─────────────────────────────── JASPICは、現在、13社の法人会員および個人の会員によって構成され ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという 法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。 詳しくは、次のサイトを参照してください。 ■入会について https://www.jaspic.org/organization/join_us/ ■会員と運営体制 https://www.jaspic.org/organization/members/ ─────────────────────────────── ◆6. コラム執筆募集 ─────────────────────────────── 本メルマガのコラムを執筆していただける方、大募集します! ~SPI活動を通じて感じたこと、気づいたことをみなさんと共有 してみませんか?~ 執筆希望の方は下記の執筆要領をご確認の上【タイトル】【本文】 【氏名】を以下の宛先まで送付ください。 ※内容については必要に応じて体裁調整などの修正を行う場合が ありますことをご了承ください。 ◆執筆要領 ・1400文字前後(1行あたり全角31文字×45行程度)を目安 ・フォーマットは自由(wordやテキスト、メール本文でOK) ・著作権上の問題をクリアし、他ブログやサイトなどに掲載 されていないもの ・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能 ◆宛先 PR-infoアットjaspic.org 執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。 皆様の活発な投稿をお待ちしております! ─────────────────────────────── ◆編集後記 ─────────────────────────────── メルマガ編集担当のA.Kです。 最近、おうちでお寿司を作るのにハマっています。 春の夜、自宅でちょっと贅沢な気分を味わえる小さなごちそう時間で す。実は裏でこっそり使っているのが、いちどに10貫できる寿司メー カー。シャリを詰めてネタをのせてぎゅっとするだけで、立派な握り 寿司ができます。 ネタのお刺身はこだわりのスーパーで選び、赤シャリを仕込んだりと、 そこは手抜きなし。ほんの少しの手間と工夫で、平凡な夜がちょっと 特別な時間になります。 新年度に入りなにかと慌ただしい毎日が続きますが、みなさまにも “マイブーム”という名の小さなごほうび時間が訪れますようお祈り してます。 どうぞ素敵なゴールデンウィークをお過ごしください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JASPIC メルマガ 2025年4月号 発行:日本SPIコンソーシアム https://www.jaspic.org/ お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━