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◆ JASPIC メルマガ 2025年2月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC関係者によるコラム等をまとめてお伝えします。
* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善
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◆目次
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1. 2025年度分科会の紹介
2. Vivid Voices ~永田敦さんへのインタビュー~
3. SPI Japan 2025のご案内
4. 会員募集
5. コラム執筆募集
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◆1. 2025年度分科会の紹介
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JASPICでは、あるテーマに対して、興味を持つメンバが集まり、一年
間にわたって議論する場として分科会を作り、その中で自分たちで計
画をたて、議論を深めるという活動を実施しています。この活動で作
成した成果物は、JASPIC会員企業のメンバが活用できるように提供さ
れます。また、その成果は、SPI Japan などでJASPIC会員企業以外に
オープンに公開していきます。
2025年度(2024年12月~2025年11月)は、次の16の分科会です。
・SPI推進課題分科会
・SPI事例研究分科会
・ソフトウェアプロセスデータ実践分科会(コミュニティ)
・SPI現場ノウハウ交換分科会
・コア・コンピテント・チーム研究会
・プロダクトライン分科会
・人材育成分科会
・関西分科会(SPI理想可視化分科会)
・要件定義プロセス分科会
・プロセス改善戦略分科会
・IDEALモデル実践研究分科会
・オフショア分科会
・アジャイル分科会
・プロセス改善への機械学習応用分科会
・セキュリティ分科会
・User Experience 分科会
分科会にのみ参加することができる分科会会員制度もあります。体験
入会もございますので、分科会に興味のある方、入会を希望される方
はお気軽にJASPIC事務局にお問い合わせをお願いいたします。
JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org
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◆2. Vivid Voices ~永田敦さんへのインタビュー~
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アジャイル開発での品質保証に携わっておいでの永田敦さんへのイン
タビュー、今回が最終回です。前回はユーザーストーリーをシステム
開発の出発点とする、というところまででした。
メルマガ編集者(編):
うーん、ユーザーストーリーが曖昧であっても聞き取りの回数を重
ねれば大丈夫、というだけのことなのですか?
永田さん(永):
ユーザーストーリーはね、きっかけなんですよ、仕様を考えること
の。希望なんです。その希望を実現するための仕様というものがあ
るんです。きっかけからシステムを作って動かして見せて、必要な
ものが分かってきます。その仕様は、私が今いるところではしっか
り書きます。でも、書かないところも多い。
仕様書に関しては議論したことがあって、細谷さん*1 は、仕様は
話している内に見えてきて、文書化しなくてもシステムは作れると
言うんですね。ただ、作ったものは、後に誰かが保守しなくちゃな
らない。その、保守のために、何がどうなっていているか、どうい
う意図があってその設計になっているのかというのは、文書に残し
ておかなくてはならない。そう言ってました。
私のところでは、作る前に仕様を書きます。ただ、大体は元の仕様
書があって、その修正なので、そんなに大きなタスクにはならず、
非常に明確な仕様が作られます。
ユーザーストーリーを話し合っている時にはQAも一緒に入ってレ
ビューします。それを基にテスト設計もしちゃうし。
編:
QA担当者がテスト設計もするんですか?
永:
いやいや、私は横で見ていて、変な方向にならないように見ている
だけです。私が今の職場に来るか来ないかの頃に現場はシフトレフ
トしていてね、作っている時にQAも入るようになってきていたんで
す。
編:
なるほど。ユーザーストーリーは、曖昧かもしれないけれど、利用
シーン、つまり、ユーザーがどういう使い方を考えているか、どう
使いたいかを反映しているから、それをきっかけとして、望まれて
いるシステムの姿を見つけていくんですね。
永:
そうです。
編:
そうすると、こういうことですね?アジャイルでも各イテレーショ
ンはミニウォーターフォールで、その最初の方ではユーザーがとっ
つきやすい形で思いを出してもらう。後の方ではシステムが動くか
ら、ユーザーが見て、いやこれは私の欲しいものではないって言え
るようにして、価値が提供できているかが分かる。そうしたことを
繰り返してだんだん良くしていくのだと。
永:
リファイメントってプロセスがありまして。まずは、プロダクトオー
ナーがユーザーストーリーを描いてそれをおひろめする訳ですね。
で、私なんかは最初それを一所懸命メモしていたんです。
一方で、開発者はそのシーンを理解して、どんな機能があれば良い
んだろうか、それはどう設計実装すれば良いかっていうことを、そ
の場で考えてるんですよ。要求を聴いている時に、何を調べないと
いけないかとか、そこのところ良く分からないのでもっと詳しくと
か、議論になるんです。詳細化が起きるんですよ。そして、開発者
は、そう動かすにはどうすれば良いのかという観点を持って聴いた
り話したりしているんです。それが口頭で行なわれるんです。
そして、分かったら、みんなメモします。コンテキストとか、関係
する情報も。そこではメモすることが大事なんじゃなくて、共有し
たいんです。暗黙知化するんです。
これをやってないところはアウトなんですよ。ただ単にこう、
「これをやりたいんです」、
「わかりました」、
「どれくらい掛かります?」、
「まあこれくらいですかね」
なんて、ただ流れているようなところは、よろしくないんです。
編:
曖昧なままではないんですね。
永:
アジャイルは何をする、っていうんじゃなくて、アジャイルをどう
やるか、それにはどんな意味があるのか、が大事なんです。つまり
は、要求プロセスが入っているんですよ、ちっちゃなね。
ユーザーストーリーっていうのは、小さい小さい小さい価値を示し
ているので、その範囲において、どう実現するかということを、考
えるんです。
その際、見積もりもするんですよ。コードの細かいところまでは見
えていなくても、この機能はどう作るというような目論見は、でき
ているんですよ。
で、その中で、じゃあこのイテレーションでは何を作るかという用
意ができる訳ですね。それで、スプリントのプランニングにそれを
持ってくるんです。そうしたら今度は開発者がプランニングするん
です。そこにQAも入っていく。そして、どんなリスクがあるのかと
か、リスクマネジメントもして。
そして、仕様書を作ります、私達は。あるいは更新をするんです。
振舞いを明確化するんですよね。
編:
文書化するんですね。
永:
口頭だけでも作れちゃうんですけども、数ヶ月後とかに、あれ?
これなんでこうなるんだっけ?バグだっけ?仕様だっけ?って、分
かんなくなっちゃう。でも仕様をしっかり残しておけば、開発者は
設計実装に没頭して大丈夫なんですよね。そして最近では、テスティ
ングが入ってくる。自動のね。
編:
そうした一連のフローというのは、続けているからこそできること
なのではありませんか?
永:
そう、続けていてやり方が成熟してくると、リファインメントもう
まくできるようになる。プロダクトオーナーも学習するんです。あ、
この言い方じゃダメだなとか、これは書いて見せないととか。そう
やってうまく説明できるようになる訳です。
私のところでは誰でも仕様書を書いているし、ADR*2 もしっかりと
残しています。どういう判断でそうなったのかって、後から分かる
ように。
そんな風にして、暗黙知をうまく使えるようになっていきます。結
局やっぱりSECIモデル*3 になるんです。
編:
さて、最後の質問をさせてください。開発を経験して、QAを手がけ
るようになって、アジャイルに関わってこられて、このあと、何を
やっていこうとお考えですか?
永:
この後はね、まだできていない宿題をやらないと。トム・ギルブ*4
からもらった宿題で、もう十数年前くらいから考えてるけれど、ま
だできていない。それはね、あるメトリクスなんです。
編:
具体的な基準みたいなことですか?
永:
基準というよりは、どうやってお客さんの価値を定量化できるかと
いうことです。それを開発現場で扱えるようにしたい。
開発のアウトプットは見えてきているんですよ。リリースを何回で
きるかとか、フィーチャをいくつ出したかみたいなことは。でもお
客さんがどれくらい喜んでくれたのかということが、定量的に示せ
ていない。アウトプットじゃなくてアウトカムが見たいんです。
編:
出したものではなく、受け取られたもの、ということでしょうか。
永:
売り上げにつながるのは(アウトプットではなく)アウトカムなの
で、それが分かる指標を持たないといけない。メトリクスとは呼べ
ないものでも良いのだけれど、何か、お客さんに提供できる価値を
測るものを、見つけようとしています。
編:
期待しています。
本日はお忙しい中お時間を割いていただき、ありがとうございまし
た!
永:
ありがとうございました。
【脚注】
*1 細谷泰夫:「わかりやすいアジャイルの教科書」(SBクリエイティ
ブ)の共著者の一人。アジャイル開発に限らず様々な開発形態の経
験を持っている。
*2 ADR:アーキテクチャに関する決定を記録したものの意。根拠や
特性を記述しておき、後の理解や変更が適切に行なわれるようにし
たもの。
*3 SECIモデル:「セキモデル」と読む。暗黙知と形式知の間の変換
サイクルを表したもの。
*4 トム・ギルブ:JASPIC メルマガ 2024年12月号のインタビュー
記事参照。
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◆3. SPI Japan 2025 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2025)の開催についてお知
らせいたします。
■日程:2025年10月22(水)~24日(金)
■場所:岡山コンベンションセンター(岡山県岡山市)
https://www.mamakari.net/
皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は決定次第JASPICホームページ
にてご案内いたします。
https://www.jaspic.org/events/sj/spi_japan_2025/
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◆4. 会員募集
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JASPICは、現在、13社の法人会員および個人の会員によって構成され
ています。SPIの技術や活動の進め方を学びたい、議論したいという
法人会員、個人会員、分科会会員を募集しています。
詳しくは、次のサイトを参照してください。
■入会について
https://www.jaspic.org/organization/join_us/
■会員と運営体制
https://www.jaspic.org/organization/members/
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◆5. コラム執筆募集
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本メルマガのコラムを執筆していただける方、大募集します!
~SPI活動を通じて感じたこと、気づいたことをみなさんと共有
してみませんか?~
執筆希望の方は下記の執筆要領をご確認の上【タイトル】【本文】
【氏名】を以下の宛先まで送付ください。
※内容については必要に応じて体裁調整などの修正を行う場合が
ありますことをご了承ください。
◆執筆要領
・1400文字前後(1行あたり全角31文字×45行程度)を目安
・フォーマットは自由(wordやテキスト、メール本文でOK)
・著作権上の問題をクリアし、他ブログやサイトなどに掲載
されていないもの
・氏名の掲載がNGまたは抵抗のある方はペンネームでも可能
◆宛先
PR-infoアットjaspic.org
執筆に関するご質問やご意見などについてもお寄せください。
皆様の活発な投稿をお待ちしております!
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◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
先日の大寒波は、皆さまのお住まい先ではいかがでしたでしょうか?
私は真冬の寒さから逃れるように暖かい所を求めて少し遠方に旅行に
行ってました。しかし、暖かい所で過ごすはずが、なんと訪れた場所
もこの冬一番の寒い日となってしまったようで、普段の生活と変わら
ない気温でした…。シャツ1枚で過ごす予定が寒すぎて厚いヒートテッ
クを着込んで過ごすことになってしまい、"本当にここは暖かい場所
か?"と疑わしくなりました。訪れる場所場所では「普段はこんなに寒
くないのよ。暖かくて良い所なのよ。この地域を嫌いにならないでね。
また良い季節に来てよ」とすごくフォローしてくださいました(笑)
そんな珍しい体験から始まった旅行でしたが、旅行中は珍しい体験の
連続(とある大御所のモノマネタレントさんにばったり会ったり、珍し
い鳥類や魚類を見かけたり、絶滅危惧種の動物を見たり、野生のク
ジャクを見かけたり)でした。この地域への旅行は2回目でしたが、前
回来たときには体験しなかったことの連続で、色々と印象に残る旅行
になりました。皆さまの珍しい体験、おススメの旅行先も教えてくだ
さい。
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JASPIC メルマガ 2025年2月号
発行:日本SPIコンソーシアム https://www.jaspic.org/
お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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