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 ◆ JASPIC メルマガ 2014年12月号 ◆
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本メルマガでは、定期的に日本SPIコンソーシアム(JASPIC)主催のイ
ベント情報やJASPIC研究員によるコラム等をまとめてお伝えします。

* SPI(Software Process Improvement):ソフトウェアプロセス改善

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 ◆目次
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 1. 個人会員制度のご案内
 2. これから開催するイベント
 3. 分科会の紹介:オフショア分科会
 4. コラム:松原 友夫(JASPIC名誉会員)
           「安全性はシステムの特性」
 5. SPI Japan 2014を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
 6. SPI Japan 2015 のご案内

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 ◆1. 個人会員制度のご案内
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JASPICはソフトウェアプロセス改善(SPI)に関する技術や活動の進め方
を学びたい、議論したいという法人を会員として活動してきました。
今回、SPI活動の輪をさらに広げていくためにJASPIC個人会員制度を発
足することにしました。
個人会員は、法人会員と同等の活動が可能で、このJASPICメルマガで
も紹介しているJASPIC内部イベントや分科会に参加することができま
す。具体的には、年5回開催される例会への参加、年1回開催される全
体合宿への参加、分科会への参加が可能です。分科会は自分の希望に
応じて複数の分科会に入会できます。またSPI Japan等のイベントには
優待料金で参加することができます。

個人会員は2015年4月から活動できるように制度の詳細を検討し、2015
年2月末までには会員の募集を開始する予定です。詳細が決まりました
ら本メルマガ、JASPICホームページ等でお知らせします。

JASPIC個人会員に関するお問い合せは、JASPIC事務局にお願いします。

JASPIC事務局メールアドレス:infoAアットjaspic.org

法人会員についても引き続き募集していますので、自社にソフトウェ
ア開発プロセスをお持ちの企業の方は法人会員としての入会もお願い
します。

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 ◆2. これから開催するイベント
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JASPICの新年度は12月から開始となります。今年度は下記のイベント
を予定しております。

●JASPIC例会(JASPIC会員限定です)
  実施日時:2/18(水)、4/17(金)、 7/17(金)、11/11(水)、12/9(水)

●JASPIC合宿(JASPIC会員限定です)
 開催時期:5月末頃を予定

●トワイライトフォーラム
  開催時期:年6回予定(日時未定)
            ※うち2回は東京以外で開催予定

●SPI Japan 2015(姫路市 姫路商工会議所)
  開催日程:10/21(水)~23(金)

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 ◆3. 分科会の紹介
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JASPICでは、あるテーマに対して興味を持つメンバが集まり、一年
間にわたって議論する場として12の分科会が活動しています。その
中から今回は、オフショア分科会をご紹介します。

●オフショア分科会
オフショア分科会は2014年7月 正式発足し、現在7社11名の研究員が
在籍しているJASPIC内で一番新しい分科会です。
活動ポリシーを「私たちオフショア分科会は、オフショア活用に関
する様々な事例・研究・交流などを通じて、ソフトウェアプロセス
改善を追求し続けます」として、その活動ポイントは以下の3点です。
・ノウハウ収集・共有
・研究
・他団体連携

【ノウハウ収集・共有】
分科会メンバが所属している企業・団体などで海外活用に関するノ
ウハウ・事例・取り組みなどを収集・共有する活動です。
また、JASPIC研究員や関係者には、海外活用・海外駐在などに携わ
っているメンバが多くおり、その方々の経験・知見などを紹介して
もらい、オフショア分科会としてノウハウをまとめていく活動も実
施しております。

【研究】
オフショア開発のみに限定せず、オフショア先の文化・情勢・習慣・
気性・法律などや、地域性(例:中国沿岸地域や内陸部、ベトナム
ハノイやホーチミンなど)などを研究し、オフショア先の理解度を
向上させる活動です。
情報元は、インターネット・書籍や経験・体験など様々ありますが、
最終的には体系化されたノウハウとして集約し、JASPIC内外に公開
していく予定です。

【他団体連携】
昨今、オフショアに関連する各推進団体がいくつか存在しており、
様々なイベントも開催されています。オフショア分科会としても、
このような団体・イベントなどに積極的に参画し、業界全体として
オフショア開発全般活動を促進していきたいと考えています。
JASPIC オフショア分科会との連携(JASPIC内外問わず)などにつ
いては、JASPIC事務局までお問い合わせ下さい。

【最後に】
2000年頃 コスト戦略として始まったオフショア開発も、為替変動・
単金上昇によりリソース戦略に移行しつつあります。
オフショア開発に関しては画一的なプロセスなどはなく、幅広い様
々な観点で調査・研究を進めていく予定です。

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 ◆4. コラム:「安全性はシステムの特性」
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システムは、システム同士がソフトウェアと通信で繋がったり飲み込
んだりしながら巨大化し、社会を巻き込むようになりました。私が現
役だった半世紀前は、システムはまだあまり大きくはなく、ほぼ全体
が見通せましたが、それでもしばしば重大事故が起こり、原因の発見
と修復に多くの時間を費やすこともありました。巨大化したシステム
は、膨大なコンポーネント間の天文学的な相互作用によって、システ
ム全体の把握が難しく、把握能力を持つ人が限られ、予期せぬ問題に
適切に対処することができなくなってきています。

システムから受ける恩恵は大きくなりましたが、同時に障害が起きた
ときの被害も大きくなり、ときには生命財産を脅かすようになりまし
た。こうしたシステムでは、障害をなくすのはもちろんですが、起き
ても安全であることが求められます。

安全性は、信頼性を高めれば達成できるでしょうか?信頼性が、各コ
ンポーネントを仕様通りである特性だとすれば、それは安全性のごく
一部に過ぎません。システムが完璧なコンポーネントで構成されてい
たとしても、コンポーネント間の相互作用によって、例えば、タイミ
ングの遅れでも安全は脅かされます。

さらに、安全性を考える場合、開発時でなく運用時に関わるすべての
要素間の相互作用を考慮の対象としなければなりません。例えば、関
係者の練度、企業文化、国の法律、その地域の文化、地域の住民など
を含めた、より広い、境界が定かでないシステム領域の中で考える必
要があります。

安全性は、個々の部品の特性ではなく、システム全体の特性です。と
いうことは、問題が、電気、電子、機械、化学といった理学・工学系
分野だけでなく、心理学、経営学にも跨ります。個々の部分に注目す
る(もちろんそれも必要ですが)だけでなく、システム全体を俯瞰し
て、複眼的視野から総合的に、しかもダイナミックにハザードを予見
しなければならないのです。それには、ハザードを、頭の中に時系列
的なイメージとして描く能力が役立ちます。

また、このような能力は、現場でシステム環境に浸かり現物を知悉す
ることによって生まれます。福島第1原発事故の対策が失敗続きなの
は、恐らく現場での経験が十分積めない環境で対策を実施せざるを得
ないからでしょう。

安全性に関しては、座学で得た蛸壺的専門技術よりも、回り道をしな
がら現場で積んできた豊富な経験や創造的な趣味が、役立ちます。

経験が視野を広げ、安全性への見識を高めるのです。今まで経験して
きたことのすべては、決してムダにはならないばかりか、大いに役立
つのです。

松原 友夫(JASPIC名誉会員)

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 ◆5. SPI Japan 2014を無事に終えて~実行委員長からの挨拶~
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■テーマ
 「伝わる」~“カイゼン”の想いを感じ、その輪を広げよう~

■開催概要
  日程:2014年10月15日(水)午後  ~  10月17日(金)午前 本会議
        2014年10月17日(金)午後 チュートリアル
  場所:プラサ ヴェルデ(ふじのくに千本松フォーラム)(静岡県沼津市)
        http://www.plazaverde.jp/
  主催:日本SPIコンソーシアム(JASPIC)
  後援:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
        ソフトウェア技術者協会(SEA)
        日本SPICEネットワーク
        一般社団法人 情報処理学会(IPSJ)
        一般財団法人 日本科学技術連盟(JUSE)
        派生開発推進協議会(AFFORDD)
        沼津商工会議所
        静岡県東部地域IT推進協議会
  開催規模:190名(一般参加者・講師・スタッフの総数)
  http://www.jaspic.org/modules/event/index.php?content_id=38


多くの皆様にご参加いただき、10月15日から17日の3日間、SPI Japan
2014を無事に終えることができましたこと、改めまして感謝申し上げ
ます。誠にありがとうございました。

初冠雪をいただいた富士山の麓の新しい会場にて初日からの本会議は
基調講演、一般発表、トーク&納得セッション、パネルディスカッシ
ョン、意見交換会ともに多くの皆様にご参加頂き活気に満ちたものと
なりました。
また、17日(金)午後のチュートリアルもプロセス/エンジニアエンジ
ニアリング双方における実践形式のワークショップということで、大
変な盛り上がりであったとのご意見もいただいております。

年の瀬もあっという間に過ぎていきますが、ご参加の皆様にとって、
本年のSPI Japanの活気を何かの折に思い出して頂き、その中から明
日へのステップを進める何が伝われば、とてもうれしく思います。

今年度の一般発表資料は、ホームページに掲載しておりますので、
皆様の改善活動にお役立ていただければ幸いです。

SPI Japan 2014
  実行委員長    中山 高宏
  副実行委員長  権正 治好
  プログラム委員一同

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 ◆6. SPI Japan 2015 のご案内
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毎年実施しておりますSPIに関する国内有数のイベント、ソフトウェア
プロセス改善カンファレンス(SPI Japan 2015)の開催日と開催場所
が決まりました。

  ■日程:2015年10月21日(水)~23日(金)
  ■場所:姫路商工会議所(兵庫県姫路市)
          https://www.himeji-cci.or.jp/kaikannoannai

皆様からの改善活動の成果や失敗から得た知見などの発表やディス
カッションを予定しております。詳細は追ってご案内いたします。

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 ◆編集後記
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メルマガ編集担当のA.Kです。
いよいよ年の瀬が迫ってきました。2014年末から2015年始にかけた年
末年始は大型連休になる方も多いのではないでしょうか。個人的には
年明けの初詣でおみくじを引くのが恒例になっています。神社仏閣に
置かれているおみくじの種類は7段階が多いのですが、場所によっては
「半吉」や「末小吉」「半凶/末凶」が入った12段階のおみくじもある
そうです。私はまだ巡り会えたことはありません。編集後記を執筆中、
2014年の初詣で人生初の凶を引きショックを受けた記憶が蘇りました
が、なんとか平穏無事に12月を迎えることができています(笑)。
「凶」のおかげで一段と気を引き締め日頃の生活を送ることができた
こと、それが「凶」の存在意義なのかなと感じています。と言いつつ、
来年こそは「大吉」を引きたいですね。

今年1年メルマガにお付き合いいただきありがとうございました。
すてきな年末年始をお過ごしください。

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 JASPIC メルマガ 2014年12月号
 発行:日本SPIコンソーシアム http://www.jaspic.org/
 お問い合わせ先:infoAアットjaspic.org
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